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実は、「ダメな大人用」と表紙に小さく書いてある。
この本のことを知ったきっかけは「これを読んだら、だらしない生活から脱出できた」というあるブログだった。「勉強の本で?」と興味が湧き、図書館で借りて読んでみた。
勉強するために読んだわけじゃないので、普通の読み方とは違うかもしれない。でも人の「やる気」についてよく考えられた良書だった。
◆目次◆
プロローグ
第1章 筆箱を捨てれば、勉強がしたくなる
第2章 「いつもの習慣」を捨てれば、勉強がしたくなる
第3章 計画の立て方を変えれば、勉強がしたくなる
第4章 意識を変えれば、勉強がしたくなる
あとがき
- 人は基本的に愚図。それを認めて、仕組みを作る
- 習慣は、何かを捨てなければ新しく作ることはできない
- 最大の締切効果は「死ぬまでの残り時間」を自覚する
…勉強は「やった分だけ伸びる」が原則です。質も大事ですが、それ以上にどれだけの量をこなしたかが物を言います。
ですから、勉強をする人にとって一番大切なものは、その勉強量をこなすための「やる気」と「継続力」だと言えます。勉強に対する億劫な気持ちを取り除き、楽に、楽しく続けられる方法を身に付けることが成果へ結びつく近道なのです(P7)。
その「やる気」と「継続力」をどうやって持続させるか。その方法を教えてくれるのがこの本。
著者は私たちのほとんどが愚図だと断言する。だからこそ、それを前提に考えなければならないという。
まず、愚図の人は、自分が愚図であるということを認めること。
そして、愚図の自分でもできるような仕掛けを用意すること。
この二つで、自分の愚図を手なずけることができるようになります。もう愚図による失敗は起こらなくなります(P8-9)。
著者自身も愚図だと自覚していて、何とか手なずけてこれまでやってきたとも書いてある。
だから、かゆいところに手が届くようなやり方が学べるのだ。
勉強を習慣化するには、今やっていることを何かやめなければ無理。
今やっていることを計測し、どこを削って勉強時間を作るかを考える。
いい習慣をつけるには、何かをやめなければならないのだ。
さらに、聖域を作らずに仕分けする。いいと思っている、必要だからと疑問に思っていない習慣、たとえば睡眠時間や家族との時間も同様に仕分け対象にするそうだ。
私はこの事実をビジネスセミナーで大金を払って学んだのだが、本に全部書いてある!今では「学校内予備校」のビジネスから手を引いたので、その時のノウハウを全部公開してあるという。実はものすごくお得な1冊ではないだろうか。
さらに、衝撃的だったのが自作するカレンダーだ。
何かをやる時の最大のモチベーションは「締切効果」。それも、自分が死ぬまでの残り時間を可視化することが人生最大の締切になる。
この本では、「48年カレンダー」というものを作り、自分に残された時間がどれだけあるのかを知ることを勧めている。
もちろん、受験や資格試験までの残り時間がひと目でわかる「受験カレンダー」も紹介されているので、必要な方を作るとよさそうだ。
ただ、今は特に勉強をしていない人でも、この「死ぬまでの残り時間」がわかるカレンダーは、日々を無駄に過ごさないための特効薬になるはず。
本には、カレンダーを作る前に2本の動画を見るよう指示されているのだが、それがもう恐ろしい*1。
それだけでも、この本を読んだ価値があると思う。
私がたどり着いたブログで「だらしない生活から脱出できた」と書いてあった意味もわかった。
勉強するには、まず環境を整えなければならない。
最初にやるのは、何と「捨てる」!必要なもの以外は全部捨ててしまうのだ。
読んでいるだけで、「これは捨てなきゃ」と思えるので、捨てられなくて困っている人にはいいかもしれない。
さすがは結果を出させてきた人が書いた本。人を突き動かすモチベーションのことや計画倒れ、やる気がなくなってくることなども見越したさまざまな方法が紹介されている。
当たり前に見えるかもしれないが、結局はコツコツ続けた人が勝つのだ。そのための仕掛けは知っておいた方がいい。
著者によれば「勉強は究極のアンチエイジング」だという。
いつまでも若くいたい大人こそ、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:48年カレンダーを作り、人生の締切を知る♪
■レベル:離 勉強の本としては革新的です
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
book.yasuko659.com
*1:ホラーではなく、身につまされるというか、時間は無限ではないと骨身に染みてわかります