毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

「知っている」と「考える」は別もの☆☆☆☆

Chikirinの日記」といえば、はてなダイアリーでも1、2を争う超人気ブログ*1。そのエントリをテーマごとにまとめた本が何冊か出ていて、こちらは“自分で考える”がテーマ。
著者・ちきりんさんがどんな風に思考しているのか、そのやり方をくわしく学ぶことができ、興味深かった。


◆目次◆
はじめに
序 「知っている」と「考える」はまったく別モノ 
 プロ野球の未来について考えてみよう
1 最初に考えるべき「決めるプロセス」
 会議を重ねてもなにも決まらないのはなぜ?
2 「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと
 合計特殊出生率が上がっても少子化は止まらないです
3 あらゆる可能性を検討しよう
 日本にも格安生活圏が必要では?
4 縦と横に比べてみよう
 戦後経済の縦横比較から見える日本が進むべき道
5 判断基準はシンプルが一番
 婚活女子を見習おう!
6 レベルをそろえて考えよう
 生活者目線で霞ヶ関の組織図を書いてみた
7 情報ではなく「フィルター」が大事
 就活のための企業研究が無意味なワケ
8 データはトコトン追い詰めよう
 自殺の動機トップが「健康問題」ってホント?
9 グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する
 階段グラフで電気料金の大幅削減に成功!
終 知識は「思考の棚」に整理しよう
 世界の大事件、NHK、BBC、CNNはこんなに違ってた
まとめ
さいごに
参考文献

この本には、新鮮な切り口がたくさん用意されている。たとえば、7「情報ではなく『フィルター』が大事」では、海外の企業に勝てなくなった日本企業(たとえば家電メーカー)について、「与えられたフィルターの中で一番の商品を開発することには優れているのに、新たなフィルターを消費者に提示することはどうも苦手」という例が挙げられている。

ビジネスの世界では、この「新たな選択基準=新たなフィルターを提示する」ことを、「ゲームのルールを変える」といいます。
(中略)
自らルールを変えることなど思いつきもせず、従来のルールの中で必死に勝利を目指すのもひとつの方法でしょう。しかしそれは時に、果てしなき消耗戦につながります。自分たちが得意な分野で勝負ができるようにゲームのルールを変える工夫をしてこそ、努力が正統に報われる世界に持ち込めるのです。
(中略)
重要なことは、与えられたフィルターになんの疑問も持たず、そのまま受け入れて必死に頑張ることではなく、「自分(自社)独自のユニークなフィルターを見出し、それで勝負していこう!」という発想に転換することです(P168-169)。

これを読んで初めて、「ゲームのルールを変える」は戦略だったことに気づいた。よくスポーツの世界でも、日本が成績を上げてくると、自分たち*2に有利なようにルールを変えることがあるが、そもそも日本人にそんな発想はないから、馬鹿を見ることが多いのか。初めて納得できた。


「さいごに」で、ちきりんさんがなぜ自分の頭で考えるようになったか、といういきさつが語られている。
高校生の頃、数学の問題は先に答を見て、その解き方を丸暗記していたという。でも、そのやり方では通用しないと気づいたのは社会に出てからだった。

「知識」と「思考」をはっきりと分け、「知識」を「思考」にどう活用するか、ということを学ばないと、「知識を蓄えるだけ、覚えるだけ」になってしまうからです。そうなったら「考える力」はどんどん衰退してしまいます(P244)。

答を見ずに自分の頭で考えることを続けた著者の結晶がこの本なのだと思う。

日本で「頭がいい」というと、いろんなことをたくさん知っている=暗記が得意なタイプのことだが、本当の頭のよさはきちんと論理立てて考えられ、それをしっかり伝えられることだと痛感した。
そのための考え方が、この本には惜しみなく書かれている。
ちきりんさんの考え方のユニークさは、いくつか実際のエントリを読んでみればわかります。最近のものではマンションの地震保険とか意味不明が秀逸。

