毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「よりよい死に方」は「よりよい生き方」につながる☆☆☆☆

最近話題の本。家族が買ってきたので読んでみた。重いテーマではあるが、読んでおくといざという時の心構えができていいと思う。


著者は現役の医師だ。現役の医師がここまで現代医療を疑問視するような本を書くというのはすごいことだ。現在の勤務先が老人ホームで、病院の序列から離れた立場だからだろうか。
著者は勤務先で多数の「自然死」の例を見た経験から、「過剰な医療介入は本来苦しくないはずの最期を苦しいものにしている」と言い切っている。病院は「死なせないための施設」だからだ。

最期は自宅で迎えたいと思ってもなかなかそうできない現状は、家族の側の意識にも問題があるという。そして、その根底には「死」というものを避け続けてきた文化にあるのではないかと。
いざという時になって死なれたら困るとあわてる家族や、老いではなく病と考えて医療にすがる老人たちなど、11章からの3章は特に身につまされる内容だった。
私たちは医療に過剰な期待をしすぎているのだ。


著者は長年「自分の死について考える集い」という活動を続けているそうだ。棺桶に入ってみる体験までしているのはやや極端だと思うが、きちんと自分の死について考えておくことは大切だ。いつか死ぬ、と思えばこそ今日がしっかり生きられる。

遺書の書き方などにも触れられており、「尊厳死」という書き方だけでは医療の過剰介入を防げないことや、救急車に乗ってしまうと「すべて病院にお任せ」になってしまう、という話は勉強になった。
いざという時に何をしてほしいか、何をしてほしくないのか。きちんと自分の意志を遺書に書くには、医師からくわしい説明を受けてから選択した方がいいそうだ。

年齢的にはそろそろ親の心配を、と思って読んでみたが、自分もいつか死ぬということにきちんと向き合う必要があると感じた。
「よりよい死に方」を考えるには良書です。
※ただし、実例として老人ホームの方の写真が掲載されているので、心臓の弱い方はご注意ください。
私のアクション:“してほしくない医療行為”について考えてみる