毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]在宅HACKS!☆☆☆

家族が借りてきた本。
「HACKS!シリーズ」で一世を風靡した小山龍介さんの新刊です。私も何冊かお世話になりました。


「会社に勤めていた人が、在宅勤務になってどうするか」という本かと思ったら、もっと広い意味の「在宅ワーク」がテーマ。

「アフターコロナの働き方改革」を提言するような本でした。


  • ポイント1 これからは「ベルクソン時間」
  • ポイント2 「パーキンソンの法則」を避ける
  • ポイント3 情報発信で自分ブランドをつくる



◆本の目次◆
はじめに
第1章 環境整備ハック 集中力を高め、やる気スイッチを入れる
第2章 行動管理ハック オン・オフを切り替え、アウトプットを最大化する
第3章 コミュニケーションハック チームで連携して、プロジェクトをスムーズに遂行する
第4章 情報整理ハック 情報洪水から身を守り、最新情報を手に入れる
第5章 メンタル&ヘルスハック コンディションを維持し、最高のパフォーマンスを発揮する
第6章 副業ハック 自分の可能性を広げ、新しい収入源を得る
おわりに

こんな本です

小山さんは、いくつかの起業を経て2010年に独立したあとは、基本的に在宅ワークで仕事をしてきたそう。
本を出版し、大学で教え、博士課程に通学する大学院生でもある。会社や一般社団法人を立ち上げ、趣味のつながりも広げていると言います。

小山さんが、こんなにたくさんのことをこなしていける理由。
それは「在宅勤務」のおかげ、と本書で断言されています(P3-4より)。


時代に先んじて「在宅勤務」を磨き上げてきた著者だから書ける、これからの在宅勤務の可能性。
新しい働き方を見せてもらえます。

この本は、在宅勤務を通して起こるポスト・コロナ時代の「キャリア」の大転換を示すものです(P1)。

…リスクもポジティブに転換してしまう。そのハックを紹介するのが本書ですが、その本質は、従来の働き方の常識にとらわれているあなた自身をハックすることにあります(P5)。



ポイント1 これからは「ベルクソン時間」

いきなり物理みたいな話ですみませんが、一番印象に残ったのがこの話でした。

時間には2種類あります。ひとつは客観的・絶対的なニュートン時間、もうひとつが主観的で相対的なベルクソン時間(P83)

ニュートンにとって時間とは「外的な影響を受けない、均一に流れるもの」。
対してベルクソンはニュートンのような均一な時間ではなく、一連の流れを持ったものとして時間を捉えました。
「分割したり、定量的に計ったりできない主観的なもの」。


つまり、「嫌な仕事をやる時の10分は永遠にも感じられるのに、楽しい時間はあっという間に過ぎていく」――これがベルクソン時間です。
誰でも経験がありますよね?


今までの仕事は「ニュートン時間」で管理されていた。
時給もそうだし、正社員の給与計算も「何時間会社にいたか、労働に従事したか」がベースになります。


でも、在宅勤務の評価は変わります。
在宅では「何時間労働に従事したか」が厳密には管理できません。

つまり、「成果を上げるのにかかったのが10分でも、10時間でも同じように評価される」のです。

在宅勤務においては、ニュートン的なスケジュール管理は、もはや意味をなしません。…濃密な時間を過ごすための「持続」を生みだすようなベルクソン時間としての時間管理、自分のやる気スイッチが入るような時間の使い方こそが、求められている(P85)

行動を今すぐ変えることはできないかもしれません。
ですが、このふたつの時間のとらえ方を知り、ベルクソン時間を意識していくだけでも時間の使い方は変わるのでは、と感じました。

ポイント2 時間の天引き&締め切りで「パーキンソンの法則」を避ける

パーキンソンの法則とは「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というもの。
例:「仕事を終わらせるのに3時間あるとすれば、3時間すべてを使い切るまで仕事量は増える」

つまり、「実際は30分で終わらせられる仕事なのに、3時間を使い切るような仕事の仕方をしてしまう」ような状態。
これも「仕事あるある」ですよね。


締め切りがない在宅勤務だと、際限なく仕事が膨張してしまう危険性があります。
いつでも、いつまでも仕事ができてしまうので、どこかで線を引かなければプライベートの時間まで仕事に侵蝕されてしまいます。


それを避けるには「時間を天引き」してしまおう、というのが小山さんの勧め。

小山さんは日中、オフィスワーカーなら仕事をしている時間帯に「自分へのアポ」を入れているそうです。ギターレッスンや英会話のレッスン、大学のレポートを書くなど、内容はいろいろ。

これも、「レッスンが始まる○時までにこの仕事を終わらせる!」というデッドライン効果があってよさそうです。


締め切りを入れるHACKも(「午後3時に締め切りを入れる」P65)。
こちらは「3時に必ず休憩を入れる」というもの。
在宅ワークだと時間の区切りがなく、締め切りがなくなってきます。

そこで、お昼の時間や休憩時間をきちんと決めましょう、というHACK。
他にも、30分後にコンビニに行く、1時間後にゴミ捨てに行く、というちょっとした外出も締め切りになるそうです。


自分にアポを入れたり、強制的に休憩を入れたり。
その結果「仕事の時間」が限定されてしまいますが、「とにかくその中で終わらせてしまう!」というのがコツだそうです。
時間の制限がないのと「○時までに」とハッキリ決まっているのとでは、仕事の取り組み方も変わってくるはず。


「時間の天引き」や「自分とのアポ」は今までにもいろんなところで見聞きしてきました。
それだけなら目新しいことではありません。

ただ、それを「パーキンソンの法則を防ぐ」ためであり、意識的に「締め切りを設ける」と考えれば、説得力のある方法だと感じました。

ポイント3 情報発信で自分ブランドをつくる

こちらはおもに「第6章 副業ハック」より。
「在宅ワーク」をどうするかという話を超えた、新しい働き方がテーマです。


これからは自分の可能性を広げ、新しい収入源を得ることを考えていく時代。
副業を解禁する企業も増えています。おそらく、この流れは止まらないでしょう。

会社の中での成果にとどまらない自己表現をしていくためにも、プロフェッショナルとしての情報発信を手がけていくべき(P201)


今後、会社の名刺が通用しなくなってきたら、自分が何者であるかを示すには「ふだん自分が何を発信しているのか」が重要になってきます。
そのために何をすればいいのか。


具体的にはYouTube配信、ラジオ番組配信の方法から、合同会社や一般社団法人の立ち上げ方まで、小山さんが実際にされてきたことを簡単に解説してあります。

これから世の中はこんな風になっていくんだな、というのをまとめて学べてとても有意義でした。

まとめ
  • 「在宅勤務」はこれから必須になっていく
  • その時、「会社の仕事を家でやる」以上の意識が必要になる
  • 会社に縛られず、人と人とが仕事をしていく流れに
  • SNSなどの情報発信、ブランド化もそのために必要になる
  • そのために、今から準備をしていきましょう、という本

もちろん、「会社の仕事を家でする」ためのハックスもたくさん紹介されています。
生産性を上げるためのガジェットやツール類もいろいろ。

ただ、「今家でしている在宅ワークを何とかしたい」だけが目的で読むと、つまらなく感じるかも(それ以外の話の方が多いので)。


個人事業主など、 「会社でしていた仕事を家でする」以外の人にとっても役に立つ本です。
ピンと来た方は読んでみてください。

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