【お断り】内容を損なわない程度に表現を変えているところがあります。ご了承ください
■出発点からおかしいのだ33
偉いと思われたい。おかねが欲しい。成功したい。目的意識があることは結構だが、その考え方で書くと、結局、人に読んでもらえない文章ができあがってしまう。
■文書と文章は違うことを知っておく49
レポート、論文、メール、報告書、企画書。…これらは「問題解決」のためであったり「目的達成」のためであったりする書類だ。
世に出回っている「文章術」の本は、なぜかこれらの書き方を懇切丁寧に教えようとしている。だが、それらは文章というより、業務用の「文書」というべきものではないだろうか。
■ひとつひとつの単語の定義を忘れると、自分がいま書いているものがなんなのかが分からなくなってくる63
「事象と心象が交わるところに生まれるのが随筆」という定義を見失って映画を論評すると、事象寄りに振れてしまえば映画のあらすじばかり書く状態に陥るし、心象寄りだと感想だけ書いて終わってしまう63
■ほめてくれる人に、「また次もほめられよう」と思って書くと、だんだん自分がおもしろくなくなってくる115
評価の奴隷になった時点で、書くことがいやになってしまう
■言葉とは、文字通り「葉」である。好きなことを好きに書いた葉を茂らせるためには、「根」が生えていなければならない。それが一次資料である。157
■調べることは、愛することだ。自分の感動を探り、根拠を明らかにし、感動に根を張り、枝を生やすために、調べる。185
■事象に出会ったとき、
そのことについてしっかり調べて、
愛と敬意の心象を抱けたならば、
過程も含め、自分に向けて書けばいい195