毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

記憶法を身につけて、使える知識を増やそう☆☆☆

読んだら、きちんと自分の知識にする方法 (アスカビジネス)
宮口 公寿
明日香出版社(2011/01/18)
¥1,470
家族が借りてきた本。せっかく本を読んでも、時間が経つとほとんど内容を覚えていなくて青ざめることもしばしばなので、何かいい方法があるのなら、と読んでみたら、意外な本だった。
これは、記憶術の本だったのだ。


記憶術といえば、受験で年号や単語を覚えるというイメージだ。文章が並んでいるだけの本の内容をどうやって?と不思議だったが、著者によれば文字で書いてあればどんなものも覚えられるそうだ。
確かに、たとえば司法試験などは長くて難解な法律の文章を覚える必要があり、それが覚えられる方法なら一般の本の内容は問題ないだろう。


著者の宮口さんは、記憶術をマスターしたことで東大に合格し、人生が変わったのだそうだ。自分が受けた恩恵をたくさんの人に、と現在は会社経営のかたわら「宮口式記憶術」を教えているという。

この本では、読んだ本の内容を記憶するための方法と、前提となる考え方が学べる。
意外に、この「前提」が新鮮で収穫だった。全部をべったり覚えようとせずに絞り込むとか、理解は70%程度でいいなど、驚くことが多かった。


私は他の記憶術を少しかじったことがあるので特に読みやすかったのかもしれないが、イメージングの方法を丁寧に説明してあったり、場所法*1のための写真の撮り方がびっくりするほど詳しく書かれているのに驚いた。
長年試行錯誤されてきたことを隠さず教えてくれている良書だと思う。


「本の内容を覚える」という作業をやったわけではないので何とも言えないが、うまく内容を絞り込めれば、暗記のプロセスはこの本の通りで上手くできそうだ。
「読んだけど忘れてしまう」ことにお悩みの方、ぜひ試してみてください。
私のアクション:実際に読んだ本で試してみる


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。

目的思考を持ってものを読む(P45)

何のために読むかが最も重要。

記憶術のポイント2(P97)

1.理解の過程と記憶の過程を分離する
2.記憶する時に、イメージの結合(連想結合法)だけにするか、場所(場所法)を使うかどうか?

「70%」理解で充分(P114)

70%理解とは、100%の理解、すなわち、完璧に理解する必要はないが、50%以上、半分以上理解してください、という意味。
具体的には、その本の内容の、何を覚えて何を覚えないか、区分けができるくらい理解しましょう、という意味。ゆるく理解して、全部をさらっと覚える。

難しいものはまず理解してから(P115)

非常に理解が難しいものは、時によっては、マインドマップやメモリーツリーで表現して、簡単にまとめ直した方が速い場合がある。
内容が複雑なもので、この理解の作業に少し時間をかけても、理解しないで覚えるよりも、結果的に飛躍的に早い成果を得ることができる。

場所法の「場所」を用意する(P121)

まず、家から学校まで、家から会社まで、毎日通る道、通勤・通学する道をデジカメで撮影して写真を収集する。
撮影のコツ
・何のために撮影しているか聞かれたら、誰にでもよくわかる撮影の理由を考えておくこと
「生まれた土地の町並みをブログで紹介するために、いろんなところを撮影しているのです」
など、誰もがわかる説明を考えておく。
・遠景ではなく近景
・一気に撮影しようとしないで、少しずつ無理のない程度に撮影する
・なるべく細かく撮影する。できれば数メートルおきに
・撮影したら、帰宅後すぐにPCに転送しておく(携帯やカメラにデータを残しておかない。不審者と怪しまれないための自衛策)

想起力の練習(P134)

・本を要点だけ高速に読む
・この本で解説したイメージ化をなるべく速くやる
この作業を不完全でもいいので、なるべく高速に行う。
その後、本を開かずに、数日間、ストーリー(実用書なら論理展開)を追って思い出す訓練をする。ストーリーの糸をたぐって、思い出す力を養成する、非常によい訓練になる。**視覚以外の五感を使ってイメージする(P138)
例:イチゴ
イチゴの、甘いけれどちょっとすっぱい味覚
親指と人差し指でつまめるぐらいの大きさ、柔らかいという感覚
イチゴ特有の「におい」という嗅覚
イチゴをつぶした時の聴覚

