――あの人はなぜ奇跡を何度も起こせるのか
「持ってる人」という言葉は主にスポーツ界で広まったので、検証はアスリートの言動を拾って行われている。
しかし、スポーツライターなど専門家の文章を好んで読んでいる目には、何となく並べただけ、という印象が。
「持ってる人」と「持ってない人」の比較は笑って読めるが、“そりゃそうだよね”という内容であまり新鮮味がなかった。
後半は、著者の得意な成功法則的なテーマになっているのでそれなりに面白かったが*1、結局「持っている人」が何なのか、スッキリ納得できる答は得られず残念。
それなら、ここに出てくるアスリート達*2を長年追いかけているライターに、それぞれ「持ってる人」になるポイントはどこか、違いは何なのかを書いてもらって1冊にまとめた方がよっぽど面白い本になったのではないか。
テーマは面白かっただけにちょっと残念。ちなみに、著者は私がお世話になっている方のメンターなので、☆2はやや甘めの評価です。すみません。
私のアクション:「自分では変えられないもの」は一時的に意識の外に出す!
関連記事
読書日記:『自分は評価されていないと思ったら読む本』
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。
3つのとらわれない「他人・感情・過去」(P101)
1.他人にとらわれない:常に自分の状況を踏まえ、自分には何ができるのかを考えている。
2.感情にとらわれない:感情をコントロールして、思考や行動を変えていくことができる。
3.過去にとらわれない:常に未来を向いて次にやるべきことに着手できる。
これら3つに共通しているのは、“自分で自在に変えられないものだ”という点。
自分で変えることのできないものは、「意識の外に出す」=「考えない」(P104)
「持ってる人」は現実を直視して、自分で変えられないものは意識の外に追い出してしまうことができる。そして、自分の力で変えられることに意識を集中させ、全力を尽くす。
「自分で変えられるもの」と「自分で変えられないもの」とは(P110)
自動車の前輪と後輪の関係に似ている。
前輪は「自分・思考・未来」、後輪は「他人・感情・過去」。
前輪にあたる「自分・思考・行動・未来」が行き先を変えれば、後輪の「他人・感情・過去」も違う場所へと進んでいく。
つまり、「自分・思考・行動・未来」変えることができれば、「他人・感情・過去」も自然と変わっていく。
ピンチをチャンスに変える言葉「ちょうどよかった」(P121)
ミスやトラブルが起こった時…そう言う感情にとらわれることなく「ちょうどよかった。もっと会社の規模が大きくなってから起きたミスだったら大変なことになっていた」と考えてみる。
(中略)
…さらに一歩進んで、行動を変えるために、「ちょうどよかった」の次に「これをきっかけに……」と続けてみる。
「これをきっかけに業務の見直しを進めよう。チェック体制も改めよう」
過去は編集できる(P123)
つまり、過去に起きたことの“意味”を変えられる。
(中略)
過去をゴミ箱に入れて捨て去ってしまうのではなく、そこで経験したことの意味や価値を見つめ直すことは、実は「過去」を変えることなのだ。
(中略)
…「過去」と向き合い、その出来事の意味づけを変えることが過去を編集する行為。
まず目指すべき未来をはっきりさせる(P131)
こうしたいという目標がなければ、過去を編集する方針が決まらない。方針がなければ、どの過去を残して、どの過去を忘れるかという選択基準が決まらないのだ。まず、未来へのビジョンがあってこそ、過去を編集することができる。
マルチナ・ナブラチロワのことば(P134)
「『大切なことは勝敗ではない』――この言葉を使いたがるのは敗者だけだ」
信頼残高は「約束」と「実行」によって増える(P137)
※信頼残高とは…自分を取り巻く関係者との間に「信頼」がどれだけ蓄積されているかを銀行の口座残高にたとえた言葉。
「信頼残高」はどのように増やせばいいのか。
それには「約束」と「実行」。信頼は、「約束」と「実行」の繰り返しによって残高が増えていくものだから。