
アウトライン・プロセッシング入門: アウトライナーで文章を書き、考える技術
- 作者:Tak.
- 発売日: 2015/05/07
- メディア: Kindle版
佐々木正悟さんや堀正岳さんなど、ライフハック系(と勝手に呼んでいる)の方々の本を好んで読んでいます。
すると、あちこちで「アウトライナー」という単語と、Tak.さんのお名前を見かけます。
ずっと気になっていたんですが、著書はほとんどがKindle版のみ。
Kindle Unlimitedを申し込んでから、やっと読めました。
技術系の本なのに、単なる技術論を超えて生き方にも通じるような面白い本でした。
◆本の目次◆
はじめに
Part 1 アウトライナーとアウトライン・プロセッシング
アウトライナーとは
アウトライナーの三つの基本機能
アウトライナーを選ぶ
アウトライナーを使うということ
シェイク
Part 2 文章を書く
ランダムなメモを組み立てて文章化する
視点を組み替えてサマライズする
発想から文章化までをアウトライナーで行う
複数の文章をひとつのアウトラインで管理する
アウトライナーを「文章エディタ」として使う
Part 3 理解する・伝える・考える
アウトライナーで読む
アウトライナーで伝える
使い捨てのアウトライン
タスク管理から「生活のアウトライン」へ
Part 4 アウトライナーフリーク的アウトライナー論
アウトライナーフリーク的Word論
アウトライナーが「アイデア・プロセッサー」であること
アウトライナーフリーク的Evernote論
フローをからめ取る
アウトライナーの新しい呼び名
チームでのアウトライン・プロセッシングへ
巻末
おわりに
自由なアウトライン・プロセッシングのためのアウトライナー一覧
アウトライナーとは何か
この本で取り上げられている「アウトライナー」または「アウトラインプロセッサ」とは、アウトラインの作成と編集に特化したソフトのこと。
では、「アウトライン」とは何か。
アウトラインとは「 項目の下に下位項目を、さらにその下に下位項目を…という、入れ子状態になった箇条書きのこと」を指します。
日本ではあまりなじみがありませんが、欧米の作文教育で使う形式で、学校の授業でみっちり叩き込まれるそうです。
エッセイや論文の定められた形式も、すべてこのアウトラインがベース。
文章を書く前に、何をどのように書くか、あらかじめ構造をよく練っておく必要があります。
それを効率よくできるように作られたのが、アウトライナーというわけです。
「それなら、硬い文章を書く時専用なのでは?」と思いますよね。
Tak.さんはまったく違う視点からこのツールの使い方を発明したんです。
これはもう、発明と言っていいと思います。
シェイクする
簡単に構造化ができ、ラクラク移動したり、折りたたんで見えなくすることも可能なアウトライナー。
つまり、
「この文章を別のところにつけてみたら?」
「あれとこれを一緒にしたらどう?」
「順番を入れ替えてみよう」
といったことが思いつきでどんどんできてしまいます。
これは、ワープロやエディタでベタッと文章を書いていた時には考えられませんでした。
構造を決めてから文章を書く=トップダウンと、まず自由に文章を書いてから全体の構成を整える=ボトムアップ。
これを自由に行き来できるのがアウトライナーの醍醐味です。
この作業をTak.さんは「シェイク」と呼んでいます。
視点を切り替えながら文章を見ていくことで、バランスよく書ける。
これはアウトライナーを使いこなすうちに、自然とするようになるのだとか。
「シェイク」最大のメリットは「構成を考える」と「フレーズを考える」を分離できること。
ふつう、文章を書く時、頭はこのふたつを同時にしていることになり、かなり負荷がかかります。
アウトライナーでシェイクすることによって、
全体の流れを考えることとフレーズを考えることを意図的に分離して、頭の負荷を減らしているとも言えるのです(418)。
これは、私には特に大きなメリットでした。
全体の構造を考える前に、細かいところ*1が気になって進まなくなることがたびたびあったので。
「未使用」という項目を作る
さらに素晴らしいのが「未使用」という考え方。
これは「予定外のアイデア、最初の構想に当てはまらないものを入れておく」というものです。
書いたもののどこに入れていいかわからない、というアイデアはけっこうあります。
後から使う可能性もあるので、ボツとも少し違う。
「未使用」に入れておいたものが復活することも多々あります。
「アイデアの仮置きをする場所」として、未使用は使えます。
とりあえず入れておける場所があることで、「使うか、ボツにするか」といちいち悩まなくなり、文章に集中できるようになりました。
私が特に面白いと思ったことを紹介しましたが、操作方法やたくさんあるアウトライナーのどれを選べばいいのか、といった基本的なこともていねいに教えてくれるのでとてもわかりやすい1冊。
デジタルで文章を書いているすべての人に、アウトライナーはおすすめです。
アウトライナーを使ってみたい方にはぜひ最初に読んでほしい本。どのアウトライナーを選んだとしても、使えます。
アウトライナーとは何か、端的に表現されているTak.さんのツイートがあったので、貼っておきます。
アウトライナーは階層構造を作るツールではない。階層構造を(必要に応じて)利用しながら考える(書く)ツールだ。
— Tak. (@takwordpiece) May 17, 2020
私のアクション:WorkFlowyを、ブログを書くのに使ってみる♪*2
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