※新版もあります*1。
私がこの本を手に取ったのは、「モーニング・ページ」の正しいやり方を知りたかったから。
他からの情報を見て続けていたものの、何となく気になっていました。
一度ちゃんと本家のやり方を学ぼうと思い図書館で借りました。
読んではじめて知りましたが、モーニング・ページはあくまでツールのひとつ。
この本の目的は「12週間のワークで自分の創造性を取り戻す」というものでした。
- 毎朝モーニング・ページを書く
- 週1回アーティスト・デートをする
- 12週間のワークで創造性を取り戻す
ワークはこれから挑戦予定なので、今回は2つのツール「モーニング・ページ」と「アーティスト・デート」を中心にご紹介します。
もうひとつ、私にとっては重要な「完訳ではない問題」についても書いています。
◆目次◆
[序文]私自身の旅
基本ツール
モーニング・ページ
アーティスト・デート
第1週 安心感を取り戻す
第2週 アイデンティティを取り戻す
第3週 パワーの感覚を取り戻す
第4週 本来の自分を取り戻す
第5週 できるという感覚を取り戻す
第6週 豊かさの感覚を取り戻す
第7週 つながりの感覚を取り戻す
第8週 芯の強さを取り戻す
第9週 思いやりの心を取り戻す
第10週 守られているという感覚を取り戻す
第11週 自立の感覚を取り戻す
第12週 信じる心を取り戻す
終わりに
癒しの言葉
訳者あとがき
- 私がモーニング・ページを始めたきっかけ
- この本について
- モーニング・ページは「脳の排水」
- アーティスト・デートは「自分の内部にいる創造的な子どもとのデート」
- 内容がカットされている?
- 完訳本をメインに、ワークに取り組みます
私がモーニング・ページを始めたきっかけ
“毎朝起きてすぐ、何でもいいからノートを3ページ書く”というモーニング・ページのことを最初に知ったのは、確か山川夫妻*2の本だったと思います。
やり始めたものの、意味がよくわからず1冊書き終わらないうちに自然消滅。
その後読んだ、この本にもまたモーニング・ページのことが出てきました。
こちらは、著者が実際にどう変わったかが書いてあったので、もう一度挑戦することにしました。大学ノート3ページは大変だった記憶があり、今度はA5の方眼ノートでトライ。
すると、続くのは続いたんですが、やっぱり意図がわかっていないため、いつの間にかただの日記に。
(私が「なんちゃってモーニング・ページ」と呼んでいるのはこのノートのことです)
「なんちゃって」のまま続けていたところ、筆子ジャーナルでモーニング・ページに関する記事を読みました。
そう、あの『1週間で8割捨てる技術』著者、筆子さんのブログです。
minimalist-fudeko.com
この記事を見たのがきっかけで、『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』をちゃんと読んでみようと思いました。
この本について
上にも書いたように、この本のメインの内容は「自分の創造性を取り戻す12週間のワーク」です。
この本の原題は「The Artist's Way」。
著者ジュリア・キャメロンさんは作家であり、ご自身の体験を元にした同じタイトルのワークを主宰されています。
ワークの内容をまとめたものがこの本だそうです。
欠かせないふたつの基本ツールがモーニング・ページとアーティスト・デート。
モーニング・ページは「脳の排水」
私が知りたかったモーニング・ページの目的。こんなことが書いてありました。
脳の中を掃除することが目的(P26)
いらないものを全部出してしまうためにノートに書く。言わば、「脳の排水」だとも。
モーニング・ページはただ手を動かし、心に浮かんでくるものをそのまま書きとめることをめざしている。卑劣なこと、愚かなこと、馬鹿げたこと、奇妙なこと、どんなことでもかまわない(P26)。
私たちの頭の中には左脳的な検閲官がいて、日々浮かぶいろんなことに次々とダメ出しをしているそうなのです。
この検閲官が創造性を萎縮させていますが、起きた直後は検閲官がほとんど働きません。
そこで、毎朝ベッドから出て、まっすぐモーニング・ページに向かうことで、検閲を逃れることを学びましょう、と著者。
だから、何を書くのも自由。
三ページの余白を埋めさえすれば、何を書いてもいいのだ(P32)。
「書かなければいけないこと」「書いたらダメなこと」といったものはありません。
