文具オタクなら知らない人はいない、土橋正さん*1の著書。
12名のさまざまな職業の方に文具の使い方やこだわりについてインタビューしたものだが、オールカラーで写真もふんだんにあり、紙質も高級でまるで図鑑やカタログのよう。読むのが本当に楽しかった。
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さすがは土橋さん、12名のチョイスが面白い。原稿用紙メーカーの専務やPLAZAの本部長、丸善の万年筆売場のプロフェッショナル、かと思えば商社マンやTVプロデューサーまで。
そのひとりひとりにていねいにインタビューしてまとめてあるので、それぞれの内容がとても深い。中には“こだわらないというこだわり”もあるのだ*2。
もちろん、文房具について聞くというのは、そのまま仕事術について聞くことにつながる。それぞれの価値観や優先順位のつけ方もあって面白い。ロディアでなくてはダメだ、と上海駐在中に*3自分が日本に買い置きしていたものをわざわざ送ってもらったというエピソードもすごい。
この“ロディアでなくては”という伊藤忠商事の日野さん、ロディアを使ってGTDを完璧に実践されているのだ。読んで感激してしまった。これを読むだけでもこの本の価値があると思う。
また、私にとっては素敵なサプライズも。
TVプロデューサーというのは、あの自転車ツーキニストの疋田智さんだったのだ。
たまたまお気に入りペンの変遷*4が、理由も含めて私とまったく一緒だったので、勝手に親近感が強くなった。自筆も写真に出ているのだが、その読みやすさに感動。お忙しい職業なのに手帳がミニ6穴という、本来「女性のバッグに入るサイズ」を使っているのは自転車(=荷物はできるだけ少ない方がいい)だから、という裏情報も。
人によって気に入るページは違うと思うが、文具好きなら必ず楽しめます!
私のアクション:ペンでオン/オフを切り替える
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読書日記:『日経ビジネスAssocie/2012年07月号』
※この本のメモはありません
*1:文具コンサルタント。AllAboutのステーショナリーガイドもされています
*2:プロダクトデザイナーの方は、いつでもどこでもアイデアが出せるように、ペンや紙にあえてこだわらないようにしているとか。そのためにペンも紙も多種類用意しているそうです
*3:当時はまだ入手困難だったそう