茂木健一郎さんが書いた「ピンチの時の対処法」。タイトルからイメージする「ピンチ」の話はもちろん、今の日本と日本人を取り巻く状況というピンチや日本語と英語にまつわる話まで、非常に読みごたえのある本だった。
とはいえ、一番知りたいのは「どうやったら“ピンチがチャンス”にできるのか?」だろう。そこで、そのテーマにフォーカスして読んでみた。
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昨年、アイスランドの火山噴火によって4日間足止めを食ったご自身の体験を元に、危機の時の対処法が最初に取り上げられている。正解がない時にどう判断し、どう動くか。
そして、実は“人生にも正解はない”のだ。じゃあどう生きていくのが一番なのか?脳の働きを軸に、茂木さんが考える「全体最適」を選ぶ方法が書かれている。
茂木さんが脳科学者としてどうなのか、という評価はいろいろあると思うが、私は人にできないことをどんどんやっていく、常に走っている人というイメージがある。
ある意味この本は「茂木健一郎の作り方」なのだと思う。止まっているよりもとにかく動く、脳は本来疲れないものであり、疲れるのはやりたいことを制限されるから、というのはついつい考えがちな私には響く内容だった。
考え方が堅い人、“行動よりも思考優先”になりやすい人にはぜひ読んでほしい本。茂木さん流の英語習得法などもあり、これから世界へ出ていこうと考えている人にもおすすめです。
私のアクション:人目は気にしない!
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
1.パニックにならないでとにかく選択して決断し、行動する
=もっとも大切な偶有性のレッスン
※偶有性とは
- 自分の知っていることと、知らないことが混ざり合っている状況
- 慣れ親しんでいて安心できることと、新しくて不安なことが混在している状況
- 何が「正解」なのかわからない状況
2.一番面白そうな道を選ぶ
面白そうとは、チャレンジがたくさんありそうという意味。
人はなぜゲームが好きなのかというと、ゲームには「偶有性」が満ちているから。勝つかもしれないし、負けるかもしれない。その絶妙なバランスこそが「偶有性」であり、それがあるからゲームは面白い。
人生も絶対安全確実な道には脳はそれほど刺激されず、「面白い」と感じない。「この道を行ったら、もしかしたら相当な困難が待ち受けているかもしれないが、勝てたらうれしいだろうな」という道を選ぶ。
3.あまり構えないで始める。人目や結果は気にしない
挑戦できる人は、あまり構えないでリラックスしていて、スーッと始めてしまう。そして挑戦した結果が、どんなに惨めなものに終わっても全然気にしない。人目を気にしないというのはすごく大事なポイント。
4.ベストエフォート方式
とにかく「やらないよりはやった方がいい」というシンプルな心理に基づいたもの。反省すると足が止まってしまう。「自分ができることを精一杯やる。それ以上できなくても仕方ない」そう開き直ることで、次の一歩が踏み出せる。
5.脳のスイッチを切り替える
それまで自分がうまくやれていなくても、ある時点でパッと切り替えて「これから踊ればいいんだ」と思い込む。その時点で、それまでの状態を一度帳消しにしてしまう感覚が大切。