毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

努力は量よりも質☆☆

巨人のエースナンバー18番を長年背負い、メジャーに挑戦したのち引退した桑田真澄元投手の本。野球ファンなら知らない人はいない選手だろう。以前『イチロー・インタヴューズ』を読んだ時に、イチロー選手が高校生の頃桑田投手の本を読んで感銘を受けた*1というようなことが書いてあり、読んでみたいと思った。

この本は今年の6月に出た本なのでその本ではないが、イチロー選手は桑田投手の何に惹かれたのかわかるかと思って読んでみた。


桑田投手の野球人生の総括とも呼べる内容だ。スキャンダルの多い選手、というイメージを持つ人は多いと思うが、その時何があったのか、びっくりするくらいあっけらかんと書いてある。
そして、サブタイトルにもあるとおり、桑田投手が何を大事にして努力してきたのかが書いてあり、学ぶべきところは多い。
さらに、現在は小学生の野球チームを指導しているそうで、指導論や現役時代の調整法、技術論なども書かれているので、人にとって興味のあるところ、役に立つ部分は違うと思う。
私は主に、「効率よく努力する」というテーマに注目して読んだ。


特に面白いと思ったのがPL時代のエピソード。先日読んだ立浪選手は2年後輩にあたるが、続けて読んだのでPL野球部がどんなことをしているのかよくわかった。やはり、一流になる選手は人知れず努力しているし、しかもそれを続けているのだ。
立浪選手の場合は落ち葉はきをずっと続けていたと書いてあったが、桑田投手は毎朝早起きしてひとりでトイレ掃除をしていたそうだ。PLは母体が宗教団体なので、“徳を積む”ということも教えにあったようだが、桑田投手が「裏の努力」と呼ぶ、奉仕的なことはやはり大事なのだろう。

そして、立浪選手もそうだが、要所要所で引き立ててくれる人との出会いがあるのだ。桑田投手は特待生で入ったものの身体が小さいし、初めは結果が出せずピッチャー要員からはずされていたという。それが、監督が外部から呼んだ臨時コーチの目にとまり、特訓を受けて才能が開花。1年生から5回甲子園に出場、うち4回優勝の素晴らしい結果を残すことになった。


野球選手は野球だけやっていればいいのか、と思っていたがそうではない、ということを改めて感じた。そして、一流選手だった桑田投手が言う「努力は量ではない」という言葉は心に響く。
どんな努力が桑田投手を作ったのか、ぜひ読んでみてください。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

努力は、量ではなく質である(P12)

短時間で、効率的、合理的に積み重ねてこそ成果がある。
そして、「表の努力」と「裏の努力」を両立できてこそ、努力は報われる。

努力の楽しさ(P17)

やればやっただけ結果が出る。
努力を重ねた分だけ、結果が出るのだ。
努力は楽しまなければならない。

なぜピッチャーが甲子園で6本のホームランを打てたのか(P18)

それは、1日たった「50回の素振り」だった。ただこれは試合を想定して真剣にやった。だいたい人間は5000回も1000回も全力では振れないもの。もしそんなに振るとすれば、手抜きせざるをえない。つまり脳や身体が手抜きを覚えてしまうのだ。

「表の努力」と「裏の努力」(P24)

表の努力というのは、ランニングをしたり、ピッチングをしたり、要するに技術・体力をつける練習のこと。
裏の努力というのは、トイレ掃除だったり、草むしりだったり、挨拶や返事であったり、ゴミが落ちていたら拾うことであったり、玄関先で靴が乱れていたら揃えることだったり……野球とはまったく関係のない努力。もちろん、裏の努力をしたからといって、野球が上達したりはしない。
それでも、人の見えないところで善い行いをするということは、運とツキと縁を貯金してくれると僕は信じている。
表の努力がすべてではなく、目に見えない裏の努力も含めて、その人の実力になるのだと僕は思う。

「よい加減」を常に意識する(P25)

これは野球でも、勉強でも、人生においても、大事なこと。何をするにも、ちょうどよい加減、つまり「よい加減」を常に意識しておかないと、やりすぎたら身体をこなしてしまう。「よい加減」に練習して「よい加減」に休養する。そうやって割りふることも大事なのだ。

人間はため込めない(P106)

「投げ込み」「打ち込み」「走り込み」、このすべてが迷信だということに気がついてほしい。
(中略)
たまったのは、乳酸だけではないですか?
食事だって、朝昼晩と3色毎日食べるから健康でいられる。一度に1ヶ月分食べると身体は壊れる。
(中略)
そんなに一気に身体に負担をかけなくても少しずつ積み重ねていけばいいのだ。何ごともコツコツと毎日続けることが大事なのではないだろうか。

ある日突然成長する(P138)

練習したからといって、すぐに結果が出るものではない。
毎日コツコツ努力していると、人間はある日突然、成長する。

「気づく」には能力が必要(P147)

PL学園で同じような練習をして、同じように寮で生活しているのにもかかわらず、うまくなる人と、そうでない人がいる。その差は気づくかどうか。
(中略)
気づく人と気づかない人。それだけで大きな差が生まれてくる。
この「気づく」というのは準備をしっかりしていれば身につく。その準備で一番大事なのは努力。努力していない人には、誰も力を貸してくれない。でも、努力、努力を重ねている人は、突然気づけたり、ポーンと突き抜けたりする。

成長の法則(P149)

ある日突然、うまくなる。ある日突然、成果が見える。
もうだめだ!もうつらい!と思っても、怠けたいという気持ちを抑え込む「努力」があればこそ、成長する。
これが「成長の法則」なのだ。

メリハリを意識する(P217)

自分で時間を決めて、その時間は必ず守る。朝6時に起きると決めたら、意地でも6時に起きる。僕だってサボりたいと思うこともあるけれど、そこを踏ん張ることによって、メンタルの強化にもなる。
(中略)
人間、24時間全力というのはできない。だからこそ、リラックスしてだらだらする時は精一杯だらだらすることが大事。集中する時は精一杯集中して、メリハリをつけたい。

自分のペースで生きる(P244)

人間は生まれた時から、他人と環境や能力が違う。だからこそ、他人と比較してはいけないし、自分のペースで生きなければならないのだ。

*1:手元にその本がないので、記憶で書いています。表現は違うと思います