病気のためサッカー日本代表監督を任期途中で退いた、イビチャ・オシム氏の発言をまとめたもの。
著者はスポーツライターではなく、右脳開発トレーニング法を編み出しその普及に努める一方で、一流選手を分析した著書も多数出している。この本も、2ページでひとつの教えをまとめてあり、オシム氏の言葉が右ページに、その言葉をもとにした“著者のまとめた教え”が左ページに載っている。あくまで「教え」は著者が書いているので、それが合うか合わないかでこの本の評価は変わってくると思う。私はだいたい「なるほどね」と思いながら読んだが、中には「それをこの発言と結びつけるのは無理じゃないの?」というものもいくつかあった。
左のページは無視して右だけ読んでも、充分オシム氏の言葉の深さは楽しめると思う。
私はサッカーはほとんど見ないが、それでもオシム氏の発言の面白さはテレビなどでよく取り上げられていたので知っていて、興味を持って見聞きしていた。まとめて文字で読むと、改めてその深さに敬服する。サブタイトルでもわかるように、「教え」の切り口は主に組織論やリーダーシップ論なのだが、そこにあまり必要を感じない人にもヒントになる言葉は多いと思う。
自分をステップアップさせたい人、ひと回り大きくしたい人はぜひ読んでみてください。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
力を出したかったら常に心身の健康を保つこと。
ライオンに追われたウサギが逃げだすときに、肉離れをしますか?
要は準備が足らないのです
〜2003年4月、厳しい練習の代償について質問されて
毎日の地道な行動が、夢へ向かう最短な方法である
結果として業績を残している人は、決して背伸びしない。ただひたすら小さな習慣を毎日地道に積み重ねている。本当に欲しいものを手に入れるにはその方法しかないことを知っている。
目に見えないからといって成長していないとは限らない。むしろ目に見えないところで成長していることの方が圧倒的に多い。
そして、ある日突然、劇的に変化が起こる。結果がすぐに出ない単純作業をどれだけ繰り返せるか。それが実力になる。