毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

めくるめく村上春樹ワールド☆☆☆

海辺のカフカ〈上〉
村上 春樹
新潮社(2002/09/12)
¥1,680
海辺のカフカ〈下〉
村上 春樹
新潮社(2002/09/12)
¥1,680
今から9年前に出た、村上さんの長編小説。すごい勢いで読んでしまった*1
一気に読めたのがインタビューのおかげなのか、そうじゃないのかはよくわからない。


確かに、村上さんの(技術的な)狙いが何で、前とどこが変わってきているのかというのは、インタビューを読んでいたおかげでわかりやすかった。ジョニー・ウォーカーカーネル・サンダーズという不思議な存在が登場するのも、前もって心構えができていた分すんなりなじめたかもしれない。

でも、圧倒的な“引きずり込まれ感”というのは、書き手の思惑や裏話といった情報を一切知らなくても、おそらく変わらなかっただろうと思う。
とにかく早く次のページをめくりたくてしょうがなくなるのだ。小説なんて本当に久しぶりに読んだので、こういう感覚は忘れていた。
村上さんが「枠組みはエンターテイメント小説で、書いている内容は純文学」的なことをインタビューで話されていたが、それがよく実感できた。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と構造が少し似ているが、今までならあまり出てこなかったような人物も出てくる。
おそらくその中の一人、ホシノちゃんが人間味あふれる、愛すべきキャラクターで心惹かれた。生き方までちょっと変わっちゃいそうな気がする。
いい小説を読むのは本当に楽しい。


――さて、“村上春樹祭り”第1弾はこれで終了です。第2弾はもう少し先になると思います。
いつになったらいつものジャンルに戻るんだ、とやきもきしていた方、明日からまた実用書メインに戻ります。

*1:インタビュー集を読んだあと、図書館にまとめて予約を入れたらその次の週末に全冊そろってしまい、あまりの多さに職員の方に「どうしますか、全部借りますか?」と心配されました…。全部読んじゃいましたけどね