毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

自分に合った生き残り戦略を考えよう☆☆☆☆

藤原和博さんが、面白い本を出されていた。前に東洋経済オンラインで読んだ渡邉正裕さんとの対談みたいだな、と思ったら、あの特集の反響が大きかったので出版されたものだという。
さっそく図書館で借りて読んでみた。対談よりさらに進化した、とても納得できる内容だった。


◆目次◆
はじめに
序章 すべての人に共通する3つの条件―まずは3条件をクリアして「12.5人に1人」の人になれ!
第1章 [A]経済的価値×権力志向→社長タイプ―「力」を求める人の4つの条件
第2章 [B]経済的価値×プロ志向→自営業タイプ―「技」を求める人の4つの条件
第3章 [C]経済以外の価値×権力志向→公務員タイプ―「つながり」を求める人の4つの条件
第4章 経済以外の価値×プロ志向→研究者タイプ―「好き」を求める人の4つの条件
おわりに

この本の元になった特集はこちら
10年後に何が食えるのか? プロと考える仕事の未来――東洋経済オンライン

まず、4つのタイプを紹介する前に、まず「あなたは12.5人に1人ですか?」という質問がある。これをクリアしないと生き残れない、と藤原さんは言う。
といっても、特にむずかしいものではない(と思う)。

条件1 パチンコをするか、しないか 
「しない」で2分の1

条件2 ケータイゲームを電車の中で日常的にするか、しないか
「しない」で4分の1

条件3 本を月1冊以上読むか、読まないか
「読む」で8分の1
※巻頭カラーページから独自にまとめたものです

これをクリアできない人は、まずそこから変える必要があるそうだ。

次に、4タイプの説明がある。

4つの「価値観×志向」タイプ
A「経済的価値を重視し、権力(=サラリーマン)志向」の社長タイプ
B「経済的価値を重視し、プロ(=独立)志向」の自営業タイプ
C「経済以外の価値を重視しつつ、権力(=サラリーマン)志向」の公務員タイプ
D「経済以外の価値を重視しつつ、プロ(=独立)志向」の研究者タイプ
※巻頭カラーページから独自にまとめたものです

判断テストがあるわけではなく、読めば自分がどこに当てはまるか見当がつく。
Amazonの「クリックなか見!検索」にこのマトリックスが載っているので、見ればだいたいの感じはつかめると思う。右側(A、B)が経済的に優位で食える確率が高く、上(A、C)が企業や組織に属して安定性が高くなる。
だが、藤原さんはこれからはDのエリアに属する人が増えると考え、ここでいかに食えるようになるかを丁寧に教えてくれる。
もちろん、他の3タイプについてもそれぞれ1章ずつあててどこに力を入れるべきか書いてあるのだが、Dに比べてあっさりした印象だ。

Aは上昇思考、権力思考が強いやや古い価値観の持ち主で、『10年後に食える仕事、食えない仕事』でいう「無国籍ジャングル」、1%のエリートがこれに当たる。
Bは「食えるプロ」。一流になるために1万時間研鑽を積みましょう、というのが藤原さんの勧める方法だ。サラリーマンをしながらいかに1万時間を捻出するか、がアドバイスの中心。
Cは「組織に属してこそ活きる」タイプ。Bとはまったく逆のアドバイスが続く。組織から排除されない方法をいかに選ぶかが大切なのだ。会議や宴会は税金と思って参加しろ、というのが面白い。
Dは好きなことをやりたいがお金にならない、言わば「オタク」タイプ。藤原さんは好きなことひとつではなく、掛け合わせれば食える、とアドバイスする(くわしくは下のメモにあり)。
生き残るための策も切実だ。いかに親のスネをかじるかとか、一番いいのは「公務員タイプと結婚して食わせてもらうこと」だそうで、まさしくその通りの人生を歩んでいる私は苦笑してしまった。

さらに、この本のもうひとつの特徴として、実は「藤原流・極意まとめ」になっていることが挙げられる。
下のメモにも一部あるが、これまでさまざまな分野で実績を上げてきた、藤原さんの仕事のやり方が惜しげもなく書かれているのだ。これ1冊でまとめて読めるのだから、とてもお得な本だと思う。

 

自分はどのタイプなのか、またどこを目指せば幸福なのか、ぜひ読んで考えてみてください。
10年後に食える仕事、食えない仕事』の読後はこれは大変なことになった、と青ざめる感じだったが、この本は具体的なアドバイスがあるので、これをやればいいんだ、と前向きになれるのが救い。
私と同じDになった方は、一緒にBへの移行を目指しましょう。
私のアクション:掛け合わせる3つのスキルを考える
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これからの日本が見える東洋経済オンライン「10年後に何が食えるのか」を紹介した記事


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

2つの分野で「1万人に1人」、3つの分野で「100万人に1人」ならなれる(P20)

普通の人が「100万人に1人」「1000万人に1人」の人間になろうとしたら、何か別の戦略が必要になってくる。
「100人に1人」なら誰でも努力すればなれるということ。だったら、ひとつの分野ではなく、2つ、3つ、異なる分野で「100人に1人」になり、あとは分野そのものを掛け合わせればいいというのがポイント。
「100分の1」×「100分の1」×「100分の1」=「100万人に1人」と同じだけの超レアな人になることができる。
「100万人に1人」というのは…オリンピックのメダリスト級の存在。
(中略)
「100人に1人」は雑居ビルに1人のイメージ。「1万人に1人」は町に1人のイメージ。「100万人に1人」は世代に1人のイメージ。

藤原流、営業の極意――相手と見つけた共通点の話題で30分もつか(P74)

基本は、相手と自分の間にどれだけ共通点が見つけられるか。
さらに、見つけた共通点の話題だけで、会話が30分もつかどうか。
共通点の話題だけで話しが30分できれば、営業は成功する。人間は自分と共通点がある人に安心感を抱き、その人から商品を買いたいと思うものだから。
(中略)
相手との共通点を見つけ、その話題で30分、盛り上がる。相手が話したいことを思う存分に話させる。
これが人間関係を作るベースになる。

藤原流、交渉の極意――営業力+プレゼン力(P80)

相手の話を徹底的に聞き、共通点を探して相手に安心感を与え、相手の頭の中にある要素だけで話をする。
もし私が交渉の時間を1時間与えられたら、55分間は相手の話を聞くことに専念し、相手の頭の中にどんな要素があるのかを探る。
そして「A」と「B」と「C」が相手の関心事であることがわかったら、最後の5分間で、さっと「A」と「B」と「C」を使って説明して終わり。
プレゼンテーション同様、相手の頭の中にある要素で勝負するのが交渉。
要するに、交渉力は「聞く力」と言い換えてもよい。聞く技術を磨けば、自然に交渉力がアップする。