この本も借りてきたのは家族。私は仕事柄初対面の人と話す機会が多いし、どちらかといえばあまり雑談は苦にならない方だ。手に取ったのは「齋籐先生の本だから」という理由だけだったのだが、目からウロコの本だった。
この本を読むまで知らなかったが、雑談は会話というよりも、挨拶の延長線上と考えた方がいいらしい。“自分がどんな人なのかをわかってもらえる手段”なのだそうだ。こういう考え方で雑談をとらえれば、気が楽になる人が多いのでは。
しかも、齋籐先生のおすすめは「30秒で終わらせる雑談」。大事なことでも1分で伝えられるなら*1、雑談は30秒もあれば充分なのだろう。これならむずかしく考えなくてもよさそうだ。
個人的には「終わり方がわからない」というのが悩みだったが、それもきちんと終わらなくてもいいんだ、と書いてあったので肩の荷が下りた。話が終わるまで続けなければ、と思うとしんどいが、「じゃあまた」とさっさと切り上げていいなら何とかなりそうな気がする。
授業で学生にさせているという、オクラホマミクサ式30秒雑談トレーニング*2には笑った。でも、スポーツと同じで訓練でかなり改善される、というのは納得。私も30秒でどれだけ雑談できるか、トレーニングしたくなってきた。
雑談が苦手な人はもちろん、話すことがそれほど苦にならない人にも自分の雑談のやり方を見直すきっかけになる本。おすすめです。
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
雑談の効果(P8)
その人が豊かな人間関係の中で育ってきたんだということや、人格的な安定感のあることが雑談から伝わってくるこということ。
雑談は単なる話術ではない(P9)
あなたが人から信頼され、人に安心感を与え、社会性がある人だと評価される。
そしてそこから気持ちのいい関係性やつながりに発展したり、もっと言えば多くの人から愛されたり、仕事などでは大きなチャンスを得ることもある。
たった30秒のムダ話には、そのような大事な意味があることを忘れないでください。
雑談の目的(P20)
その場にいる人たちと同じ空気を共有するため、場の空気を作るために雑談があるのです。
“いい雑談”の条件(P32)
終わりがわかるから気楽に話せる。「それでは」「じゃあまた」は、気持ちよく雑談をするためのキラーフレーズでもあるのです。
結論はいらないけれど、潔く終わらせる。
雑談とは、会話を利用して場の空気を生み出す技術(P33)
だから、雑談上手といわれるのは、話術が巧みな人よりも、“間が持てる人”や“話を聞いてほしくなる人”。要するに会話というよりも、“人間同士のおつき合い”に近いのです。
雑談は話術やトーク術ではない(P35)
・あいづちだけでもいい
・結論はいらない
・長々と話さなくていい
・笑いを取る必要もない
口下手でも、話が苦手な人でも大丈夫!
「オチがない」のが雑談(P62)
つまり、「オチがある」とか「結論づける」「キレイにまとめる」といった条件のつかないのが雑談のいいところ。
雑談ネタをストックしておく(P74)
私たちも、ふだんから30秒程度で話せるちょっとした雑談ネタをいろいろとストックしておきたいもの。誰にも使える、何かしらの話題(それも30秒程度で終われる話題)を用意しておけば、突発的な“出会い頭のすれ違いざま”の場面で生きてきます。
「年代別キーワード」を拾っておく(P114)
しっかりリサーチしなきゃと、しゃっちょこばる必要はありません。書店に行ったらたまには児童書コーナーを1周してみる、髪を切りに行ったらたまには女性週刊誌を読んでみる。まずは日常生活の中で、時には自分と違う世代をターゲットにした情報にも目を向けるように心がけてみましょう。
(中略)
各世代の鉄板ネタを探すというよりも、自分以外の世代の人が関心を持ちそうなキーワードを押さえておくという程度で充分なのです。