毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「気づく」ためのヒント☆☆

著者は精神科医で、執筆活動も精力的に行っている人だ。同名のメルマガの中から評判のよかったものに加筆して書かれたのがこの本。元がメルマガなので1テーマについてコンパクトにまとめられているため読みやすい。すでに知っていることは確認の意味で、知らないことはなるほど、と思いながらスイスイ読めた。

医師だからかもしれないが、しっかりしたデータが出てくるので根拠を求める人にも納得できると思うし、その一方で映画やマンガなどからの引用も多いので入って行きやすい。人によって役に立つ章は違うと思うが、私は第5章(時間の管理術)以降が面白かった。

ただ、タイトルの「1億稼ぐ人」にひかれて手に取る人も多いと思うが*1、残念ながらタイトルの「1億」には根拠がない。「これだけやれば年収1億も夢ではない」という意味なのかもしれないが、これだけはちょっと残念。

とはいえ、著者が「はじめに」でも書かれているように、大切なのはノウハウそのものではなく、「気づきの過程」。どうやって自分の中から答を見つけるのか、そう考えながら読むと、自分の周りにもヒントがたくさんあることに気づけるかもしれない。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

カードを使って脳の大掃除

名刺サイズのカードを用意する。そのカードに1枚1項目で「やるべきこと」を書いていく。現在の懸案事項のすべてを、思い浮かばなくなるまで書き出していく。
こうして書き出していくと、不思議と気分が非常にスッキリしてくる。心の中にため込んでいることが外に吐き出されたような感じになり、心が軽くなる。
実は、これはカウンセリングを受けるのとほぼ同じ効果がある。もちろん、人に話を聞いてもらうのが一番いいが、このようにカードに書き出すだけでも、間違いなく精神的にスッキリした状態になれる。

次に、それらのカードをすべて机の上に並べ、それぞれを眺める。
そこに書かれていることが、今、あなたが置かれている状況だ。こうやってリストにしてみると、「やることが山ほどある」と思っていたのが、意外に少ないことに気づかされる。自分の状況を客観的に見ることが非常に重要。

カードを眺め終わったら、次にカードに優先順位をつける。「A いますぐやらないといけないこと」「B しめきりのあること」「C とりあえずあとでも師匠のないこと」の順にカードを並べて、カードの右上に「A」「B」「C」と優先順位を書いていく。さらに各グループごと、それぞれのカードに「1」「2」「3」と優先順位をつける。
仕上げに、このカードの内容を、優先する順にまとめて紙に清書し、自分の机の前に貼る。

朝一番のメール作業は時間の浪費である

脳の活動状態や脳の疲労度に合わせて、それに見合った作業をすることは、作業の効率を高め、結果的には時間を何倍にしているのと同じことになる。
となると、プライムタイム*2とそうでない時間帯に、それぞれ何をするのかが、非常に重要になってくる。
たとえば、朝一番の仕事としてEメールのチェックと返信を行っている人は多いと思うが、もし、朝の数時間がプライムタイムの人であれば、これはかなり時間の無駄だ。

コアな部分に絞ってプライムタイムを使う

たとえば、現在の私で言えば、午前中の3時間をメルマガ執筆にあてているが、集中して作業を行うにしても、たった3時間で原稿用紙30枚分を書くということは不可能だ。
そこで、メルマガの構成や流れを決めるという、独創性と想像力を猛烈に消耗する作業を、「プライムタイム」を使って行うのだ。
こうして何を書くのかという「あらすじ」までを決めておけば、あとは独創性も創造力も必要としない。それに沿って書いていくだけだ。

このように「プライムタイム」のうちに仕事の計画や割り振りを精密に決定しておくだけでも、1日の作業効率を大幅にアップさせることは可能だ。

「ノルマ」の例外は絶対に作らない

「急な予定が入ったので、これは明日にずらそう」ということを絶対にやってはいけない。何が何でも、絶対に、必ず、間違いなく、その締切を守るのだ。
1回でも例外を作ってしまうと、「間に合わなければ、ずらせばいい」という気持ちが生まれてしまう。それでは、たとえ締切を課したとしても、自分を追い込むことはできない。「とにかく絶対にこなさなければならない」期限として、しばりを作ることで、高い集中力が発揮できるのだ。
この高度に集中した状態を「絶対集中」と呼んでいる。

健康の管理ができない人に、仕事の管理はできない

人間は「楽な解決法」と「根本的だが面倒な解決法」があった場合、「楽な解決法」に飛びつきやすい心理的な傾向を持っている。だからこそ私たちは、この無意識の癖を知った上で、あえて無意識を克服すべく、「病院に行って調べてもらう」という楽ではない行動をとらなければならない。
「自分の健康を管理できない」ということは、結局のところ「自己管理できない」ことにつながる。自分の健康すら管理できない人間が、仕事での「時間管理」や「目標管理」、あるいは「生産管理」や「部下の管理」など、できるのだろうか?

*1:もちろん私もそのひとりです

*2:最も重要な時間という意味で、著者は「脳が生き生きとして疲れておらず、非常に高い集中力を発揮できる時間」をそう呼んでいます