アーティスト・デートは「自分の内部にいる創造的な子どもとのデート」
もうひとつのツールが週に1回行うアーティスト・デート。
アーティスト・デートとは、あなた自身の創造的な心(それを本書では、内部のアーティストと呼ぶ)を育むために特別に確保される、週二時間ほどの時間のかたまりである(P33)。
あなたは内なるアーティストを外に連れ出し、話を聞いてやる必要があるのだ。
(中略)
あなたの中のアーティストは子どもである。親と過ごす“時間”のほうが、費やされる“お金”よりも重要なのだ。(P33-34)
スピリチュアル系の本にくわしい方はピンとくると思いますが、これはほぼインナーチャイルドセラピーと同じ。
「創造性」がテーマ、というだけで、基本は「心の中にいる小さな自分と会い、癒していく」プロセスです。
大切なのは、時間をしっかり取ってアーティスト・チャイルドの言い分を聞いてやること。
なぜなら、子どもの私たちはきちんと話を聞いてもらったり、大切に扱ってもらったりしたことがほとんどないからです。
それが、創造性を開花させる重要なプロセスになります。
著者はモーニング・ページとアーティスト・デートは、送信と受信の関係として考えるように書いています。
だから、両方必要なんですね。
内容がカットされている?
気になったのは、訳者あとがきに
翻訳にあたっては、コンパクトな実践書にしたいという意図から、一部、割愛させてもらった(P262)。
という記述。
「完訳版を読んで初めて理解できる部分があった」というアマゾンレビューを見つけたので調べてみると、
がその本ということがわかりました(2005年刊・現在は絶版)。※ただし、こちらの本でも「原著にある著名人のエピソードはカットされている」という情報がありました。本当に全部読みたかったら英語で読むしかないかもしれません
一時期とは言え、英和翻訳の勉強をしていた身としては違いが気になります。
中古なら手に入ることがわかり、購入して比較してみました。
目次で比較したところ、まるまるひとつの章をばっさりカット、という箇所はありませんでした。
ただし、第12章が終わったあとの部分がサンマーク版ではかなりカットされています。
冒頭から第1週が始まるまでの内容をチェックすると、細かい部分が少しずつカットされていました。
たとえば、モーニング・ページの説明で、完訳版では例が「華やかな内容」と「ダメダメな内容」のふたつが対比されているのに対し、サンマーク版では「ダメダメな内容」の例しか出ていません。
細かくカットしてあるので内容は吟味されていると思われますが、確かに映画をテレビ放送で見た時のような、
「カットされているため場面と場面がうまくつながっていなくて、意味がよくわからなかった」
というのは起こりえると感じました。
完訳本をメインに、ワークに取り組みます
私は全部見て理解したいタイプなので、完訳本を使って12週ワークに取り組もうと思います。
ただし、完訳本にもいくつか問題があります。
- 直訳調のため、日本語がわかりにくい、という人も。好みは分かれると思います
- 日本語としてわかりやすいのはサンマーク版。
- 完訳版は文庫本のため、文字がギッシリ。読みにくさはあります
完訳本のレビューに多かったのが「訳がまずい。読みにくくて頭に入ってこない」というもの。
私が読んだ印象では、
「翻訳本を読み慣れていれば、まあまあ大丈夫」
な感じです。
原著を見ていないので推測でしかありませんが、おそらく、完訳本の方が元の文に忠実に訳されているのだと思います。
サンマーク版は意訳に近いのではないでしょうか。
さらに、完訳本の方が内容は多いはずなのに「文庫本」。文字がギッシリ、レイアウトの工夫などが一切なく、「情報量で勝負」という趣です。
細かい字は見たくない…という方には辛いかもしれません。
読みやすさが重要ならサンマーク版をおすすめします。
私も、時々サンマーク版を図書館で借りてチェックしながら完走を目指します。
私のアクション:12週のワークに取り組む
■レベル:破 それなりに覚悟と時間が必要なので
【関連記事】“完訳版”の記事はこちら
book.yasuko659.com
※この本のメモはありません
*1:サイズがコンパクトになっただけ、のようですが詳細は未確認
*2:スピリチュアル界隈では有名な翻訳家。こんな方々ですananweb.jp