毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

『老後とピアノ』メモ

【お断り】個人的にまとめたメモです。個人の感想と本の内容は区別できるようにしていますが、著者の意図から離れていることもあるかもしれません。ご了承ください


■無意味もここまでくると逆に清々しい…何しろ目標がなければ挫折もない。急がなければ諦めることもない。少なくともやることだけは山のようにある。そして美しい曲はちゃんと目の前にある。どこへも逃げていかない。なるほど人生にはこのようなことが存在したのだ。目標がなくとも、どこにも向かっていなくても、今この瞬間を無意味に努力することそのものが楽しいなんていう世界があったのだ 8


■どれだけ衰えてもダメになっても、今この瞬間を楽しみながら努力することができるかどうかが試されているのだ。登っていけるかどうかなんて関係なく、ただ目の前のことを精一杯やることを幸せと思うことができるのか?もしそれができたなら、これから先、長い人生の下り坂がどれほど続こうと、何を恐れることがあるだろう8


■理由はただ一つ。我らはもう子供ではない。我らに残された時間は無限ではないのだ。人生とは後半戦に入ればいつコールドゲームになったっておかしくないものと覚悟せねばならない。早い話が、いつか弾きたい曲を弾くためにまずハノンに懸命に取り組んだところで、その「いつか」がやってくる前に人生は終わるかもしれないんですよ。
それでも、ハノン、やる?136


■頭を空っぽにして無心になった時、余分な「力み」を抜いた時、それがふわっと表に出てくる。「力み」とは、ああしてやろうこうしてやろうというガッツである。今の自分じゃダメなんだ、もっと頑張らなきゃという切羽詰まった決意である。ずっと、それがなきゃ何も成し遂げられないと信じて生きてきた。ところが、それを取り去った時、まるで水道管の詰まりが取れたように、生の自分とでもいうべきものが表に出てきたのである175


■苦しいことばかりで意味のないように見える人生にも、ちゃんと意味があるのだと思えてくる。死んでいくことも怖くなくなってくる。人が生きている間に精一杯生きればそれでよいのだ。それを幸福と言うのである。私はそのことをピアノに教わったのである262