毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「プラットフォーム」がわかる“教科書”☆☆

プラットフォーム戦略
平野敦士カール/アンドレイ・ハギウ
東洋経済新報社 (2010/7/30)
¥1,680
おサイフケータイ」や「アライアンス」などで知られる平野敦士カールさんが、プラットフォームについて共に研究している共同経営者と書いた本。図書館で予約して借りてみたらハードカバーだったので身構えたが、内容はとてもわかりやすく、「プラットフォームって何?」という初心者の私でも楽しく読めた。

「プラットフォーム戦略」とは、多くの関係するグループを「場」に乗せ、マッチングや集客などさまざまな機能を提供し、検索や広告などのコストを減らし、外部ネットワーク効果を創造することで、「新しいエコシステム」を構築する戦略です。(本文より)*1


この最もわかりやすい例が楽天。さらに、Facebookの成功例をはじめとするSNSのシステムや、なぜソニーがダメになったのか、IBMが負けてマイクロソフトが勝てた理由など、興味深い実例が豊富に紹介されている。そのすべてがプラットフォームという考え方で説明できるという。

つまり、“これからはプラットフォーム戦略を理解していなければ生き残れない”というのが著者の主張だ。


プラットフォームの形にはさまざまなものがある。お見合いパーティのようなアナログなものも(概念としては)そうだし、今ではない状態を想像できないクレジットカードなどもプラットフォームのひとつなのだそうだ。

後半ではさまざまな形態のプラットフォームを紹介し、どういう業種のどういうやり方に合うのか、メリットとデメリットをどう検討するのか、という具体的な話に移る。なので、たとえば自分の企業がこれからプラットフォームに参加する、または新たに作るという人にとっては非常に有益な情報だと思う。
私のようにどんなものか知りたい、という単純な興味であれば、後半はさらっとと目を通すくらいでいいのではないだろうか。


「ハードカバー=内容が濃い」と定義している者としては、ずいぶんあっさりしているな、という感もあるが、まったくの初心者がまず読んでみるのに最適な1冊。これから生き残るには必要不可欠な情報だ。

*1:すみません、ページをメモし忘れました…板坂元さんに叱られます