毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]会って、話すこと。☆☆☆☆

大ベストセラー『読みたいことを、書けばいい。』の著者・田中泰延さんが、次は会話の本を書かれてました。

どんな本なんだろう、と図書館で予約したところ、同じ考えだった家族が先に予約して借りて来ました。
読んだらやっぱりひたすら笑える本でした。
でもちょっと深遠な話も。


サブタイトルは「自分のことはしゃべらない。相手のことも聞き出さない。人生が変わるシンプルな会話術」。
「えーっ、それでどうやって会話になるの?」と思いますが、方法はちゃんとありました。


  • ポイント1 「自分は相手に興味がない。相手も自分に興味がない」を認める
  • ポイント2 会話にオチは必要ない。ツッコミも必要ない
  • ポイント3 いつも心に客観性と次元大介を



◆本の目次◆
はじめに 大阪人の会話に「オチ」と「ツッコミ」はない 《田中泰延》

序章 なぜ「書く本」の次に「話す本」をつくったのか?
第1章 なにを話すか
第2章 どう話すか(とっかかり編)
第3章 どう話すか(めくるめく編)
第4章 だれと話すか
第5章 なぜわたしたちは、会って話をするのか?

おわりに

こんな本です

読みたいことを、書けばいい。』の編集者と作った2冊目の本。
編集者の今野良介さんが全編に登場します。ふたりのダイアローグ(対話)もあります。


田中さんはこの本を書く前に「会話術の本」40冊を読んだそうです。
たいてい書いてあることは同じ。

「傾聴する」「相手が話しやすくなるような相づちを打つ」などが定番ですよね。
この本はそんな「会話術の鉄板」を否定することから始まっています。


「会話はテクニックではない」
と田中さんは断言。

会話と、それによって生まれる人間関係。なにより会話によって我々はどのように幸せになれるのか(P5)

がこの本のテーマ。


こういう本が読みたかった!
今までにない、斬新な会話の本です。

ポイント1 「自分は相手に興味がない。相手も自分に興味がない」を認める

えー、これを言うと身もフタもありませんが、カラオケと同じ。
歌手と一緒に行ったりしない限り、誰も人の歌に興味ないですよね?


「おばあさん同士のかみ合わない会話」というのが例に出てきます。
お互い自分のことしか話してない。
横で見ていると笑ってしまいますが、私たちの会話も実は似たようなものです。


じゃあどうするのか?
田中さんのおすすめは「あさっての方向の話をする」。
自分と相手のどちらとも関係ない話題、ということですね。
――たとえば空を見て、入道雲の話をする。


向かい合って話すのは危険なのだそうです。お互いに注目してしまうので。
「自分と相手の間の話をする」ことを目指す。


“間”の話をするためには「知識」が必要だ、と田中さんは書いています。
確かに、自分とも相手とも関係ないことを話題にしようとすれば、何かそういうものがほしい。


――でもそれ、一歩間違うとウンチク語りになりませんか?
芸能人のゴシップや噂話には興味ない場合、知識ひけらかしに見えない話題って何だろう、と考えてしまいました。

ポイント2 会話にオチは必要ない。ツッコミも必要ない

関西と言えばボケとツッコミと言われますが、関西圏以外の人たちがイメージするほど、漫才のような会話はしていません。

――といっても、「どこで笑いを取ろうか」「何をオチにして話を収拾するか」は考えますが*1
でも、それすら必要ないそうです。


おすすめはボケに対してさらにボケを重ねること。

日常会話において「ツッコミ」は不要なのだ。一切不要なのである。そして、大切なのは「ボケ」をかます姿勢、人間が会話をして幸せになる秘訣はそこにある(P3)

田中さん曰く、ツッコミというのは「批評」なのだそうです。
せっかく続いていたテンポのいい会話を、クールダウンさせるようなもの。


SNSですっかり批評家・評論家マインドが定着した今こそ、どんどん会話を面白くするためにボケにボケ返すのがいい。
これも、話題をあさっての方向に進める方法のひとつですよね。

ポイント3 いつも心に客観性と次元大介を

これは、個人的に一番印象に残ったもの。
今野さんとのダイアローグで出てきた言葉です。


客観性のある話は相手も聞きやすい。
自分のことをせつせつと語られると聞く方も辛いし、本人も辛くなったりします。

――そんな時、「~ってなことがありましてな」というのが「客観性」。
辛いことを面白おかしく伝える技術は生きる上で大切です。


もうひとつは、ルパン3世に出てくる次元大介のセリフ。
「おもしろくなってきやがったぜ」
窮地に立たされた時、必ず次元はこう言います。

こう言えば、絶望的な状況から、なんとか活路を見出す「構え」を取れる。


このふたつは「自分で自分の機嫌を取れる賢い方法」だと思います。

まとめ
  • 相手の話も自分の話もしない。すると、できるのは上を見て空の話をするようなこと
  • 不機嫌になるような話は、うまいことずらして笑えるようにしてしまう
  • みんなが不機嫌になったら自分はその場から立ち去る(話題を変える、笑いを取るでダメなら)
  • 「向かい合わず、並んで一緒に見えるものの話をする」を目指す


テクニックに走らない、というとどんどん深遠な話になって行くのですが、面白いので読めてしまう。
「他人と話をする前に自分と話をする。自分とうまく話せない人が他人と話せるわけがない」は深い。


笑いっぱなしで読める本ですが、実は哲学書のような趣です。
ぜひ、電車内や人目のある場所は避けて読んでください。

私のアクション:みんなが不機嫌な状況になったらさっさと立ち去る(主に職場で)
■レベル:離 「会話のテクニック」に疲れた人に。


次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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*1:私は関西ネイティブではありませんが、この地域で生き延びるために身につけましたよ