家族が借りてきた本。面白いよ、というので読んでみた。“潜在意識を味方につける”って何だろう、というのが一番の関心だったが、なるほどね、と納得の内容だった。
◆目次◆
はじめに
Prologue 自分を変える習慣力
Chapter1 習慣化への4ステップ
Chapter2 潜在意識を味方につける
Chapter3 頑張らなくていい理由
Chapter4 習慣は才能を超える
Chapter5 スイッチとなる習慣の見つけ方
Chapter6 仕事・生活習慣の磨き方
Chapter7 人生を根本から変える習慣
おわりに
著者はコミュニケーション力を特に重視するコーチ。個人セッションもされているが、人材育成や組織など企業のコンサルティングの方が実績がありそうな印象だ。
本書で著者が伝えたいメッセージは次の3つ。
- スイッチとなる習慣を1つ見つけ、それを習慣化することであなたの人生は変わる
- 潜在意識の特性を理解し、セルフコーチングを応用すれば、習慣を身に付けるのに固い意志は必要ない
- よい習慣を身に付けることによって、あなたの脳の力までもが向上していく(P21)
何かを変えよう、いい習慣をつけよう、と思っても「3日坊主」で終わってしまうことの方が圧倒的に多い。
著者は、それは潜在意識の働きを知らないからだ、と書いている。潜在意識のしくみを知ってうまく使えば、がんばらなくても必ず習慣化できるという。
むしろ、がんばることは潜在意識の抵抗を生むのだそうだ。
このあたりは、先日読んだ茂木健一郎さんの『「すぐやる脳」のつくり方』に書いてあったこととほぼ同じだろう*1。
「脳の抑制機能が働いて、“すぐやる”ことはむずかしい」と茂木さんも書かれていたが、この本では「大きな変化が起きそうになると、潜在意識がブレーキをかける」と説明してあった。つまり、潜在意識の抵抗が起きないよう、潜在意識を安心させながら徐々に習慣化することがポイントになる。
ベイビーステップがいい、というのはこういう理屈だったのだ。
また、習慣化を成功させるには、「本当の目的」を知ることが重要だそうだ。著者自身の経験では、太りすぎたからダイエットでもしようかな、ではなかなか行動が伴わなかったのが、本当の目的をセルフコーチングで探っていった結果、“子どもたちのために”という真の目的にたどり着いたという。それがわかったとたんスイッチが入り、3か月後に10キロ減量(しかも現在もリバウンドなし)という素晴らしい結果になったそうだ。
この、本当の目的を確認するためのステップ(自分でできます)(P82)が素晴らしい。
自分を掘り下げるというワークは何度かやったことがあるが、これを習慣化と結びつけて考えてある本は初めて。実際にやってみたところ、確かに私にもスイッチが入ったような感覚があった。
このためだけでも、この本を読む価値があると思う。
前半は、潜在意識と習慣化についてていねいに説明されているのでとても面白い。一方、後半は早起き、ダイエット、コミュニケーションのコツなど、いろんなことを広く浅く網羅してある印象で、ちょっともの足りなかった。
個人的には、ダイエットに関する情報は役に立つかな、という程度。
さまざまな知識を一通り押さえたい、という人にはいいかもしれない。
とはいえ、適度にチャレンジすることで脳力がアップする、という著者の解説は心強い。どの程度負荷をかければいいのか、ということも具体的に出ているので、興味のある方は読んでみてください。
私のアクション:ハイパワーポーズで自信UP!
■レベル:守
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
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*1:茂木さんは「がんばる時に使う脳の回路は消耗しやすいので、疲れてしまって習慣化しにくい」と書かれていました