人間は、他の動物同様に狭い空間を好む(P31)
なぜなら、人間は境界を好むから。境界が引かれることが人を支え、集中力を高め、パワーを集約させる。広すぎる空間は――自然空間ではなく居住空間の場合――私たちのエネルギーを減らし、分散させる。
自分のエネルギーを浪費せず満たす暮らし方(P35)
私たちは一生涯を通して、自分のエネルギーを蓄え、使い、または浪費している。家の広さも含めて、物質的なものとの関わりを減らしていくことは、エネルギーを蓄えることにつながり、そうすることで安らかな気持ちが訪れる。
(中略)
……私たちは居心地のよい「巣」のような狭い空間で精神のバランスを取り戻し、やる気が起きるようになる。
孤独は私たちに「自分から逃げ出さないこと」さらには「自分の人生のオーナーになること」を教える(P51)
誰にも代わってもらえないが、自分自身であり続けることを学ぶチャンス。
自分を満たすためには、まずは自分を取り戻すことから始める(P60)
そのために、ひとりになれる自分のためだけの時間を持ち、そこで自分の「調整」を行う。
(中略)
すると、自分が誰かの「分身」ではなく、何かのグループの一員でもなく、完全に「一個人」になっていることに気づく。
自分の幸福の一端は自分自身の責任(P158)
贅沢とは、まずはほがらかに生きること。軽快にゆとりある生き方をすること(P159)
一時一時を充実させ、ゆっくりと、悩まず、無理な要求なしに生きること。
考えが柔軟であるほど苦しみは軽くなる(P212)
「永久なものは何もない。すべてが変化していく」
変化に順応できることがよく生きるためのポイント。
<ことば>
ジャン・ルイ・セルヴァン・シュレペール(フランスのジャーナリスト、エッセイスト)のことば(P26)
時間は、買うことも、盗むことも、保存することも、増やすこともできません。
時間はこの世に存在する最も貴重な資源、
なぜならば再生不可能だからです。
私たちは、時間よりもむしろ金銭の使い方について真剣に考えまずが、
金銭は再生可能です。ところが時間は取り替えがききません。
「ものが少なければ、禍いも少なし」(P46)
※昔、日本で言われていた言葉
ヘンリー・D・ソロー『ウォールデン 森の生活』より(P71)
私が森に行って暮らそうと心に決めたのは(中略)、
生きるのに大切な事実だけに目を向け、
死ぬ時に、実は本当に生きてはいなかったと知ることのないように、
暮らしが私にもたらすものからしっかり学び取りたかったのです。
私は、暮らしとはいえない暮らしを生きたいとは思いません。
私は、今を行きたいのです。私はあきらめたくはありません。
私は深く生き、暮らしの真髄を吸い尽くしたいと熱望しました。
オスカー・ワイルドのことは(P83)
生きるとは、この世で一番稀なことだ。
たいていの人は、ただ存在しているだけである。
マハトマ・ガンディーのことば(P165)
われわれには生活のリズムを早めるよりも、
ほかにもっとやるべきことがあるはずです。
老子のことば(P269)
白雁は白くなるために水浴びする必要はない。
あなたも自分自身でいること以外に何もする必要はない。
セネカのことば(P210)
先延ばしをしているうちに人生はどんどん逃げ去ってしまうのだから。