自分たちがすごく苦労したと思ってないのに、妙に評価してもらえる時(P45)
というのは、放っておいても、どんどんいい結果が出て、いい環境になって、どんどん力が出ていく状態。それが自分たちに向いている得意なこと。そうじゃないことは向いてないことだ、というふうに、私はだいたい判断していますね。
最初、お客さんは興味がない(P52)
自分たちが作るものに対して、最初、お客さんは、たいして興味がないどころか、まったく興味がない。いつもそこから、始まる。
(中略)
結局、自分たちのミッションは、「いい意味で人を驚かすことだ」ということが、すごくはっきりしたんです。「人を驚かす」ということができなければ、新しいお客さんの数は増えないんです。
「仕事が面白いかどうか」というのは、「自分が何を楽しめるのか」という枠の広さによって左右される(P58)
考えようによっては、仕事って、面白くないことだらけなんですけど、面白さを見つけることの面白さに目覚めると、ほんど何でも面白いんです。この分かれ道はとても大きい
続くゲームと続かないゲームがあることと、いろんな習慣が継続するかということはすごく似ている(P80)
共通することが何かというと、人は、まずその対象に対して、自分のエネルギーを注ぎ込むんですね。時間だったり、労力だったり、お金だったり。そして、注ぎ込んだら、注ぎ込んだ先から、何かしらの反応が返ってきて、それが自分へのご褒美になる。
そういう時に、自分が注ぎ込んだ苦労やエネルギーよりも、ご褒美の方が大きいと感じたら、人はそれをやめない。だけど、返ってきたご褒美に対して、見返りが合わないと感じた時に、人は挫折する。
これは「やめずに続けてしまうゲーム」の条件としても成り立ちますし、「英語を学ぶ時に挫折しないかどうか」も、同じ理屈で説明ができる
自分が注ぎ込んだものよりも、ご褒美の方を大きく感じる瞬間が来れば、よい循環が始まるし、それが続く(P82)
たぶん、人が自分の人生の中で「ここが得意かも」って思っていることって絶対ご褒美回路が開いていますよ。
つながりを発見するとご褒美が増える(P83)
今まで得意だとは思っていなかったことで、「実は、これも同じじゃん」って思えるようなことが出てくる。たとえば、プログラムを作ることと、会社経営はよく似たところがあるぞって、私は発見していくわけです。
そういったつながりが発見できない時は、得意なことは増えていきません。たとえば私がプログラムだけを専門にしていた時は、組織や経営の本を読んでも、つながってないから本当に意味では頭に入ってこないんですね。…知識が増えるだけだと達成感がないんです。「明日、これが使えるぞ」っていうことがないんですね。そうすると、「ご褒美」が感じられないわけです。
問題を分析するというのは(P85)
物事を要素に分けて分解して、その中で「こうすればこれは説明がつくよね」という仮説を立てていくこと。
プログラマーは、何か問題がある時、それに対して、いくつも仮説を立てては頭の中で比べるということを、日常的にくり返しています。
「天才の定義」(P136)
わたしが見つけた「天才の定義」があります。
「人が嫌がるかもしれないことや、
人が疲れて続けられないようなことを、延々と続けられる人」、
それが「天才」だとわたしは思うんです。
考えるのをやめないこととか、
とにかく延々と突き詰めていくこと。
それは、疲れるし、見返りがあるかもわからないし、
たいへんなことだと思うんです。
でも、それは、それができる人にとっては苦行じゃないんですよ。
それを苦行だと思う人は、苦行じゃない人には絶対勝てない。
だから、それが才能なんだと。
自分が苦労だと思わずに続けられることで、
価値があることを見つけることができた人は、
それだけでとてもしあわせな人だと思います。
仕様を決めるときに、ほんとうに大事なことは(P163)
「なにを足すか」じゃなくて、
「なにを捨てるか」
「なにをやらないと決めるか」だというのを
すごく実感しました。