毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

正しく伝わる文章を書くには☆☆

4887596790非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門
(ディスカヴァー携書)

飯間 浩明
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2008-12-20
価格 ¥ 1,050

by G-Tools
こちらもおなじみのメルマガ「ビジネスブックマラソン」で紹介されていたもの。著者は早稲田大学講師で、専門は日本語学という先生だ。大学で文章の書き方を教える講義を長年担当し、その中から生まれたノウハウをまとめた本。

著者によれば、文章は「日記文」と「クイズ文」のふたつに分かれるという。このうち、日本で主流なのは日記文だが、これは自分がどう感じたかどう思ったかをそのままつづるため、書き手の意図を正しく読み手に伝えるのは非常にむずかしいそうだ。
これに対してクイズ文というのは、まず疑問を提示し、結論を述べる。その後になぜその結論になるのか根拠を挙げる、という形式なので伝えたい意図がそのまま伝わりやすい。
日本では、ほとんどが日記文なので日記文を上手に書ける人は多いが、正しく伝える目的のクイズ文をきちんと書ける人は少ないそうだ。そこで、この本では、いかにして論理的な文章=クイズ文を書くのか、順を追って教えてくれる。最後まで読めば、読者もクイズ文を完成できるようになっている。
面白いのは、クイズ文とは論文などの形式を指すのだが、小論文や論説文を解読する力をつけるためによく薦められる新聞のコラム*1が、著者の解説を読むとまったくの日記文になっている、ということだ。実は新聞なども論理的に書かれたものは少ないのだそうだ。

ビジネスブックマラソンの土井さんはブログもクイズ文で書いた方がいい、という論旨のように感じたが、どちらがすぐれているという話ではないので、必要に応じて使い分けられればいいと思う。ただ、クイズ文は書き慣れていないから練習した方がよい、ということだ。

ビジネスなどで、何通りにも解釈できたり、誤解を招いては困る、という時に知っておくといい手法だと思う。また、この考え方が身につけば、書くだけではなく話す時にも役に立つそうなので、言いたいことがうまく伝わらない、と感じている人にはいい本だと思う。
また、さすがに文章の書き方を教えている先生だけあって、文章が非常に明快だと感じた。要旨を簡潔にまとめたところなど、本当にうまい。いいお手本になるのではないだろうか。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

「なぞかけ」とクイズ形式の考え方は同じ

なぞかけは、「○○とかけて何と解く?××と解く。その心は、△△」という形式でできている。この「心」というのは、「理由」という意味の古い日本語だ。
昔から、日本人はクイズ形式を使って、楽しんでいたと言うこともできる。

クイズ文の構成
  1. 問題
  2. 結論
  3. 理由
  4. 理由を支える証拠
  5. 結論の確認
クイズ文の4つの型
  1. Yes or No型(ディベート型)
  2. How型(課題解決型)
  3. Wh-型(択一型)
  4. Why型(理由探求型)

*1:朝日新聞天声人語』など、1面に掲載されているもののこと