ちなみに、「おちゃらけ社会派」を名乗り、無職生活を謳歌*3するちきりんさんは、実はあの勝間和代さんの先輩にあたる方だという噂が。
そりゃあそうよね、本当におちゃらけていたらあんなすごいブログは書けんわ、と妙に納得してしまった。

というわけで、見た目のゆるさと違って中身は「マッキンゼー本」に匹敵する充実度。
先に読んだ深澤真紀さんの『ニュースの裏を読む技術』にテーマはよく似ているが、こちらの方がより“考える”にフォーカスされている。
これからの賢さを身につけるには必読の1冊です。
私のアクション:考えをまとめる時に「図化」「グラフ化」を使う
関連記事
読書日記:『ニュースの裏を読む技術』


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

「私は考えた」というのは(P34)

「私はあるインプットをもとに、何らかの結論を出した。ある考えに至った」という意味。
(中略)
「私は考えた!」と言って、「じゃあ、結論(=あなたの意見)は何?」と聞かれた時に、何も浮かんでこないのであれば、それは実は考えていない。

「考える」「思考する」とは(P37)

情報を集める作業でも、その情報の加工やグラフ化の作業でもない。「集めて加工した情報を、どのように結論につなげるかという決めるプロセス」のこと。
「思考」とそのプロセスは
情報収集 → 分析(加工&グラフ化) → 思考 → 結論の伝達

情報を見た時にまず考えることは(P42)

・なぜ?
・だから何なの?
のふたつ。特に数字の情報を見た時は必ず考える。

比較の基本は「縦」と「横」(P93)

いつも「縦と横に見る視点」が重要。
・縦=時系列比較=歴史的な観点でものごとを見る
・横=他者比較=国際的な視点でものごとを見る

本来の“就活”とは「自分にあった独自のフィルター」を見つけるための活動(P162)

ちきりん流「仕事の4分類」(P163)

・成長の仕事…ベンチャーや、中国やインド担当
・支援の仕事…弁護士や会計士、コンサルタントや銀行家などとして、経営者や実務者を側面支援する
・運営の仕事…工場や物流センター、テレホンセンターなど、実際のオペレーション担当
・再生の仕事…事業の立て直しや、そのための事業投資

図化やグラフ化を考えて細部まで明確にする(P215)

まず言葉で考えたことを、グラフ、図や絵にしてみる。この時抜け落ちていた部分が明らかになる。「不明確なまま残されていた思考部分」につして、図や絵などできれいに表現できるまで突き詰めて考えることで、ぼんやりとしていたアイデアが一気に具体化できる。

頭に「知識を整理するための思考の棚」を持つ(P224)

どの棚にどんな情報が入っていて、空いている棚はどんな棚で、自分はその棚にどんな情報を欲しているのかを意識しておく。

「頭の回転の速い人」とは(P230)

世間では、何かを見たり聞いたりした時に、すぐに気の利いた意見が言える人のことを「頭の回転が速い」と言う。しかし、実際にその場で考えているのではない。
待っていた情報が実際に手に入った時、彼らはそれを頭の中の思考の棚にまるで“ジグソーパズルの最後のピース”をはめ込むようにポンと放り込んだうえで、「その情報が存在したなら、こういうことが言えるよね」と、すでに考えてあった結論を、「思考の棚」から取り出してきている。
(中略)
さらに事前に「この情報があれば何がわかるか、何が言えるようになるか」を想定しておくと、「その情報を手に入れる価値」も判定できる。

「一度じっくり考えたこと」は知識よりも長く記憶に残せる(P238)

思考は知識よりも忘れにくい。だから「思考の枠組み」の中に知識を格納しておけば、長く忘れずにすむ。

*1:なんたって月間200万PVですよ。想像できない…

*2:主に欧米諸国でしょうか

*3:正確な表現を忘れましたが、確かこんな風に書かれていたと思います