毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]夫のトリセツ☆☆☆

夫のトリセツ (講談社+α新書)

夫のトリセツ (講談社+α新書)

夫のトリセツ (講談社+α新書)

夫のトリセツ (講談社+α新書)

家族が借りてきた本。先に『妻のトリセツ (講談社+α新書)』を読んだので、順番が逆になったと思っていたら、出版も『夫のトリセツ』の方があとだったそう。

当然のことながら、女性が読むべきは「夫の取り扱い方法」。やはり、こっちの方が発見が多くて面白かったです。



  • ポイント1 妻の言葉がモスキート音になる理由
  • ポイント2 夫の愛は「定番」、妻の愛は「非定番」
  • ポイント3 今日やることをキャンペーンしよう



◆本の目次◆
はじめに~夫とは「そういう脳」の持ち主なのである
第1章 神は、夫婦を別れさせようとしている
第2章 使えない夫を「気の利く夫」に変える方法
第3章 ひどい夫を「優しい夫」に変える方法
第4章 脳とは、かくも厄介なものである
おわりに~夫婦の時間

こんな本です

『妻のトリセツ』ファンの熱い要望にお応えする第2弾。


女性脳の生存戦略は意外に残酷。

生きる目的は生殖とよりよい遺伝子を残すため。
「動物としての本能は、一人の異性に人生を捧げる気はまったくない!」のだそうです。


つまり、子育てがある程度終わるまでは夫などかまっているヒマはなく、一段落すると「もっといい遺伝子の男を狙え」と本能がささやく、らしい。

人として誠実であるということは、この女性脳の罠を乗り越えていくということだ(P5)

「一人の男と、一生を生きる」と決めた場合。
(中略)
…必要以上に腹が立つ、という事態は避けられない。本能という制御不可能な場所で起こることだからだ。
というわけで、「腹立たしくても、この人と生きる」と決めた方に、この本を贈りたい(P7)。

「夫はなぜあんな言動を取るのか?」を解決する知識と、「じゃあどうすればいいのか?」がユーモアを込めて書かれています。

ポイント1 妻の言葉がモスキート音になる理由

※「モスキート音」が何なのか、という説明がないので補足
ja.wikipedia.org
聞こえる人(世代)にとっては耳障りな音、ということですが、ここでは
「まったく意味のない騒音」
という解釈でよさそう。


狩りをするために最適化してきた男性脳は、意味のない会話が苦手。

目的(男性にとっては「問題解決」の必要性)がないと判断するのに30秒。わずか3分で限界値を超え、妻の声はただの「モスキート音」として認識されてしまうそうです。
「ことば」と思ってないんだから、会話が成立しないのは当然ですね。


話を聞く気がないのではなく、
「ずっと音がしている」→「危険だ!」
と感じて空間認知力に能力を全振り。音声認識のスイッチを切ってしまうのです。

「意味のある言葉」だと理解できる、受け取ってもらえる話し方が必要になります。

男性に話しかける時の3秒ルール(P71) 

  1. まず、視界に入る場所まで行って名前を呼ぶ。
  2. 2~3秒間を待って本題に入る

この2段階制御を忘れずに。
とにかく、話し始めはゆっくりと。音声認識のスイッチさえ入れば、後は早口でも大丈夫

先に「音声認識」のスイッチを入れるのがポイントです。

ちなみに、このルール、職場の男性にも使えます。

ポイント2 夫の愛は「定番」、妻の愛は「非定番」

「だからすれ違うのか!」と納得したのがこちら。


男性脳は「定番」が気持ちいい。

男性脳は狩りに特化しているため、遠くから飛んでくるものに瞬時に対応するために目と脳を制御しています。
遠くに集中するために、身の回りが定番で固められていることが望ましい。


