著者・冨山真由さんのことを知ったのは、昨年末、あるネットの記事だった。
“年末に1年を振り返り、来年の目標を立てる”という趣旨のものだったのだが、説明がとてもわかりやすかった。それで、著書があれば読みたい、と検索してヒットしたこの本。
期待を裏切らない、わかりやすい内容だった。
◆目次◆
まえがき
CHAPTER 1 感情に振り回されずに、行動しよう〜行動ができなくなる理由とは〜
CHAPTER 2 自己肯定感を上げて行動力をアップしよう〜素敵な女性はなぜ憧れの存在となるのか?〜
CHAPTER 3 「行動」を「コントロールする」コツを知ろう〜自然と動きたくなるヒントを学ぶ〜
CHAPTER 4 行動を続けて「良い習慣」をつくろう〜「見える化」が継続のカギ〜
CHAPTER 5 習慣化にチャレンジしよう〜三日坊主にならないためのコツとは?〜
あとがき
冨山さんは行動習慣コンサルタントとして活躍されている。私も何冊か読んでいる、行動科学マネジメントの第一人者・石田淳さんのお弟子さん(?)に当たる人だ。
この本では働く女性向けに、自分の行動を変えて「なりたい自分」になる方法を順を追って教えてくれる。
本書でお伝えしたいのは、「あなたの夢や目標を実現するために、ちょっとずつ『行動』に変化を起こしましょう」ということ。
あなたの人生は行動の積み重ねです。
言い換えれば、「行動が人生を変える」といえます(P12)。
この「ちょっとずつ」が、本当に「ちょっと」で拍子抜けする。
しかし、これは著者自身が弱点*1を克服するのに実際に使った方法なので、効果は保証済み。
目標を小さく分け、適切なゴールを決め、できたらごほうび。できなかったらペナルティ*2。これを繰り返していけば、思い描いた「なりたい自分」になれる。
「細かく分けて、できたらごほうび」というのは、本当に動物に芸を仕込むのと同じ。
そして、自分で自分をほめるのも大きなごほうびになるという。
人間も動物なんだなあ、と妙に感心した。
ゴール設定の方法にも大きなヒントがあった。
「目標を具体的にする、客観的に見られる数字にする」というのはお約束だが、ここにも落とし穴が。
たとえばダイエットをする時、目標を体重にしてしまいがち。でも、これだと思うように減らなかった時にモチベーションが下がってしまう。
ゴールの数字は「達成すること」ではなく、「行動したこと」にすればいいのだそうだ。
ダイエットで走るなら、ランニングで走った距離や時間、週に何回走ったか、などを目標にしておく。たとえば週に3回走ると決めておき、3回走れたらごほうびに好きな○○を食べるなどにすれば、習慣になりやすい。
行動するための方法は今までもいろんな本で読んできたが、このあたりの解説が具体的でとてもわかりやすい。これならすぐできそうだし、挫折しにくいと思う。
個人的には「ライバル行動」という言葉が印象に残った。
「ライバル行動」とは、身につけたい習慣と敵対する行動のこと。
たとえば、読書習慣を身につけたいなら「スマホ」「テレビ」「飲み会」などが「ライバル行動」になる。
「ライバル行動」に流されないためにどうするか、を考えられれば身につけたい習慣に近づける。
スマホに時間を侵食されないために「電源を切る」とか「物理的に手に取れない場所に置く」、などの手段はいろんなところで見てきたが、「ライバル」と考えたらわかりやすい。
自分の時間が1時間ある時、それを「身につけたい習慣」と「ライバル行動」が奪い合っていると考えれば、両方やるのは無理だし、スマホを手に取ったらあっという間に貴重な1時間を消費してしまうことがイメージできる。
「ライバル行動」という言葉が行動科学の正式な用語なのかはわからないが*3、私にとってはストンと腑に落ちる、ありがたいものだった。
組織で働く若い人が対象のようだが、紹介されている事例は管理職の男性なども出てくるので、若い女性以外にも充分役に立つと思う。
いちから行動科学のプロセスをやってみたい人にはよさそうだ。
自分を変えたいけど何からやっていいかわからない人、やり始めても続かない、挫折してしまうという人はぜひ読んでみてください。
私のアクション:TODOリストを作る時、先に「今日やらなくていいこと」を決める
■レベル:守
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
※メモは近日中にUPします
関連記事