最近ブログの書き方や文章術のような本ばかりに偏っているが、図書館で予約したらたまたま続けて順番が回ってきただけで特に意図はない。
続けて読むことでいろんな人のいろんな考えや方法を比較しながら取捨選択できるので結果的にはよかったな、と感じている。
著者の樋口裕一さん*1は小論文指導で有名な方で、文章の本もたくさん書かれている。そんな人がブログをどうとらえているのか、興味があって読んでみた。
著者によれば、面白い文章の条件は3つあるそうだ(P42)。
- 読み手が知らない情報が含まれている
- 読み手にはない体験が含まれている
- 誰もが知っている有名人が書いている
ところが、有名人が書いているブログを読むうちに、「これなら自分にも書ける」と始めてしまう人が多く、私的な身辺雑記ブログばかりが増えてしまったのだという。
友人知人以外のブログに初めて訪れるきっかけはたいてい検索だ。何か知りたいことがあって見に行くのだが、残念ながらあまり役に立たないことが多い。検索でブログに求めるのは、クチコミサイトとほぼ同じで
- 使ってみてどうだったか
- 注意点
- 困ったことがあった時にどう対処したのか
などではないだろうか。つまり、求めているのは1か2ということになる。
だが、実際には何を食べたとか、どこに行ったとか、知らない人が読んでも困ってしまうような記事ばかりのブログが多い。
これは常々私がブログに感じていたことだったので、同じことを考えている人もあるのだ、とうれしく感じた。
他にもタイトル通り、オーソドックスな文章で勝負する、読ませるブログをどう書くか、というテーマで展開していく。やはり長年文章の書き方を指導している方らしいな、と感じた。個人的に考えているスタンスとほぼ同じだったので楽しく読めた。
ブログをどんな視点で書くのかを決める、テーマの考え方、自分に合う文章の長さを見つける、書き手としてのキャラクターを決める、など面白く書くためのコツがわかりやすく紹介されているので役に立つ。
最近流行りの画像や絵文字でいっぱいの、短いブログに違和感がある人にはぜひ読んでいただきたい本。私などは自分がふだん感じていることがほとんどそのまま載っていたのでとても爽快な気持ちになった。
「自分の趣味や興味のあることを楽しんで書き、同じアンテナを持つ人と交流を深める」タイプのブログが好きな人には合うはずです。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
ブログ特有の「型」4つのパート
1.予告
これから書く出来事のきっかけ、あるいは予告。「今からこんなことを書きます」という部分だ。文章量は、全体の5分の1以下が原則。
2.エピソード
書く出来事を具体的に語る。何が起こったのか、どのような様子だったのかなど、できるだけ動きがわかるように説明する。多くのことを書こうと欲ばらずに、ひとつのエピソードを中心に書く。文章量は、全体の3分の1くらいで充分。
3.展開
エピソードで書いた内容から得た印象や教訓などを、できるだけ深く鋭く書く。ここでも要素をたくさん羅列するよりは、ひとつのことを詳しく書く方が、文章としてのまとまりが出る。文章量は、全体の3分の1以下が目安。
4.まとめ
全体のまとめ。必然的に、それほど長い文章にはならない。
*1:公式サイトもありますが、あえてブログにリンクしてみました