その結果、男性は「同じことの繰り返し=定番が愛の証だと思っている」そうなのです。

  • 毎日、家に帰る
  • 毎日働き、毎月給料を入れる


一方、女性にとって定番は当たり前。夫が自発的に行う「非定番」で愛を測りがちです。

  • 何も言わなくても記念日にレストランを予約してくれる
  • 風邪を引いたら、消化によい食べ物や飲みものを買ってきていたわってくれる

――「言わなくてもやってくれる」ことが愛の証、と思いますよね?
しかし。これでは一生すれ違います!
ここで愛を測ると待っているのは自滅への道。


それを避けるには
「欲しいものは口にして頼むしかない」
そうです。
心優しい夫たちは、言えばちゃんとしてくれるはずなので*1

脳が違うのだ、と思ってあきらめましょう。ちょっと淋しいですが。

ポイント3 今日やることをキャンペーンしよう

女性からしたら「気がつかない、気がきかない」、そんな夫をどう扱うか。


著者がしているのが「今日やることを夫に宣伝するキャンペーン」だそうです。

「今日は、洗濯しながら、ご飯を炊いて、その隙にエッセイを1本書いて、親子丼を作って、シャワーを浴びて、買い物に行くね。あ、その前に、新聞をくくる」みたいに。
そうして、行動に移すたびに「今から、○○するね」と連絡し、「○○、完了しました」と報告する。明るく、軽やかに、押しつけがましくなく(P84)。

夫は妻が毎日どれだけこまごまと家事や用事を片づけているか知らない。言わなきゃわからない。
「察してほしい」が通用しない以上、キャンペーン=宣伝するしかありません。


文句を言う前にキャンペーンをする。続けていれば、夫も気がつくだろうし、家にいる日は手伝ってくれるようになるかも。


この時、まちがっても
「あなたがやってくれないから」
「私だけ働いてひどい」
という怨念は出さないようにしましょう。ケンカの元です。

キャンペーンでどれだけ効果があるか、私も試してみます。

まとめ

夫婦というのは、本当に厄介な関係だ。
子孫の遺伝子のバリエーションを増やすために、自分にない性質を求めて、感性真逆の相手に惚れる。
(中略)
そもそも男性と女性の脳は、とっさの行動が正反対になるようにチューニングされている。事が起これば、ゆっくり気持ちを聞いて欲しい女性脳と、すばやく問題解決してやりたい男性脳では、反応が分かれてしまうのだ(P162)。

男性脳は、半径3メートル以内で起こっていることに、とんと意識が行かない。目の前のものを見逃すし、妻の所作の多くも見逃す。だから、妻が「当然、わかっていて、きっと手を差しのべてくれるはず」と思っている事に気がつかない(P154)

女性にとって当たり前のことでも、男性には当たり前ではない。
この認識があれば、トラブルは減らせるはず。


「言わなくてもわかって」「察して欲しい」は危険。自分がイライラするだけです。
しくみが違うのだ*2、と割り切った方が楽。


その上で、得意なところをお願いしたり、的確な指示を出して育てていくしかなさそう。
あきらめると「何もしない夫」ができあがります*3

将来の自分のために「動いてくれる夫育成ゲーム」と思えば、何とか…。

その他

第4章は他の媒体に書かれた文章をまとめたものなので、ちょっとバラバラな印象です。

用語の扱いなど、ちょっと気になるところはありますが、専門書ではなく「脳にくわしい人」が書いたエッセイ、として面白く読めばいい。

私たちにとって重要なのは、学術的に正しいかどうかではなく、今目の前にある問題に役に立つかどうかです。


『妻のトリセツ』と同様、人によってあてはまらない部分もありますので*4、鵜呑みにはご注意ください。

私のアクション:「今日やることを夫に宣伝するキャンペーン」を実行する
■レベル:破 


次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
book.yasuko659.com

【関連記事】
book.yasuko659.com

*1:まれに、悪意あるタイプの夫もいます。その自衛策も本書にあります

*2:著者は「機能としては男女ともにまったく同じ。ただしチューニングが違う」と書いています。同じラジオから、チューニングによって軽快な音楽が流れたり、哲学の解説が流れたりするように

*3:父は「縦のものを横にもしない」典型的な古い男性。母が歳を取って同じような世話ができなくなってもまったく変わりません。最近の母の口癖は「失敗した。あんなに何もかもしてあげるんじゃなかった」なので、死活問題です

*4:「夫のことばは裏読みしない」という項目について確認したところ、うちの夫は裏があることが判明しました…