毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

ツイッターは“声が聞ける”双方向メディア☆☆☆

著者のことは昨年あるニュースのツイッター特集で、「つぶやきで予約が取れる大人気飲食店」の社長として紹介されていたのを見て知った。こまめにリプライし、実際にいらっしゃったお客様の席へ顔を出している姿を見て、どうやってそんなことができるのか不思議だった。
著書が出ていることを知り、疑問が解けるかと思って読んでみた。ツイッターに対するイメージが変わる素晴らしい本だった。


一昨年くらいからブームになった時、出版されたツイッター関連の書籍は、ほとんどがハード面の使い方を教える本だったと思う。企業がどう使うか、というテーマでも基本的な考え方は同じ。
だが、この本はどんな目的でツイッターを使えばいいのか、何ができるのかをシンプルに教えてくれる、いわばソフト面の解説だ。

著者の場合、ご自身の経営する「豚組」というお店にお客様が来てくださること、さらに常連になってくれる方が増えることが目的。大企業ではなく、ある地域にリアル店舗を持つ業態やサービス業の場合、1万人にツイートを読んでもらっても意味がない。それよりも、お店に足を運べる距離にいる100人に伝わる方が重要なのだ。

さらに、ツイッターを使うことで「来店前から常連さん」という、不思議な現象も起きているそうだ。来店前からツイッターでやりとりするうちに親近感がわき、初来店でも著者もお客様も初めての気がしないのだという。
著者にとってツイッターとは、初めて登場した「お客様の声を聞けるツール」なのだそうだ。一方的に伝えるのではなく、すぐに反応が返ってくることで、顧客との関係が今までとは大きく変わったそうだ。


著者が実際にやっていることがていねいに説明されているので、非常にわかりやすい。たとえば、実はお店にはアカウントがふたつあるという。ひとつはお店「豚組」の公式アカウント、もうひとつが「勝手口アカウント」と呼んでいる著者自身のアカウントだ。勝手口アカウントでは著者の趣味や日常のことなどをごく普通につぶやいているのだそう。でも、予約のほとんどは勝手口アカウントの方に入るというから面白い。

使っているものは最先端だが、やっているものは人と人とのつながり作り、交流を深めることなのだろう。それが結果的に「よくわからない、知らない店に行くよりも、たとえば趣味が同じで話が合う社長さんのお店に行ってみよう」という行動につながる。
ツイッターでこんなことができるのか、と驚いた。言いたいことをただ垂れ流しているだけではないのだ。

炎上を防ぐ、万一炎上してしまった時の対処法なども具体的に載っているので、この本があれば100人に向けて発信し、コミュニティを築いていくことができる。

この本全体を通して、著者もお客様もとても楽しそうで、温かい空気が流れている感じがした。これなら私もやってみたいな、と思えた。
飲食店に限らず、お客様とのつながりを深めたい、という人には最高の指南本。
私のアクション:@yasuko659を勝手口として使う/または勝手口と公式を使い分ける

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

「共感」が常連さんになるカギ(P30)

自分がそのお店、ひいてはお店のオーナーやスタッフの考え方や哲学に対して共感できるかどうか。それこそがお客様が中小個人店の常連さんになるかどうかのカギなのである。

大事なのは「相性のよいお客様」(P30)

「個店」が成功するかどうかは、つまり自分たちと相性のよいお客様たちを見つけられるかどうかにかかっている。

ツイッターで「聞く」(P41)

ツイッターは、飲食店がはじめて手にした「聞く」ことができるメディアだ。そして、はじめて「不特定多数と『会話』する」ことを実現したメディアなのだ。

勝手口アカウントでなにをつぶやくのか?(P53)

よそ行きでない、等身大の姿。それを私たちが飾らずに公開し、フォロワーさんたちはそれを日々見ることで、少しずつ「身内感」が高まっていく。
勝手口マーケティングとは、こうして「身内感」や「親密度」を高め、お客様と店舗という関係性を超えて「個」対「個」という新しい関係性を作り上げることによって、結果として事業を強くしていく活動なのだ。

良質のフォロワーを増やすのが大事(P64)

…飲食店やサービス業において大切なのは「フォロワーの量ではなく質」である。
(中略)
…私たちのようにさほど大きくもない「リアルの店舗」を構えていて、「お店に来てもらってナンボ」の商売をしている者にとっては、大量の人たちにリーチすることはさほど重要ではない。むしろ、1人ひとりと深く通じ合って、強い絆を作り上げる方がはるかに価値がある。

1人ひとりを認識し、覚えておく(P82)

ここで一番肝心なのはツイッターでの会話と、お店での会話がつながることだ。
(中略)
このような会話を成立させるには、フォロー数をむやみに増やしすぎず、また相手1人ひとりを認識し、覚えておくことが不可欠だ。
フォロワー数を増やしたいがために、やたらとたくさんのユーザーをフォローすると、1人ひとりとのコミュニケーションがおろそかになりがちだ。ツイッター上では楽しくからめたのに、それが誰かをすっかり忘れてしまって、実際にお店に来てくれた時、その相手を認識できないというのでは本末転倒。そうなってしまったら、すべての努力が台無しだ。

「安かった」を「楽しかった」に変える(P96)

きっかけは(ツイッターによる)割引でもよい。しかし、お客様がお店を後にした時の感想を、「安かった」から「楽しかった」に変えることができるかどうかが、ツイッター集客での大切なポイントなのである。

口コミの主役はお客様(P139)

口コミとは結局、「自分で自分のことをすごいと言わず、他人に自分のことをすごいと言ってもらう」ことに尽きる。それは、ネットでも現実社会でもまったく同じだ。だから、決して自分から「うちのお店はオススメですよ!」などとは言わない方がよい。
(中略)
自分たちをほめてくれて、お勧めしてくれるのはあくまでもお客様であるべきだ。

悪質ツイートには中途半端に対応しない(P223)

その場合はスルーが一番だ。…相手の目的が建設的な議論でないなら、そういう場合は相手をしないに限る。
(中略)
…判断に迷った場合はこうしよう。まず相手の過去の発言をさかのぼって読み、フォロー数やフォロワー数、ツイート数を確認するのだ。そうすれば、相手がどういう人物なのか、だんだんと見えてくる。
たとえばフォローもフォロワーも限りなくゼロに近いようなアカウントは、そもそも嫌がらせをするために作成された「捨てアカウント」である可能性が高い。また、タイムラインをさかのぼってみると、手当たり次第ケチばかりつけているような人もいる。
それを参考に、あなた自身が誠意を持って対応したい相手かどうかを見極め、相手にあった対応を心がけよう。

ツイッター=人」(P230)

※「豚組」の常連客でもあるコグレマサトさんのことば
…飲食店の魅力も、人にこそあるのだと思います。つまり、リピートしたくなる接客の店ならば、間違いなくツイッターにも向いている、と言えます。

「相手の送ってきたやり方で返信する」とトラブルになりづらい(P280)

相手がリプライで送ってきたらリプライで返信し、RTにはRTを、DMだったらDMで答えるのだ。もちろん、その場合は会話がタイムラインやDMをまたいで散逸してしまうので管理がむずかしくなるという問題もあるが、私の経験ではそれが一番間違いがない。