イメージの中に感情を挿入する(P138)

たとえば、イチゴをつぶしたら、手がべとついてしまうという感覚を入れる。

イメージ化は「何でもいい」(P139)

抽象的で実態のない概念は、そのものの物体がないのでイメージ化できない。ここがイメージ化の大きな壁。…その言葉に反応したインスピレーションと言った方が正確かもしれない。
連想ゲームのようなもので…イチゴという言葉からインスピレーションを得るものなら、何でもよい。
イチゴを中心としたスイーツで有名なコーヒーショップでもいいし、イチゴのマークがついている服でもいいし、イチゴの着ぐるみを着た人がいた遊園地でもいい。すなわち、イチゴという言葉から、頭にひらめいたイメージなら何でもよい。
(中略)
その言葉を見た瞬間に、パッとなるべく短時間でイメージ化をすること。そこで「ああじゃない、こうじゃない」と考えたら絶対にダメ。
慣れてきたら0.5秒以内。初心者でも、15秒以内でイメージ化する。そして、どうしてもできなければ、その言葉のイメージ化はいったんあきらめる。イメージ化したい言葉の最後までイメージ化して、その後もう一度やってみると、印象が変わって、イメージ化できたりするものだ。このぐらい、イメージ化というのはメンタルな要素に影響される。

覚えたい本の中からランダムに言葉を拾い、考えずにイメージ化(P150)

もし、覚えたいリストの中でできない言葉があったら、その言葉は遠慮なく飛ばし、次の言葉をイメージ化する。イメージ化できない言葉を飛ばすことはまったく問題ない。むしろ、飛ばさなければならない。
(中略)
…最も大事なことは「考えないということ」。もし、あなたがイメージを浮かべる時に「こんなイメージでいいかなぁ?」と考えていたら、そのイメージはあなたの考えで汚染されてしまう。
(中略)
もし、イメージ化の練習の言葉の抽象度を上げて、ほとんどイメージ化できなければ、翌日はトライする言葉の抽象度を下げる。さして、言葉を見た瞬間にイメージ化をしてみて、イメージ化する頭の動かし方の感触をつかむ。そして、また言葉の抽象度を上げて、トライする。
具体的なものをやったり、抽象的なものをやったり、抽象から具体へ、具体から抽象へ、行ったり来たりする。そうすると、知らないうちに、抽象的な言葉でも、なんなくイメージ化できるようになる。2日連続して、80%の確率でできれば、その次の段階に移る。※イメージ化練習のための言葉リストは、著者のサイトの本書購入者特典にある

複雑なもの(理解する必要があるもの)を覚えるには(P169)

読書フェーズと記憶フェーズの間に、理解フェーズを入れる。
・読書フェーズ
・理解フェーズ
・記憶フェーズ
の3段階で行う。
読書したあと、その内容を理解する時間を作る。
理解フェーズでは、マインドマップの使用が効果的。
記憶フェーズでは、作成したマインドマップを何回も見て、最初から最後まで、何がポイントで何がポイントでないか、何が重要で何があまり重要でないか、一瞬でわかるようにする。この、一瞬でわかるようにするのが重要。記憶フェーズで覚えたいフレーズからイメージ化する時に、流れ作業のようにやらなければならないため。
マインドマップの枝が分かれるところを重要視するとよい。
理解フェーズに時間がかかる分、覚えるのはより簡単になる。覚えたい知識に論理の整合性があるため。論理が助けとなって、非常に思い出しやすい。

「人生はチョロイと思え!」(P196)

私が言いたいことは、
「ほとんどの人が、それほどまでに失敗を恐れて、トライしないのです」
ということ。
(中略)
…皆、恐れるあまり何もしないことが多すぎる。

読書のポイント(P207)

・全部読まないこと
・自分が何が必要なのか吟味して、その目的だけにフォーカスすること

*1:暗記する項目を体の一部や家の中のもの、外の景色を構成するものに貼り付けて覚える方法