毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

パリの自転車事情

あれだけ「パリで自転車に乗ってきます!」と力強く宣言したにもかかわらず、結局乗れずに帰ってきてしまった…。申し訳ありません。
理由は、ヴェリブ(レンタサイクル)の登録をする時、クレジットカードを受け付けてくれなかったからだ。添乗員さんによると、「ICチップの入ったカードなら大丈夫」ということだったが、なぜかダメだったので残念ながら断念。
期待してくださっていた方がもしあればごめんなさい。

しかし、乗れはしなかったものの車窓からや街を歩きながら、いろいろと観察をして参りました。私の見た「パリの自転車事情」をご報告します。


ガイドさんや添乗員さんに「ヴェリブに乗りたいんですけど」とたずねると、ふたりともすごい勢いで「辞めた方がいい」と言われたのでびっくりした。
ガイドさんは在パリ30年のベテラン男性だったのだが、
「僕は自転車を持っているけど、怖くて乗らなくなったよ。パリは自転車に乗れる街じゃない」
とのこと。

添乗員さんは、
「無理ですよ!危ないですよ!パリで自転車に乗るには、車と同じスピードで走れないといけないんですよ」
と言っていた…。車と同じ速度?そりゃ、いくらママチャリじゃないにしても大げさな、と思ったが、誰も彼も、自転車に乗っている人はめっぽう速かった。ヴェリブの人も、ツールドフランス大好きそうなバリバリのロードバイク乗りも、わりにふつうそうな自転車のおじさんも。
子供用椅子のついた自転車で疾走しているお母さん(子供は乗っていませんでした)には驚愕した。確かに、車と渡り合えるスピードがなければ自転車に乗るべからず、がルールなのかも。
スピードだけでなく、度胸も必要らしい。バスの窓から見ていると、ぐいぐい車の間を抜けていく自転車多し。そりゃ無茶じゃないんですか、ということも平気でする。命がいくらあっても…というような危ないシーンも見た。そりゃ、添乗員さんが血相を変えて止めるわけだ。ロード乗り以外はヘルメットもかぶってないし。


ヴェリブのステーションはいろんなところにあった。時間帯にもよるが、自転車がほとんどないところも。利用者は、会社に行ったり仕事で乗っている感じの人も多く、浸透しているんだな、という印象だった。
また、これはヴェリブとは関係ないが、駐輪場(歩道や空いたスペースを利用した、10台程度停められる小規模のもの)も多かった。パイクと並んでふたつスペースを確保してあるところが多かったように思う。

これにはパリの交通事情があるようだ。
ガイドさんが説明してくれたのだが、パリでは車を減らしたいとやっきになっているそうだ。このため、もともと広い道幅の道路の歩道を広げたり、自転車専用レーン(いろんなところで見かけました)を増やしたりして、車道を減らす傾向にあるという。慢性的に渋滞が起きる。駐禁も最近はかなりシビアにやっているそうだ。
その一方で、自転車は優遇されている。車から自転車に乗り換えてもらいたい、ということなのだろう。


さて、引田さんの本では「日本以外で歩道を走る自転車などありえない」とたびたび読んできたが、残念ながらパリにもいた。
もちろん、禁止なのでほとんどの人は車道を走っている。
たまたま私が見かけたのは2台。どちらも若い男性で、その片方はベルを鳴らして通り過ぎていった。どこにでもこういうルールを守らない人はいるのだ。

日本でも最近急に自転車の歩道走行を見直す話が出てきているようだ。人も自転車も車やバイクも、みんなが安全に快適に通れるようにしてほしい。パリは強気でないと自転車には乗れないような環境だった。これは真似をしないように願う。