興味はあるものの、図書館ではなかなか借りられない状態のままタイミングを失っていたら、先日、家族が別ルートから借りて来た。
なぜかコピーライターの書いた本と相性が悪い私*1。でも、この本はつるつるっと読めた。
◆目次◆
はじめに 伝え方にはシンプルな技術がある
第1章 伝え方にも技術があった!
―なぜ同じ内容なのに、伝え方で「イエス」「ノー」が変わるのか?
第2章「ノー」を「イエス」に変える技術
―あなたがこれからする頼みごとに「イエス!」をもらう具体的な技術
第3章 「強いコトバ」をつくる技術
―感動スピーチも、映画の名セリフも、こうやればつくれる
おわりに あなたの宝の地図を見つけよう
著者・佐々木圭一さんにによれば、伝わる言葉はセンスではなく、技術だという。しかも、それは誰にでも習得可能なものなのだそうだ。
というのも、著者自身がコピーライターに誤って(?)配属され、苦しんだ経験を持つからだ。
ある日、伝わる言葉には技術があることを発見し、その研究に没頭。そこからはさまざまな賞を取ったり、作詞でオリコン1位に輝いたりの大活躍。
現在は大学の非常勤講師もつとめられている。
その、「伝わる技術」を惜しみなく公開したのがこの本だ。
具体的には「『ノー』を『イエス』に変える技術」7つの切り口と、「『強いコトバ』をつくる5つの技術」の2本柱だ。
「『ノー』を『イエス』に変える技術」は、相手にとってのメリットを増やすことで、「イエス」と言ってもらいましょう、というもの。
「ノー」を「イエス」に変える技術の答えは、相手の中にあります。……「お願い」は、あなたのコトバではなく、あなたと相手の共作なのです。あなたのハッピーと相手のハッピーをいっしょにつくりあげることなのです(P88)。
身近な例として挙げられているのは「好きな女性をデートに誘いたい時、どう言えばOKがもらえるか?」。著者のこの方法で成功したという男性が実際にたくさんいるそうだ。
「『強いコトバ』をつくる5つの技術」は、もう少し高度な印象を受ける。
これらを、わかりやすくワーク形式で説明しているので、誰でもこの形で文を作ることができる。
印象に残る言葉には、何か法則のようなものがあるんだろうな、とは思っていたが、ここまで来たらこれはもう「レシピ」だ。誰が作っても、一定の味が出せるようになっている。
あとは、繰り返し作って腕を上げるだけ。
もうひとつ、この本が他の本と違うのは、徹底的に相手の立場から考えていること。「相手がハッピーになれば、自分もハッピー」が貫かれている。そりゃあ、ここまで大事に思ってもらえたら、イエスと言ってしまうと思う。
もちろん、デートに誘う以外でも、ビジネスでもこの方法は使える。著者はこの方法でちょっとした奇跡を起こしたそうだ。興味のある方はぜひ読んで確かめてください。
著者によれば、“伝え方を工夫したらイエスと言ってもらえる確率が上がるのだから、伝え方をマスターすれば人生が大きく変わる”そうだ。
人生を変えたい人、コミュニケーションで苦労している人はぜひどうぞ。
私のアクション:飛ばされない「タイトル」づくりを練習する
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
コトバはもともと相手に届けるために作られたもの。どれだけ正しくても、届かなければ役割を果たしません(P45)
メールは感情30%増量でちょうどいい(P196)
感情がそぎ落とされるぶん、コトバで感情を30%増しにする。これで、手書きと同じレベルになる。具体的には、語尾に感情を加える。
書類をご確認ください。
↓30%増量
書類ご確認ください。
書類ご確認ください!
書類ご確認くださいねーー。
はじめ、書いてみると違和感が出る。「私のキモチより、ちょっと強すぎる」と。…だが、「コトバは相手のもの」という原則から、受け手にとってみると、30%増量でちょうど手書きと同じくらいのあたたかみになる。
*1:なんだか「自分に酔ってる」感がするものが多く、壁に投げつけたくなってなかなか最後まで読めません…