毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

シェンゲン協定とアムステルダムの悲劇

5年前にフランスに行った時との一番の違いは、手荷物検査が厳しくなったこと。そして、機内への液体持ち込みが制限されるようになったこと*1だ。テロ対策なのでしかたがないが、検査に時間がかかるし、乗り継ぎがある場合、目的地に着くまでにもう1回これを受ける羽目になる。つくづく不便。
と、前もってわかっていたにもかかわらず、海外に慣れていない私はアムステルダムでとんでもない目に。


直行便のはずがアムステルダム経由になったため、アムステルダムで再度手荷物検査を受けなければならない。しかも、その前に入国審査があるのだ。オランダに来たわけじゃないのになぜ??

それは、シェンゲン協定なるもののためだそうだ。くわしくはリンクページを見ていただくとして、要は「EUはひとつの地域だから、最初にEUに入った時に入国したと見なします」ということらしい。つまり、アムステルダムで入国審査を受けておけば、パリでは手荷物を受け取りしだい即出られるのだ。

しかし、乗り継ぎの時間が迫る中で列に並び続けるのはかなりのプレッシャー。EU加盟国のパスポートを持つ人は専用レーンでスイスイ通り過ぎていくのを横目に、ひたすら耐える。
添乗員さんのかけ声のもと、早く流れている列に並び替えること数度、ようやく入国審査をパス。ここでかなり時間を使ってしまったので手荷物検査は早く終わらせよう、と思ったのが裏目に出た。


添乗員さんから説明があったのだが、たとえ乗り継ぎであっても液体持ち込み制限は同じ、100ml以上の液体は破棄させられます、とのことだった*2。免税店で香水を買うこともできないし、機内で出されたワインの小瓶をもらうことも×。
手荷物検査の入り口には自主的に放棄されたペットボトルや機内食で配られていたワインの瓶が。
私は旅行中どうしても350mlのペットボトルがほしかったので、わざわざ関空爽健美茶を購入。空のペットボトルは提示すれば大丈夫、ということだったので直前に飲みきり、化粧水などの液体が入ったジップロックとともにトレーに並べた。
よし、これで準備万端、と思ったら検査官の反応がどうもおかしい。
※以下英語がよくわからないので内容は推測です
「このバッグ怪しいからもう一度通して」
と指さしているのは何と私の手荷物。検査の機械から出てきたものを別の係官がつかみ、もう一度ベルトコンベアに載せて通す。
「やっぱり怪しいから中チェックして」
えええ〜、何も入れてませんけど?!

しかも、私のバッグはつまみ出されて床に放置。あの〜、もう飛行機が出るんですが?
何がどうなっているかよくわからない。時間がかかっているので様子を見に来た添乗員さんと必死でアピールする。
「時間がないの、飛行機が出る、私の荷物はあれ!」
添乗員さんはもちろんもっとまともな英語でしゃべられていましたが。
別の人の荷物をチェックしている係官に訴えるも、しつこかったらしく逆ギレされる。心証が悪そうだ…。

あきらめて様子を見ているとやっとわかった。何の秩序もないように見えたが、彼らは彼らなりに順番をわかっており、ひとつの要確認荷物を持ち主と共にチェックし終えた係官が、次の荷物を持ってくるようになっているのだ。
ようやく私の番が回ってきた。持ち主はバッグを空けさせられるだけで、中身は一切触ってはならない。係官がいちいち確かめる。私の担当は妙齢のマダムっぽい人だった。ひとつひとつの動作が実に優雅でゆっくり。

焦った添乗員さんがさらに「飛行機に乗れなくなるから早くしてください」とたたみかけると、きっぱりと
「Safe first!」
とギロリとにらみ返していた。そこからさらにじっくり検証度が上がったのはいうまでもありません…。

係官によってていねい度が違うのか、さっきのひとことで意地になったのかはわからないが、そこまでしなくても、というチェックぶり。プライバシーもへったくれもありません。手帳は開けられるわ、ありとあらゆるものを確認される。
そして、何と問題の「ブツ」発見!

それは、さっきの機内で出されたお水のパック。家族が飲まなかったものをもらっていたのだが、処分するのをすっかり忘れていたのだ…申し訳ございません…。

さらにすべての中身のチェックは続き、お水は「これ要らないわよね?」で没収。折りたたみ傘などの危険物(と思われるもの)をトレーに載せ、バッグと共に再度機械にかけてやっと検査終了。
とにかくトレーに載っているものを必死でバッグに詰め、ツアーの参加者に平謝りしてゲートまでダッシュする。中には熟年のご夫婦とか、母とほぼ同世代の女性グループなどもいらっしゃったのに、本当に申し訳なかった。間に合ってよかった*3

次に乗る時は絶対直行便にする!と固く誓った。現に、帰りは直行便だったので何ということもなく、シャルル・ド・ゴール空港での手荷物検査がすめば、ワインでも何でも気にすることなく買えた。

なかなか得難い体験だった。こんな騒ぎを起こしておいて不謹慎だが、ペットボトルでもない四角い水のパックを発見できる手荷物検査、意外にちゃんとしてるんだなあとも思った。

これから海外に行かれる方は、私のような失敗をなさいませんよう。液体がないか、よくよく確認をお忘れなく。

*1:参考:JALの告知ページはこちら

*2:国によって状況は違うようですが、おおむねヨーロッパは厳しいようです

*3:ヨーロッパの航空会社は日本のように未搭乗客を探したりせず、さっさと出発してしまうそうです