毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

運をつかむ人はどこが違うのか☆☆☆

長谷部選手といえば、たぶん今の日本で知らない人はいないサッカー選手のひとりだろう。サッカーをほとんど見ない私でも、今の日本代表チームのキャプテンだと知っている。

その長谷部選手は、浦和レッズ在籍時代にチームとして6つのタイトルをすべて獲得し、ドイツに渡ったあともチームの優勝を経験している。しかも、その決定的瞬間にすべてフィールド上にいたというすごい人だ。
この経歴を見て「長谷部さんは運がいいですね。」と言われることも多いという。しかし、ご本人は内心それに不満を感じるそうだ。
なぜなら、そのためのさまざまな努力を続けてきたから。

この本では、長谷部選手がいかにしてこれだけの結果を残せたのか、それが惜しみなく明かされている。長谷部選手のファンじゃなくても、ファンになってしまいそうな本だ。


読んでみて、驚いたことはふたつある。
ひとつは、そのストイックさ。まるで修行僧のようだ。サッカーのことを考えて、常にきちんと自分を律している。
そしてもうひとつは、その豊富な読書量だ。デール・カーネギーの『人を動かす』を読んでいるサッカー選手なんて何人いるんだろう。
内容は、たぶん売れっ子作家なら何冊にも分けて書くだろうな、という濃さ。しかも、最近のトレンドはひらがなの割合が増える傾向にあるのに、昔懐かしい漢字の多さ。きっとご自身で一生懸命書いたんだろうな、という力強さを感じた。

サッカーファンが知りたいこともたくさんあるし*1、長谷部選手のファンにとってもうれしくなるような情報*2もいろいろと出てくる。
だが、どちらにも当てはまらない私のような読者にも、得るところは多い本だと思う。
これを全部やるのは普通の人にはむずかしいとしても、いくつか真似てみるだけでも違うはずだ。読むだけで身の引き締まる思いがした。
私はメモしなかったが、組織論やリーダーシップ論としても読める。


こんな素晴らしい人がキャプテンなのだから、きっと日本代表はこれからも結果を出してくれるに違いない。
一流アスリートの本は受け取れるものが多くて大好きだが、その中でも特に素晴らしい本。ぜひ読んでみてください。
私のアクション:変化を否定せず、前向きに受けとめてみる


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

稲森和夫さんの言葉(P14)

「1日1回、深呼吸をして、必ず心を鎮める時間を作りなさい」

「整理整頓は、人生の半分である」(ドイツのことわざ)(P19)

日ごろから整理整頓を心がけていれば、それが生活や仕事に規律や秩序をもたらす。だから整理整頓は人生の半分と言えるくらい大切なんだ、という意味だ。
(中略)
きれいになった部屋を見たら、誰だって心が落ち着く。僕は心がモヤモヤした時こそ、身体を動かして整理整頓をしている。心の掃除もかねて。

マイナス発言は自分を後退させる(P24)

愚痴で憂さ晴らしをするのは自分の問題点と向き合うことから逃げるのと同じ。ゆえに逆に愚痴を言わないように心がければ、自ずと問題点と向き合えるようになるのだ。
(中略)
愚痴だけでなく、負の言葉はすべて、現状をとらえる力を鈍らせてしまい、自分で自分の心を乱してしまう。心を正しく整えるためにも愚痴は必要ない。

“恨み貯金”はしない(P30)

…僕は悔しいことがあった時は、なるべく早く消化するように心がけるようになった。
レッズ時代、僕は試合に負けたり、何か悩みごとがある時は、ひとりで温泉に行くようにしていた。
(中略)
ドイツに移籍してからは、1泊2日のひとり旅に出るようになった。…いろいろなところで、気持ちをリフレッシュした。
恨みを貯金してもしたかがない。ボールを蹴って身体を動かしてもいいし、何かリフレッシュして、次に向かってリスタートした方がはるかに建設的だ。

自分と向き合う方法はふたつ(P52)

ひとつは孤独な時間を作り、ひとりでじっくりと考えを深めていくこと。僕にとっては読書も、ひとり温泉も、ここに含まれる。そしてもうひとつは、尊敬できる人や仲間に会い、話をすることで自分の立ち位置を客観的に見ることだ。

さぼっていたら、運なんて来るわけがない(P110)

それにただがむしゃらにがんばっても、運が来るとは限らない。
ふだんからやるべきことに取り組み、万全の準備をしていれば、運が巡ってきた時につかむことができる。

「運を女性のように口説きなさい」(アルゼンチンのことわざ)(P110)

代理人のロベルト佃さんが教えてくれたもの
スペイン語で運(la suerte)は女性名詞。だから、アルゼンチンの人たちは『運を女性のように口説きなさい』と言うんだ。何も努力しないで振り向いてくれる女性なんていないだろ?それと同じで、運もこちらから必死に口説こうとしないと振り向いてくれないんだ」

最悪を想定するのは(P163)

「失敗するかもしれない」と弱気になるためではなく、何が起きてもそれを受けとめる覚悟があるという「決心を固める」作業でもあるからだ。

脱皮して生きていく(P181)

※『超訳 ニーチェの言葉』より、長谷部選手自身の要約によるもの
脱皮しない蛇は破滅する。人間もまったく同じだ。古い考えの皮をいつまでもかぶっていれば、やがて内側から腐っていき、成長することなどできないどころか、死んでしまう。常に新しく生きていくために、私たちは考えを新陳代謝させていかなくてはならないのだ。

*1:W杯やアジアカップで何があったか、監督ごとの戦術の違いなど

*2:大好きなミスチルの曲ベスト20や読書メモの一部公開、身につけているものの話題など