毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

息をするように分類する☆☆☆

 

この本のことは、ネットの紹介記事で見た。著者の石黒謙吾さんのインタビューで、サブタイトルの「頭の中にタンスの引き出しを作りましょう」に心惹かれ、図書館で借りて読んでみた。

内田和成さんの『スパークする思考』にあった「頭の中に引き出しを作る」やり方を、より具体的に教えてくれるのではないか、と期待したからだ。

ちょっとイメージと違い、とまどった。

 

◆目次◆
はじめに
第1章 そもそも分類ってなんだろう?
第2章 ロジックと具体例でひも解く分類脳
第3章 分類脳はこうして育てよう
第4章 この世の中はすべて分類でできている
第5章 分類脳が育ったプロセスの実例から
第6章 分類ができると、こうなれる!

著者は、雑誌編集者を経て出版や本のプロデュースなどに携わり、手がけた本は200冊以上という凄腕編集者だ。そして、またの名を「分類王」。
何でも分類してしまい、それももう趣味と言ってもいいレベル。あらゆるものを分類した本まで出版されている。

 

そういう人だからかもしれないが、そもそも「分類」に対する考え方がちょっと違う。

 この本を読む前のあなたは、たぶん「分類は目的に向かってするもの」と考えていると思います。しかし、僕が提唱したいことは真逆で、「分類そのものが目的」なのです。まずはこの発想の転換から(P3)。

何かのために分類するのではなく、まず分類してしまおう、ということをくり返し説いている。
分類するクセをつけることで、いろいろとメリットも増えるという。

 

著者の考える分類の定義は「俯瞰→細分化→抽出」だ。自分の好きな異性のタイプも分類によって導かれる。

 たとえば、急に嵐の5人の中で誰が好きかと訊かれてすぐに答えられるのは、自分の中に、人についての好みの基準や尺度があるから。それがないと分類はできない、逆に言えば分類をすることで、基準や尺度が明確になるとも言えます(P216)。

だから、くり返し分類することを習慣化するといいのだそうだ。

いきなり難易度の高いものは大変なので、まずは「自分の“好き”を分類」あたりから始めることをすすめている。

 「カワイイ」「ステキ」「グッとくる」自分の中に分け方の基準を作る

 これは人だけではなく、音楽や映画、食べ物、衣服、場所などなど、森羅万象まったく同じです。かっちりと理由付けにまで至るのが最初は手こずるかもしれませんが、まずは考えられる要素をいくつかの方向に分類して、どれが自分に響いたのか、言語化していくクセをつけていくのです(P25)。


分類できるようになると、決断スキルがアップする。自分の中に価値基準、という判断材料ができるからだ。また、瞬時に決断することを心がけていると、頭が活性化するなどの地アタマがよくなる効果も期待できるそうだ。

……実は、一番重要なのは、「自分の中にロジックができる」ということ(P207)。

著者のいう「分類」は、優先順位にも直結する。著者が同時にたくさんの案件を進められるのは、「分類」の賜物だという。
こんな風に「分類脳」になるといいことがいっぱい、というのがこの本の主張なのだが、一般的な「分類」とはちょっと違うので、うまく飲み込めないまま読み終えてしまった…というのが正直なところ。
自分の感覚だと、「分類」と言うよりは「仕分け」と言われた方がしっくり来るような印象だ。

 

意外な副効用としては、仕事術としての分類方法が役に立ったこと。
著者はとにかく分類が好きなので、PC上のフォルダもメールも、完璧に分類されている(メールフォルダが、何と約200個も!)。
そのポイントなどが面白かった。引っ越しの荷造りが苦手な人は、分類が下手、という話も耳が痛い(下のメモに要約があります)。

 

なぜ頭に入りづらかったかというと、予想よりはるかに「柔らかい」書き方の本で、苦手な「コピーライター臭」*1が漂っていたせいと思われます。
インタビューではそんな感じしなかったんですが。すみません。

 

そういうことに抵抗のない人には、面白い本のはず。すべての事象をとにかく分類できる、というのは才能だし、いかにして「分類王」になったか、という第5章のアルバイト経験の話や、雑誌記事のチャート化の話などにはヒントがある。
繰り返しやってきたことが訓練になっている、ことも読んでいるとよくわかる。

 

読む人を選びますが、上手に利用して、頭をしっかり使いたい方はどうぞ。
私のアクション:まずチャートを思い浮かべて考えるクセをつける
■レベル:離 著者独自の方法なので、まず基本を知りたい人には不向きかも

 

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

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*1:「オレってイケてるでしょ?」みたいな感じがするんですよね、なぜか。あなたの女性の好みのタイプを延々説明されても興味が持てない、野球好きでもちょっとお腹いっぱいな野球のたとえ、(笑)の多用、ダジャレを熱く語りすぎ、などなど。「マジで壁に投げつける5秒前」まで行きました…