毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

自分に自信ができれば満ち足りる☆☆☆

レバレッジシリーズの本田直之さんが書いた小説。失礼ながらはじめは“素人の書いた小説?”という先入観があったが、読み始めたら引き込まれ、一気に読んでしまった。

主人公・岸田海(かい)は小さな出版社で営業をしている27歳。ダイビングインストラクタの直子という5歳年上の恋人がいる。地味な主人公が突然、リストラと噂される新雑誌創刊準備室に異動になるところから物語が始まる。

新雑誌が出なければ準備室は解散、というハードな状況の中、あるメンバーの提案でランニングを始める。ここからタイトルの「走る男」につながっていくのだが、次々降りかかる難題に主人公や準備室メンバーがどう立ち向かっていくのか、手に汗握る展開だ。


準備室のメンバーが実に個性的で面白い。もちろん、ただストーリーが面白いだけでなく、随所に本田さんならではの哲学がちりばめられている。

ランニングに関しては、さすがはトライアロンチームを作っている本田さんだけあってとてもリアルだ。仕事をランにたとえられるのは、やはり走っている人だからだろう。
ラストはとてもすがすがしい。私が走る小説に惹かれるからなのかもしれないが、森絵都さんの『ラン』同様に、何度も何度も読み返してしまった。


本田さんがどんな意図でこの小説を書いたのかはわからない。前書きも後書きも解説もないので、読者が自由に受け取っていいということなのだろう。“自己啓発のため”というためだけでなく、小説としても楽しめると思う。ハウツー本が苦手な人にも入りやすいはず。

参考:出版社の紹介ページはこちらです。
サンマーク出版:走る男になりなさい 著者:本田直之