タイトルに率直に驚いた。「えー、そんなことできるの?」と思って読んでみた。
その答は、「やりようによってはできます」。そのやり方を教えてくれる本だった。
◆目次◆
プロローグ
第1章「好きなこと」を増やすだけで、あなたの人生は大きく変わる
第2章新しいアイデアは、必ず「好きなこと」の中から生まれる
第3章伝え方一つで、「ダメ」なアイデアも「いい」アイデアに変わる
第4章「うまくいかないときにどうするか」が、好きなことをし続けられるかを決める
エピローグ
ほとんど本のタイトルだけで読んだので、失礼ながら著者・角田陽一郎さんについては今回初めて知った。
元TBSプロデューサーで、「さんまのスーパーからくりTV」や「金スマ」などを手がけた後に独立。現在は「バラエティプロデューサー」として活躍されている人だ。
「好きなことだけをやる」ための第一歩は、「好きなことを増やす」こと。そうすることで選択肢が増え、「好きなことだけやればいい」確率が上がるという。
ここだけ読めば「バカにしてるのか!」と怒る人もいそうだが、“ものの見方を変える”ということだろう。
たとえば、今やっている仕事が好きになれない場合、その中でも好きなところはないか探したり、好きになるのに足りないものは何か考えたりするといいそうだ。
さらには、自分が嫌いなものにどんな先入観を持っているかチェックすると、案外嫌いじゃなくなる場合も。
「好きなことを増やす」コツは、
- 面白がる
- 自分ごとにする
の2つ。
1は、たとえばピンチに陥った時に「おいしい」と思えるようなバラエティ思考を持てるか。
2は、言い換えれば「当事者意識を持つ」こと。
働く人の意識は「当事者意識」「お客さん意識」「被害者意識」の3つに分かれるという。
著者によれば、成功する人はみんな「当事者意識」を持っている人だとか。
自分のことだと思えば、無関心ではいられなくなり、興味が湧く。興味が湧けば、だんだん好きになってくるのが人間の心理の面白いところだ。
「好きなことをやっていなければ生き残れない」という言葉には衝撃を受けた。
これだけSNSが普及してくると、今までは信頼の根拠が「企業が発信しているから」だったのが、「個人が発信しているから」(そこにウソはない、お金儲けなどの裏がない)に変わってきているという。
そして、それには「好きでやっているから」が必要になるのだ。仕事だから仕方なく取り組んでいる人と、好きだから発信せずにはいらなれい、というスタンスの人、どちらを信頼しますか、となれば、答は明らかだ。
発信する方法として、「自分のプライベート(=内向きの意見)をパブリックにしないと、コンテンツにはならない」という言葉も印象的だった。
映画『君の名は。』を見た時にTwitterなどで感想をツイートした著者。ほぼ同時期に糸井重里さんが書いていた文章を見て、差を感じたそうだ。
糸井重里さんの文章は、完全にパブリックなものでした。
プライベートな自分の想いを綴っていながら、他人も共感できるパブリックな文章に仕上がっているのです(P186)。
※気になって調べてみましたが、ほぼ日の「今日のダーリン」だったのではないでしょうか。バックナンバーはないので、残念ながら確認できず。この「プライベートな思いを他者が共感できるパブリックなものにする」という考え方が、これからの表現には必要だと感じた。
ギョーカイっぽい話も多いし、例として登場するさんまさん、西野亮廣さん、水道橋博士さん、といった顔ぶれに抵抗を感じる人もいるかもしれない。
でも、どんな世界でも結果を出している人の言葉には学びがある。しかも伝えるプロなので本の作りが読みやすく、楽しく読めるようになっている。
ひとつひとつのテーマにタイトルがついていて、それだけ拾って読んでも大まかな内容はつかめる、とても親切な本だと感じた。
気軽に読めるので、堅い本が苦手な人ほどおすすめです。
私のアクション:本を読んだら感想をいくつかツイートし、それをつなげてブログの記事を書く*2
■レベル:守
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
※メモは近日中にUPします!
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※こちらは『世界ふしぎ発見!』放送作家の本。「面白がる」「自虐ネタをうまく使う」などが共通しています