それを知ることができるのがこの本。クライマックスシリーズから、今年のキャンプインまでのことが書いてある。
◆目次◆
はじめに 批評家は、いつも対岸を歩いている
第1章 監督ってなんなんだろう
第2章 伝える言葉。伝える感覚。
第3章 パ・リーグ優勝の真実
第4章 日本一に足りなかったこと
第5章 感謝をこめて
第6章 大谷翔平という夢
第7章 戦うためになにを準備すべきか
おわりに プロ野球選手はなんのためにプレーするのか
あの、日本シリーズ敗北の真相や、危険球騒ぎの時に栗山さんが考えていたこと、などがわかって面白かった。
日本シリーズは、巨人の橋上戦略コーチにしてやられた、というのが真相らしい。弱点を分析し尽くされていたという感覚があったそうだ。
もちろんもうひとつの目玉は大谷選手のことだろう。ドラフト会議の前から指名、入団までのことが語られている。
何を考えて指名を決め、入団交渉に臨み、入団に至ったのか。
それを読むと、いいチームに入ってよかったな、と思う。
自然というのは、手を加えてやったら、加えた分だけ返してくれる。すぐには返してくれないけど、いつか必ず返してくれる。3年前に蒔いた種が出てきたりだとか、2年前に肥料をあげた芝がとてもよくなっていたりだとか。でも、やっぱり時間はかかる(P193)
これが、監督としての原点だそうだ。種が選手。やっぱり、風土に合ったチームが育ち、そのチームに合った選手が育つのだ。
大谷ほどの才能を持った選手を、はじめからプロ野球の枠にはめ込んで、固定観念で決めつけるようなことをしてはいけない。われわれごときの判断で、彼の人生は決められない。自分で結果を残しながら、自分が行きたい方向に進んでいけばいいのだ(P214)
このチームと監督なら、きっと本人が納得できる選択ができるまで育ててくれるはず。
誰が読んでも楽しい、という本ではないが、プロ野球ファンならいろんな真相がわかって楽しめると思う。長年“伝える側”にいた人だからこその話もなかなか興味深いですよ。
関連記事
読書日記:『覚悟』
※この本のメモはありません