毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

成功のコツは「扁桃体をだます」☆☆☆

4062144700 脳が教える!1つの習慣
ロバート・マウラー著
本田 直之監訳
講談社
2008-07-05

価格 ¥ 1,365
by G-Tools

この本もメルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」で紹介されていたものだが、5段階評価で☆5つを取った本だったので楽しみにしていた。その評価に違わぬ名著だと思う。
監訳者は「レバレッジシリーズ」の本田直之さん。冒頭に「監訳者の言葉」があるが、そこを読むだけでも役に立つと思う。なぜなら、なぜ今まで挫折ばかりしてきたのか、その理由がわかるからだ。 ====
脳の仕組みを知っていればとても簡単なことだ。知ると知らないとでこんなに大きな違いがあるのか、とがく然とする。「脳は新しいことを嫌う」というのは以前から何度か耳にしていたが、それを非常に明確にしてくれる本だ。


自分の身を守るために、脳は変化を嫌う。今までのやり方でうまく行っていると認識しているので、変化=危機と見なすのだ。たとえば、体重が増えたので減らそうとダイエットを始めた場合。すると、体重が減るのは危険と認識した脳は、何としても体重を回復させようとする。栄養の吸収率を上げたり、動いてカロリーを消費するのを防ごうとする。その結果、一時的に体重が減っても、また元通り。これは、脳が正しく働いた結果とも言えるのだ。

その、新しいこと=脳にとっての恐怖を感じた時に働くのが、古い脳と言われる大脳辺縁系にある扁桃体という部分だ。ここが「闘争・逃走反応」をコントロールする。恐怖に直面した場合、扁桃体は逃げるために他の機能をシャットダウンしてしまう。その結果、創造力や目的ある行動が制限されてしまうのだ。何か大きなことをやろうとするたびに失敗してしまうのは、扁桃体が働くからとも言える。

では、どうすれば扁桃体が働かず新しいことに取り組めるのか?そこで著者がすすめているのが「ほんの小さな一歩」を踏み出すこと。ほんの少しの変化なら、扁桃体は「恐怖」と認識しない。扁桃体が働かないような、ほんの小さな一歩を少しずつ積み上げることが、結局は脳の機能に逆らうことなく新しい習慣を身につけられるのだ。


知ってしまえば簡単なことだが、このことを今まできちんと教えてくれる本はなかったと思う。画期的だ。
原田式にもあるが、「脱いだ靴を揃える」とか、「立った時に座っていた椅子を中に入れる」といったごく当たり前の行動を、ほとんどの人がしつけとしてやるように言われてきたはずだ。それにこんな科学的根拠があったとは。

メインはこの「小さな一歩を積み重ねる」だが、より効果的に脳を味方につけてよい習慣を作る方法が紹介されている。ひとつひとつはとてもやさしいが、やれば人生を変えることも可能だ。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

変化のプロセス

ステップ1 小さな質問をする/小さな思考をする=マインド・スカルプチャ
小さな質問は、脳が問題解決に集中するため、恐怖のスイッチが入らずにすむ。また、同じ質問を数日〜数週間くり返すことで海馬に記憶され、必ずそれに取り組むようになる。
「マインド・スカルプチャー」とは、すべての感覚を使って静かにイメージする技術。脳はイメージしている行動と実際の行動の区別がつかないため、あらゆる感覚を使って、頭の中で数分間、なんらかの“訓練”をしていると、脳の化学反応が起きる。
ステップ2 小さな行動を起こす
ステップ3 いつの間にか無意識の習慣になる
ステップ4 目標に向かって変化を遂げ始める

時間を有効に使う

1.時間を取るわりに、自分のためにならないことをリストアップする。テレビを見る、買うものがないのに店をぶらつく、面白くもなければ役にも立たない本や雑誌を読む……。これらは、たいてい時間を無駄にするだけの好意だ。
2.役立ちそうで、やってみたい行為をリストアップする。毎日、やりたいことを1項目ずつリストに追加する。
3.役立ちそうでやってみたい行為が見つかったら、どんどん試す……ただし、ためらわずにすむ小さなことから。日記をつけたいなら、つけてみよう。ただし1日に書く文章は3つまでと決める。ヨガのレッスンを受けたいなら、教室の入り口で行き交う生徒を眺めるところから始めよう。そのうち、いつの間にかもっときちんと関わるようになる。しかも、ほとんど気づかぬうちに、テレビの前にいる時間が減っているはずだ。
4.有意義な人生を送っていると思う人の名前を、毎日1人ずつ書き出していく。それから、その人はあなたと違うどんなことをやっているかひとつずつ書き出していこう。

ローマ法王ヨハネス22世のことば

すべてを見渡し、多くを見逃し、少し改めなさい。