毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

脳科学者が見た「成功する人」の処世術☆☆☆

 

「好きなことだけやって生きていく」という提案』巻末の広告を見て、読んでみたくなった本。
中野信子さんは情報番組でコメンテーターをされているのを何度か見かけて興味を持ち、「情熱大陸」も見たが*1、意外にも著書を読んだのは初めて。

以前から「ものすごく頭がいいのに、嫌な感じがしない人だな」と思っていたら、その答が書いてあった。

 

◆目次◆
プロローグ 
CHAPTER1 「世界で通用する人」はどんな人か?
CHAPTER2 「世界で通用する人」が心がけていること
CHAPTER3 「世界で通用する人」のスケジュールの立て方
CHAPTER4 「世界で通用する人」の自己分析と自己改造
CHAPTER5 「世界で通用する人」に近づくために
エピローグ

ご存知の方も多いと思うが、中野さんの経歴を書いておくと、東京大学大学院卒業後、フランス原子力サクレー研究所に勤務されていた。
さらに、IQが世界で上位2%の人しか入れないMENSAという組織の会員でもある。

 

この本は「世界で通用する」の通り、フランスの研究所時代の同僚のエピソードが多い。各国を代表するような優秀な人が集まってくる組織だったそうで、それでも順調に成果を挙げていく人と、残念ながらそうなれない人がいたという。

特にチャプター1と2は、いかに相手の懐に入るか、いかに敵を味方につけるか、または敵対する相手とチームとしてやっていくかなどなど、高度な人心掌握術のようだ。
いろんな国の人と一緒に仕事をするには、あうんの呼吸とか言外の意味をくみ取ってほしい、といったことは不可能だ。文化の違う人とうまくやって行くにはここまでするのか…と驚いた。
日本で普通に働くならそこまで求められることはないだろう、と感じた反面、これは高度な世渡りの術だと思う。できれば抜きん出た人になれそう。

共通するのは、自分をよく知って、活かす手段を選ぶことや、相手のことをよく見て関係を良好にしておくなど。
どれも観察力や分析力が必要なので、やっぱり頭のいい人だからできることだ、とも思うが、やさしい書き方から「自分にもできるかも」と思えるのがこの本の特徴だと言える。

 

印象に残ったのは、自分が飽きっぽいことを知っていて、うまくそれを利用できるよう工夫していた人の話。仕事に飽きないためにたくさんの趣味にも没頭し、つき合う女の子もあえてひとりには絞らず、常に新鮮な気分で取り組めるようにしていたとか*2
そもそも、脳が飽きっぽい性質なのだから、ある程度仕方ないのかもしれない。

 

著者は「集中力を身につけるという発想は捨ててほしい」とも書いている。

「集中力をつける」ための意味のなさそうな努力を一生懸命するよりも、脳が集中しやすい環境作りをすることのほうが、ずっと簡単で効果的なのです(P171)。

視覚や聴覚を刺激するものを遮断する、快適に過ごせる状態にする(服装や温度、椅子の座り心地など)といったことで集中できるようになるそうだ。

これに加えて、そもそも「飽きっぽいのは当たり前」と受け入れて、飽きたら違うことをするようにすれば、もっと結果が出せるのではないだろうか。

 

さらに、「見た目を大切にする」という話。
中野さんは20代の頃、見た目でいろいろと嫌な思いをしたのだそうだ。
中でも衝撃を受けたのは、院試(大学院入試)の面接の裏話。

ご自身が院試を受ける頃に、ある大学で准教授になった知人が
「教授たちは、受験してくる女の子が美人だったら満点をつけている。受験生の話なんか聞いてない」
とポロッと話したという。

もちろんすべての面接がそうではないだろう。ただ、外見の印象が悪ければ、いくら研究内容が素晴らしくても評価が悪くなるかもしれない。そしてそれは、院試に限らない。
「実力が同じなら、外見がいい方が勝ち」なのだ。
そこで中野さんは、教授たちが求める学生像を考え、シンプルで清潔感のある外見にしたそうだ。

 

中野さんはおそらく、その後もご自身が「感じよく、魅力的に見える」ことを重視されているのだと思う。
もともと大学時代に、東大生で、しかも理系で、「やり込められそう」「スキがない」といった先入観を持たれやすいのに、実際に会った時に威圧感があったら、いい印象を持ってもらえないのも当然、と書かれていた。
そういう前提の上で「見た目は重要」だという言葉には説得力がある。

私が最初の頃、中野さんに対して感じた印象はそういうことか、と納得した。
情熱大陸はずいぶん前だったので今は違うかもしれないが、当時はテレビ出演の時のヘアスタイルはウイッグだった*3
テレビで求められる人物像をきちんと提供しているのだろう。

 

後半は、脳科学の見地から見た計画の立て方、記憶方法などオーソドックスな内容。
脳科学の本が好きな人というよりは、若い人向けかも。

前半は、世渡りがうまくなりたい人のヒントになりそうです。
私のアクション:作業をする前に机の上を片付け、集中できる環境を作る
■レベル:破 ※最終章は基礎的なことなので「守」

 

以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

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※NHK『プロフェッショナル』スペシャル回の内容をまとめたもの
 

 

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本田直之さん監訳の本


*1:動画ありました→https://youtu.be/DACf2aQ2_I4

*2:女性をとっかえひっかえはどうかと思いますが、フランスのお国柄かもしれません(この人は生粋のパリジャン)

*3:地毛は何と金髪でした