- ポイント1 「雑誌の編集長」を目指してみる
- ポイント2 「無邪気な書き手」と「イジワルな編集者」のひとり2役
- ポイント3 Twitterで育てる
note.com
面白い!と思っていたら、本が出ていました。
たまたま見かけたブログで絶賛されていたので、めずらしくいきなり購入。
「買ってよかったわ~、バイブルにするわ~」と思いました。
実は、買ったのは夏。なかなか読めなくて(図書館の本は期限があるので、どうしても買った本が後回しになります…)、「何とか2020年のうちに!」と焦りながらも『読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術』のあとに読みたいと思い、このタイミングになりました。
たぶん、真逆のことを書いているぞ、と思ったので(その結果は「まとめ」に)。
book.yasuko659.com
合わせ技で面白かったです。
◆本の目次◆
1 書くことがなくてしんどい―書く以前の「取材」と「思考法」
2 伝わらなくてしんどい―「わかりやすい文章」の基本
3 読まれなくてしんどい―文章を「たくさんの人に届ける」方法
4 つまらなくてしんどい―商品になる「おもしろい文章」はこうつくる
5 続かなくてしんどい―書くことを「習慣」にする方法
6 書けば人生は変わる―「しんどい」の先にある新たな自分
こんな本です
著者の竹村俊助さんは編集者。いくつかの会社でベストセラーを出したあとに独立。現在は起業の「顧問編集者」としても活躍されている。会社とご本人のプロフィールはこちら
words-inc.co.jp
編集者として、ライターとして、「書くのって、しんどくないですか?」という疑問に答えた本。
「しんどさ」にはいろいろ段階があり、章ごとにしんどさのレベルと解決法がまとめられています。
自分のレベルに合ったところから読めば即効性があります。
自分のしんどさがどれかわからない人も、読み進むうちに何となく正体がつかめるはず。
ポイント1 「雑誌の編集長」を目指してみる
著者の竹村さんご自身は、実は「伝えたい強烈なメッセージ」はないのだそう。
そういう人の方がめずらしい、とも。
では、その他大勢の私たちは何を書けばいいのか。
竹村さんは
「コンテンツメーカー」ではなく「メディア」になればいい(P29)
と書いています。
つまり、自分の内側にあることを書くのではなく、自分の外側にあって自分が面白いと思ったり、心動かされたことを発信すればいい。
人生が雑誌なら、あなたは「人生の編集長」である(P31)
「書けない」という人は「作家マインド」ではなく「編集者」マインドに切り替えることをオススメします…編集者は「誰かに伝えたい」という思いさえあればいいのです(P32)
面白いことを自分の中から生み出すのではなく、「これ面白かったよ!」を集めて伝えればいい。
そう考えることができれば、「しんどさ」が変わってくるはず。
ポイント2 「無邪気な書き手」と「イジワルな編集者」のひとり2役
個人的に一番ヒットしたのがこれ。
「考えると書くを分けましょう」とか、「まず書き上げてから見直せばいい」というのはありましたが、分け方がとてもわかりやすい。
別の人格になればいいんです。
まず「主観的に」書く。むずかしいことはあと回し、頭に浮かんだことをどんどん書いていく。
書き終わって、少し時間をおいたら「編集者」になり、「客観的に」見ながら整理していく。
書くときは自分をほめながら。
読むときは自分をけなしながら(P152)
ポイントは、書く段階ではイジワルにならないこと。
いい文章は「主観と客観の往復」でできあがる。まず、書き上げてしまってからイジワルになりましょう。
ポイント3 Twitterで育てる
本などの長文を書くのが「フルマラソン」だとすれば、noteやブログなどのやや長い文章は「ジョギング」。Twitterのような短文は「散歩」…ちょっとした発想を「メモ→ツイート→ブログ」と出世魚のように育てていく——竹村俊助『書くのがしんどい』Twitter も磨けば武器に #読了 #本が好き #PHP研究所 pic.twitter.com/qQGqOQn6mS
— やすこ (@yasuko659) December 12, 2020
まず小さなアイデアをツイートし、反応を見ながら育てるのにツイッターはぴったり。
いきなり長文を書くのがむずかしければ、まずTwitterで経験値を上げるのもよい。
140文字という短さでも文章。書き続ければ鍛えられます。
さらに、反応がダイレクトにわかるので、自分が何を発信すればいいのか、ヒントが見えてくる。
ツイッターで得られるさまざまなメリット(P258)
- 発信する勇気が手に入る
- 自意識をコントロールできるようになる
- マーケティング力が身につく
- 共感力が身につく
- 構成力が身につく
- コピー力が身につく
- 文章のリズム感を鍛えられる
- 思考力・考察力が身につく
- 調べる力が身につく
- 行動力が身につく
こんなにメリットがあるのだから、ツイッターを使わない手はありませんよね。
まとめ
何よりとても読みやすい、軽い本。重量も、頭にかかる負担も*1。
軽いけれどちゃんと受け取れます。この本そのものが、「伝わる文章」で書かれているからです。
当然ですが、この本の文章全体がお手本なんですね。
特に、公園にあるイチョウを解説した看板を書き換えた例(P180)にはしびれました。
同じ情報なのに、ちょっと書き方を工夫しただけで、こんなに伝わるんだという驚き。
冒頭に書いた田中泰延さんとの違い。
伝わらなくてもいい、と言い切る田中さん。あくまでも「自分が楽しければいい」がスタート地点。
対して編集者である竹村さんは、伝わってナンボがスタート地点。Chapeter2「伝わらなくてしんどい」はもちろん、Chapeter3~4はすべて広い意味で「伝えるため」の方法です。
その一方で、多様化が進んでいるので、年齢や性別、職業などで人を分けることはもう時代にそぐわないのでは、とも書かれています。
…だからぼくは、自分が読みたい文章を書くことで、多くの人に届けようと思っているのです(P147)。
田中さんも広告代理店で長年「伝わる方法」に腐心してきたからこそ、「自分が読みたい文章を書く」に到達したんでしょう。
途中のルートはずいぶん違いますが、最終ゴールは同じかも、と感じました*2。
従来の文章術の本が苦手、読めなかった、という人におすすめ。
ブランディング、自分の売り方を知りたい、という人にも実はいい本です。
私のアクション:「これって、あれに似てるな」の思いつきをGoogleキープにメモする
■レベル:守
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
※メモは近日中にUPします!