毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

寝ている時間も味方につける☆☆☆☆

■マジックリスト

49020891301日を48時間にして夢をかなえる
―あなたを必ず成功させる魔法のランプの使い方

中井 隆栄
ユウメディア 2005-04
価格 ¥ 1,470

by G-Tools


こちらも中井隆栄さんの本。いわゆる成功法則の本でここまで睡眠の重要性を説くものもめずらしいと思う。「寝た方がよい」ではなく「必ず6時間以上は寝ること」と力説してあるのが面白い。
なぜかというと、この本で紹介されているメソッドは、海馬をはじめ脳の機能を最大限に活かす方法を研究した結果、編み出された方法だからだ。
記憶を司るのは海馬であり、海馬は記憶する必要があるかどうか判断し、整理している。その作業は人間が寝ている間に行われ、必要な時間が平均6時間といわれているため「6時間の睡眠」が必須になる。6時間未満しか寝ていないと、せっかく覚えたことも整理されずに、新しい経験が上書きされてしまうのだそうだ*1

それを踏まえたスケジュール管理法が面白く、新鮮だ。これは実際に中井さんが実践されている方法で、これによって本業の経営コンサルタントだけでなく、本を書いたり講演をしたり、たくさんのボランティアや団体の役職も引き受けられたという。
スケジュール管理は日/週/月/それ以上先(時期がわからないものやいつかやりたいことも含む)の4つに分ける。ここまではごく普通。ただ、毎日寝る前に更新するのがポイントで、寝ている時に脳に最大限働いてもらうための方法があるのだ。実にちょっとしたことだが、それをやることによって顕在意識24時間+潜在意識24時間=48時間使えるようになるという。

プラスアルファの部分が新しいだけで、スケジュール管理そのものはよくある方法なので、取り組みやすいと思う。GTDとも少し似ているので、慣れれば両方のいい部分を取り入れることも可能なのではないだろうか。やらなきゃいけないことが山積みでやりたいことをする時間がない!という方はぜひ読んでみてください。

早く取り組みたいと思いながらなかなか時間が作れていませんが、ぜひ実践して効果を報告したいと思います。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

ある建築デザイナーのタイムマネジメントのコツ

1日の時間をおおよそ「早朝・朝・昼・夕方・夜・深夜」の6つに分けることを意識し、スケジュール帳に仕事の内容をできるだけ詳しく書いて、一度頭の中からすべて消し、その時間にしなければならないことに集中する。

「ザツで早い」より「ていねいで遅い」

新しいものごとを始める時の方法は「ていねいで遅い」か「ザツで早い」の2つしかない。「ていねい」にするとクウォリティは高くなるが、時間がかかる。しかし、毎日、そのことを反復して回数を数多くこなすことにより、時間がどんどん短縮され、最後には「ていねいで早く」なる。
しかし、「ザツで早い」場合は、どんなに反復しても「ザツ」なままだ。決してていねいにはならない。しかも、反復してその作業を行うことにより、「ザツ」な状態が潜在意識に刷り込まれて、時間をかけてその作業を行っても「ザツ」にしかできなくなる。ぜひ、最初は基本に忠実に「ていねいで遅い」から始めてください。

「サラミ・スライス法」

マジックリストの項目を、なかなかマンスリーリストに移動できない場合によい方法・その1。
サラミ・スライス法とは、大きな夢をサラミソーセージの塊にたとえて、それを1枚1枚の薄いサラミ・スライスに切り分けていく方法。マジックリストの項目に大きな夢(仕事)があったら、それを1枚1枚のサラミ・スライスを切るようにこまかく切り分けて、幹線系がイメージしやすいものから順番にひとつずつマンスリーリストやウィークリーリストに移動させる。
サラミソーセージを何枚に切り分ける、というルールはない。厚みも全部一緒でなくてもよい。

「スイス・チーズ法」

マジックリストの項目を、なかなかマンスリーリストに移動できない場合によい方法・その2。
スイス・チーズ法は、スイスの穴あきチーズにたとえて、仕事にわざと穴を開けてみるというユニークな方法だ。
何から手をつけたらいいのかイメージできない実現がむずかしそうな夢(仕事)に、とりあえずどんなことからでもいいので何か手をつけてみる。この方法のポイントは、仕事に手をつけてから10分でいったんその仕事をやめ、休憩をすること。コーヒーブレイクでも、雑誌をパラパラめくるのでもよいので、とにかく仕事と違うことを10分間やる。そして元の仕事に戻るのだが、その時はその仕事の別のパートに手をつけて、また10分だけその仕事をやる。そして、また10分間仕事と違うことをやる。これを繰り返して大きなチーズの塊に、少しずつ小さな穴を開けていく。
1日ではなかなかむずかしいかもしれないが、この作業を何日かにわたって繰り返していくことにより、いろいろな角度からの情報が潜在意識の中に入り、それらが時間の経過とともに互いにつながって全体のヴィジョンが見えてくる。潜在意識は一度その仕事に手をつけると、その仕事の完成に向かって自動的に不眠不休で動き出す。
ピースの多いジグソーパズルを作る時、はじめはなかなか進まないが、ある一定のところまでできた瞬間に全体のヴィジョンが見えて、あとは猛スピードで完成に向かっていくのと同じ。

はっきりとした目標や燃える意欲がなくても成功できる

人間は誰でも、本心から来る願望や目標が何かということさえわかれば、潜在意識はその願望や目標を達成しようとして、自動的に毎日、年中無休、24時間営業で働き続ける。誰でも願望や目標を達成できるのだ。一生懸命になって自分の願望や目標を探すより、直感的に「これいいな」「やってみたいな」と思うことを、どんどんマジックリストにつけ足していくだけで同じ効果が得られる。この方が楽だし、楽しい。

「燃えるような意欲」を数値化できると考えた時、燃えるような意欲を意欲レベル10、一般的に意欲的であるというレベルを意欲レベル5、ちょっとやってみたいな程度の意欲を意欲レベル2と仮定する。

燃えるような意欲(レベル10) × 24時間 × 30日(1ヶ月) = 7200意欲

1日が48時間になると
一般的な意欲(レベル5) × 48時間 × 30日(1ヶ月) = 7200意欲
同じ7200意欲になる。

では、小さな意欲を3ヶ月続けると
ちょっとやってみたいな程度の意欲(レベル2) × 48時間 × 90日(3ヶ月) = 8640意欲
小さな意欲でも3ヶ月続ければ、燃えるような意欲を1ヶ月でやめるより大きなパワーになる。

「燃えるような意欲」を持たなくても、誰でも「毎日、魔法のランプをこする」だけで、願望や目標は実現できる。

*1:中井さんは脳科学者ではありませんが、海馬の世界的権威で、糸井重里さんとの共著、『海馬』の著者である池谷裕二先生のお弟子さんだそうで、原稿は池谷先生がチェックされているそうです