探書リストを書きはじめた時にメモしていた1冊。整理した時に、ああそうだった、と借りてみた。
そもそも、どこでこの本を知り、読もうと思ったかがすでにわかっていない。「完全脳」という言葉に惹かれて読んでみたくなったのだと思うが、読後感は「うーん…」としか表現しようがなかった。
この本は、医学博士の加藤俊徳氏が自分の開発した「脳番地」という概念を使い、“著名人の脳のMRI画像を見ながら対談する”というもの。シリーズ1作目*1は国際エコノミストの長谷川慶太郎氏だ。
長谷川氏は特訓の末、特殊な能力を身につけたという。口述筆記のためにしゃべりながら、きっちり文字数が認識出るのだそうだ。それでほとんど校正も必要ないのだとか。
加藤氏はMRI画像を見ながら、“それは脳のこの部分が発達していることからうかがえる”という話を進めていく。まあそういう作りの本だ。
私が長谷川慶太郎氏を知らないせいもあると思うが、ああそうですか、で終わってしまう。脳の話が好きな私でこれなので、人に勧めるかと言われたらNOだ。
「脳番地」という概念についての説明も巻末に少しあるだけなので、予備知識がなければわかりにくい。
本の内容としては☆2だが、ひとつ気になることがあった。
わざわざ序章として「アハ!体験の効用は大ウソ」という文章が載っているのだ。
こんなの個人攻撃ではないですか。名指しはしていないが、著書を引用しているので*2、茂木さんがターゲットになっているのは明らかだ。
そういう私も「アハ!体験」が脳を活性化する、と確信を持っているわけではない。
だが、序章の説明を読んでも、なぜ「アハ!体験」に意味がないのか理解できなかったし*3、この本にこれを載せる意味がわからなかった。
何にせよ、ネガティブキャンペーンは好きじゃないのでひとつ減って☆は1。
読まなくていいですよ。普通の図書館にはあまりなさそうですけどね、この本*4。
私のアクション:古すぎる探書リストの本は、借りる前に再検討する