観照を身につける(P34)
※観照とは、頭が欲望に沿って働く様子を客観的にチェックすること。
頭が働いていること、仕事をしていることに気づき、それを俯瞰的に観察すること。
「集中→気づき→棚上げ」の3つの手順のうち、「気づき」がこの観照の作業。
観照の腕を上げるには(P34)
「自分の頭は、今どんな欲で動いているのか?」をチェックすることが、一番よい練習になる。
頭に浮かんだ考えの、元にある欲を探ってみる。
例)「お腹が空いた」と思ったら、「この考えのもとになっているのは食欲だ」と、元欲をつきとめる。
「自分の意見を否定されて腹が立つ」と思ったら、「この考えのもとになっているのは、人から認められたいという欲だ」と元慾をつきとめる。
自分の失敗やトラブルを客観視できるようになる(P54)
以前なら落ち込んでいたようなことでも軽やかに対処できる、しなやかな心が養われる。うじうじと悩んだり、イライラと神経をとがらせたりすることがぐんと減り、明るく朗らかな性格に変わる。
睡眠の質が上がる(P55)
瞑想をすると、睡眠中の作業(作業スペースに積み上がって記憶のデータを整理・収納している)を前倒しで済ませておくことになるため、睡眠中の作業量が減る。その結果、脳がしっかり休息できる「熟睡」の時間が長くなる。
瞑想が上達すると、短い睡眠でも、ぐっすり眠ったのと同じくらいすっきりと爽やかな目覚めになる。朝、充分寝たはずなのにまだ眠いことがあるのは、頭の中の情報量が多すぎて整理整頓が終わらなかったケースがほとんど。
冷静に、素早く、正しい判断ができる力がつく(P56)
ほとんどの場合、判断力を鈍らせているのは「失敗したくない。ダメな人だと思われたくない」「もしかしたら、自分が得をできるかもしれない」「あわよくば、嫌な事態を避けられるかもしれない」といった自分の強欲だからだ。
「雑念が多く、なかなか無思考の状態になりません」という質問に答えて(P141)
自分の思考を「雑念」という捉え方をしていると、それはなかなか消すことができないかもしれない。どんな考えも、頭にとっては「雑念」ではなく、ひとつの大切な思考。「取るに足らない雑念」と判断してしまわず、「実は何を考えているのか」「なぜ、いつまでも棚上げできないのか」と俯瞰的に見ることを心がけよう。
気づくことも棚上げもできているのに、「次々と出てくる雑念が多い」と感じる場合は、大量の思考の種が頭の作業スペースの上に山積みになっている可能性がある。
その場合は、休憩を挟んで瞑想を2本か3本やるとしっかり片づく。