毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

『仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方』メモ

ワーキングメモリと「注意」の関係(P23)

「注意」とはモノをつかむことができる「腕」であり、ワーキングメモリで覚えている状態とは、その腕につかまれている状態。
そして肝心の「腕」は7本ないし4本前後しかない。

「確実に覚えた」は錯覚(P25)

注意を向けて「腕」でしっかりつかんでいる間は「確実に覚えた」と強い実感が湧く。その感覚は、長期記憶として覚える「覚えた」感覚と変わらない。
これが「さっきまではっきりと覚えていたのに、いつの間にかド忘れしていた」というミスが起きるメカニズム。

どうやったら忘れないようになるか、ではなく、どうやったら忘れっぽい自分をカバーできるか(P31)

この発想の転換ができるかがカギ。

「がんばって記憶しておこう」という努力が、実はワーキングメモリという限られた資源を圧迫している(P40)

「外部記憶補助」を使え(P43)

アメリカ人の心理学者が、多種多様なカクテルの注文をバーテンダーがどうやって記憶しているのか調べた。
バーテンダーは注文が入るとあらかじめ決められたグラスを目の前に並べることで注文を「メモ」していた。さらに最初から入れていい材料は、忘れないうちにグラスに入れていた。
バーテンダーは、グラスやそこに入れられたものを見ることで、記憶を呼び出していた。記憶を思い出すきっかけを与えてくれるものを「外部記憶補助」という。上司に頼まれごとをされた時、関連資料をとりあえず机の上に出しておくだけでも「メモ」になる。

「不安」や「心配」があなたの注意を奪っている(P81)

アテンションミスを頻発する人は共通して「腕」の浪費家。無駄遣いしすぎて充分な数の「腕」が残っていない。

チェックリストのススメ(P92)

パイロットは、アテンションミスが生死に直結する。どれだけベテランの貴重であっても膨大なチェックリストに沿って仕事をこなす。
経験を積めば注意を割くべきポイントがわかってくるが、毎回記憶に頼っているようでは、思い出す行為がワーキングメモリを圧迫してしまう。

海外出張が多いなら、「出張持ちものリスト」を作る(P93)

1回作ってしまえば、「何か入れ忘れた気がする」というソワソワした気分(=ワーキングメモリの無駄遣い)がなくなる。

注意の方向を変える(P95)

著者が出版社にいる時、校正でチェックミスが多く、怒られた経験あり。
校正に必要な注意力は、ふだん本を読む時に使う注意力とは根本的に違う。
校正をする時は、あえて内容を追わず、文脈を気にせず、ただ目の前の文字に注意を向けるようにした。一度にすべてやるのではなく、注意を向けるところを変えた。
「漢字の誤植を探すモード」「数字の間違いを探すモード」「図版の間違いを探すモード」「文章の流れを正すモード」と、毎回眼鏡を変えていく感覚。

「すぐやる」がワーキングメモリを解放する(P98)

「すぐやる」とは余計なことを考えず、行動に移すこと。考えれば考えるほど、不安やリスクファクターが生まれ、ワーキングメモリがいっぱいになってしまう。

行動に移せば必ず何かしらの反応や結果が生まれる。その結果をもとにまた行動を起こしていく。そうすることでワーキングメモリを浪費せず、注意をフルに使えるようになる。

未完了事項を完了させる(P99)

「人は中途半端な状態のものほど記憶に残る」といわれている(=「ザイガルニック効果」)。
「気になる」状態とは、注力を奪っている状態。アテンションミスを減らすには、中途半端な状態をできるだけなくす。

「人生のToDoリスト」を作る(P101)

年に1回か、半年に1回、気になっていることややり残していることを「未完了リスト」として紙に書き出し、完了予定日を設定して片っ端からやる。
書き出して結局今はやらない、という判断でもよい。何らかの決着をつけ、気になることをひとつでも減らすことができれば、それは必ずアテンションミスを減らしてくれる。

マルチタスクは注意力を浪費する(P103)

1日に何度もタスクを切り替えると、そのロスはかなりの量になる。
自分でコントロールできる範囲で、シングルタスクを心がける。

ゾーンに入る6つの方法(P106)

1.ルーチンを決める
2.集中しやすい環境を整える
3.やる意義を明確にする
4.やることを明確にする
5.タスクの難易度を調整する
6.似たタスクをまとめる

アテンションをコントロールするのはワーキングメモリの無駄遣い(P113)

脳には2種類の思考回路がある(P188)

脳が勝手に答を出す「速い思考」と、じっくり考える「遅い思考」。
「なぜあんな判断を…」と後悔する時は、たいてい「速い思考」のしわざ。
反射的に答が思い浮かぶのは、動物としてのサバイバルに必要な機能。しかし、「速い思考」は判断を間違えることがあるし、直前に得た情報に左右されることも。「速い思考」が頼りにするのは記憶なので、記憶自体に偏りや誤りがあったり、情報が不足していれば、間違った答を出してしまう。

感情的になると「遅い思考」の検証ができなくなる(P193)

「遅い思考」の精度を上げるためにはワーキングメモリが充分に確保されていることが重要だが、感情が揺さぶられると大量に消費してしまう。
・「今買わないとなくなってしまう」といった不安や焦り
・「ケチだと思われたくない」という見栄やプライド
・「この人が言うんだから間違いない」といった過剰な信念や義務感
・「こんな美味しい話はめったにない」といった欲
こうした感情が大きく動くと、「遅い思考」はうまく動かない。いわゆる「冷静に考えられない」状態。感情は論理的な思考にとって強敵。

自分がふだん下している判断の大半は「速い思考」に任せっきりであることを自覚し、「遅い思考」を常に発動させられるようにしておく(P207)

感情は極めて本能的な反応なので、抑え込もうとしても無意味(P210)

大事なのはその反応が起きた時に「あ、いま意識の矢印が自分にだけ向いているな、ワーキングメモリが一杯だな」と、感情的になった自分を眺められること。

「今、自分はこう考えている。確信めいたものもある。ただ、人の脳はミスを犯しやすいが、どこか間違っているかもしれない。もしそうだとしたら、それはどこだろう?」と考える癖をつける(P217)