知っていることと初めて読んだことが半分ずつくらいで、楽しく読めた。
◆目次◆
はじめに 結果を出せるビジネスパーソンは「すぐやる脳」を持っている!
1 「すぐやる脳」と「ぐずぐず脳」
2 リスクを取って「すぐやる脳」に!
3 「安住しない人」が未来の成功を手に入れる!
4 脳をやる気にさせる「自律」のメカニズム
5 仕事の速度をアップする脳の使い方とは?
6 「すぐやる脳」に変われば人生がガラリと好転する!
おわりに
すぐ動けない人の原因を脳科学的に説明すると
それは意外なことに、脳が正しく働いているためなのです。
すぐに動けない人とは、脳の前頭葉が指示通りに機能して、抑制が効いてしまっている人のことです(P16)。
つまり、何らかの形でこの「抑制」を外さないと、「すぐやる脳」にはならないというのだ。
抑制を外すための工夫やコツを教えてくれるのがこの本。
「すぐやる脳」になるには、ある程度「考えるより前に動く」ような、瞬時の反応が必要になる。
そのために茂木さんが勧めているのがウォーミングアップしよう、などと考えずにすぐに始めること。これを茂木さんはタイガー・ジェット・シン方式と呼んでいるそうだ(くわしくは下のメモにあります)。
1秒で切り替える、作業中に話しかけられたらすぐに対応するなど、パッと切り替える訓練をすることも大切だという。
また、「がんばらない」ことも「すぐやる脳」になるためには重要だという。「がんばる」ために使う脳の回路はエネルギーを使うため、すぐに疲れてしまう。このため「がんばる」回路は習慣化にあまり向いていない。習慣化するには、「何気なくやる」ことがポイントだとか。
ほかにもフロー状態を自分で作り出すコツや、自分と対話することの重要性など、面白い話がいろいろあった。
中でも一番印象に残ったのが、超多忙な茂木さんを支える「やわらかいToDoリスト」の話。つまり、頭の中でToDoリストを作り、臨機応変に対応していくのだという。茂木さんはそれこそ1秒単位でめまぐるしく変えているそうだが、やり方がわかれば私たちにもある程度はできそうだ。
一般的なToDoリストは、書き出して優先順位を決める。そして、その順序にこなそうとする。茂木さんはその方法だと柔軟性がないと指摘する。今していることは目の前のひとつだが、脳は常に無意識下でほかのことも考えているという。パソコンで今見ているウィンドウ以外にも実はたくさん開いていて、瞬時に切り替えられる、というのに似ているかもしれない。
つまり、やわらかいToDoリストとは、より脳の特性を活かす方法なのだ。
コツは、「映画のように流れをイメージすること」。
試しにやってみたら、なかなか面白かった。以前あるセミナーで「メンタルリハーサル」*2なるものを学び、しばらく取り組んでいたからそのおかげかもしれない。
個人的な感覚かもしれないが、ToDoリストにしようとすると「行動を一度言語に置き換える」作業が必要だが、イメージングならそのプロセスがないので、よりスムーズにできる印象だった。
「すぐやる脳」の最大のメリットを、茂木さんはこう書かれている。
生きていく上で一番重要なその「元気の源」を探し、手に入れて、社会に共感の輪を広げていくための武器、それこそが「すぐやる脳」なのだと私は思っています(P196)。
自分も元気になるし、それがほかの人にも役立つなら最高だ。
何より、「すぐやる脳」の素晴らしさは、茂木さんが体現されている。
ぐずぐす動けない自分を何とかしたい、という人はぜひ読んでみてください。変われるきっかけが見つかります。
私のアクション:「やわらかいToDoリスト」を継続する
■レベル:破 ある程度、基本的な本を読んでからの方がより深く読めると思います。
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
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