【お断り】もともとは「ですます」調で書かれていますが、都合により*1語尾は変えてあります。
みうらさんのスクラップ(P109)
私がやっているのは、そこ(=コレクター、きれいに保管すること)を極めるのではなく、集めたものを通じて違う世界を見せること。
(中略)
小学1年生の時に「怪獣スクラップ」を始めた。コレクションの点では、お金持ちの子にはかなわない。
(中略)
そこで、親に買ってもらった量ではなく、「好き」である熱量をどう表現するかばかりを考えて、たどり着いたのがスクラップだった。
岡本太郎の名言「なんだこれは!?」(P125)
何もないところで発しても意味のない言葉だ。しかし、自ら作品を作ってから、「なんだこれは!?」と自分で驚く。これが実は、「ない仕事」の本質なのではないか。
自分で作り、自分でツッコミ、人が驚き振り返る。
要するに「ない仕事」とは、依頼もないのに勝手にやった仕事のこと。
なぜ一つのことに特化しなかったのか?(P129)
その理由は、やりたいことによって、マンガにするのか、イラストにするのか、エッセイにするのか、イベントにするのか、テレビ番組にするのか、それぞれに「相応しいツール」を選んできたからに過ぎない。
私の「したい仕事」は世の中にはなかった(P132)
だったら自分で作るしかない。しかしそこで自己主張をしてしまうと、世の中からすぐに「必要がない」「欲しくない」と気づかれてしまう。そこで自分を消し、あたかも「なかったもの」が流行っているかのように、主語を変えてプレゼンしてみる。すると、人々は「流行っているのかな?」と、ようやく目を向けてくれるようになる。
「アウトドア般若心経」に「ない仕事」の真髄があった(P143)
※「アウトドア般若心経」…般若心経の全部の文字を、町中で撮影して集めたもの。
バラけると意味がない。合うとそう見える。それが「ない仕事」の真髄だと、自分でも初めて気がついた。そもそも違う目的で作られたものやことを、別の角度から見たり、無関係のものと組み合わせたりして、そこになにか新しいものがあるように見せるという手法。
すべては「グッとくる」ところから始まる(P146)
何かを見たり聞いたりした時に、すぐに好きか嫌いかを判断できるものは、そこで終わり。好きなのか嫌いなのか自分でもわからないもの。違和感しか感じないもの。言葉では説明できないもの。私はそういったものに、グッとくる。
いつかこの、グッときたものを人に伝わるように具現化したい。それが私の仕事のモチベーション。そのままで発表しても面白くないもの、伝わらないものが、まったく違うものと結びついた時に、最初に「おかしい」と思ったことの真髄が表れるような気がする。なので、グッときた段階では、私はまだその発表を行わない。
*1:主に、入力時間を短縮するため