きっと、40歳を越えても活躍する姿に感動する人が多いので、ニーズがあるのだろう。
何冊か読んでみて、これが一番読みやすく、内容もまとまっていると感じた。
内容は心、技、体、に夢の4つの章から成っている。子どもの頃の話もくわしいし、プロに入ってからの軌跡もしっかりまとまっている。
本によって微妙に内容が違う人も多いが、山崎選手の場合はブレがないところがすごい。何冊か読んでいるので復習のようにスイスイ読めた。
特に面白かったのは第4章「夢」。
山崎選手にとって「プロ野球選手になる」のは夢ではなく、実は何の根拠もないのに「自分は絶対にプロ野球選手になれる」と思い込んでいた、というエピソードが興味深い。
未来なんてどうなるかは誰にもわかりません。だったら、自分を信じるべきです。自分の未来に遠慮せずに、自分の行くべき道を考えればいいと思います(P151)。
そして、山崎選手はきちんと考えて行動したからこそプロ野球選手になれたのだ。
また、何冊か本を読んで感じるのは、プロ意識の高さだ。
技術や体のこともくわしく書かれていて、一般人には読んでもあまり役に立たないかも、ということもあるが、“なぜそう考えるのか”はスポーツを楽しんでいる人にはもちろん、それ以外の人にも役に立つと思う。
たとえば、なぜウエイトトレーニングをしないのか。それは、成績が下がってから焦ってウエイトトレーニングに走り、潰れてしまう選手をたくさん見てきたからだそうだ。自分には素振りの回数を増やしたり、ランニングする方が有効なのだという。
自分をよく知り、自分に役に立つものだけを選ぶ。そして、その結果は自分で負う。これがこの人の強さの秘密だろう。
新書で読みやすく、よくまとまっているので、これからどれか読んでみようかな、という人にはこの本がおすすめです。
私のアクション:自分を知り、しっかり考える
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