毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]Joy at Work 片づけでときめく働き方を手に入れる☆☆☆☆ 

いまや世界で活躍するこんまりさんの本。
出ているのは以前から知っていたんですが、何となく雰囲気が違うな、と思ったらアメリカの大学教授との共著でした。


家族が借りて来たので、いい機会だと読んでみました。

世界進出した「こんまりメソッド」が進化したことを実感できました。



  • ポイント1 3つのときめき
  • ポイント2 過去の選択を自分で認めて手放す
  • ポイント3 時間を片づける



◆本の目次◆
はじめに
読者のみなさんへ

第1章 どうして、片づけが必要なのか?
第2章 片づけでリバウンドしないために
第3章 仕事場を片づける
第4章 デジタルデータを片づける
第5章 時間を片づける
第6章 決断を片づける
第7章 人脈を片づける
第8章 会議を片づける
第9章 チームを片づける
第10章 片づけの魔法をシェアする
第11章 もっと仕事で“ときめく”ためには

おわりに
謝辞
訳者あとがき
原注

【共著について】
1-3章と11章…近藤麻理恵さん担当
4-10章…ソネンシェイン氏担当
※翻訳されているのはソネンシェイン氏の部分のみ(訳者あとがきによる)
※見開きのページ右下に、どちらが書いたものなのか明示してあります

こんな本です

タイトルでわかるとおり、「職場の片づけ」がテーマです。

スコット・ソネンシェイン氏はライス大学教授で、専門は組織心理学。こんまりさん曰く「ときめくキャリアづくり」の専門家だそうです。
こんまりメソッドを実際に試した上でこの本を書いた、とありました。

「世界を片づける」を実践する近藤氏と、研究の最先端にいるソネンシェイン氏、二人が力を結集して、「ときめき」や「達成感」を基準に働き方やオフィス環境を整え、キャリアアップや成功へのパワーを手に入れる秘訣を、わかりやすく私たちに伝授(P300) 訳者あとがきより


職場を片づけるだけで働き方、引いては生き方まで変わるというのがこの本の主張。
最初は「本当かな?」と思いましたが、読んでいくうちにあり得るかも、と感じられるようになりました。

これからみなさんにお伝えする片づけは、たんにデスクまわりをスッキリさせることが目的ではありません。片づけを通して、自分と対話すること。…仕事における自分の価値観を知ること。
(中略)
…自分がしている作業一つひとつに対して、それらが自分のときめく未来につながっていると実感できるようになること。最終的には、自分の仕事に対して迷いなくエネルギーを注げるようになることこそが、仕事において片づけをする本当の目的(P40)

「ときめくモノだけを残し、他のものを手放す」というのは、自分と向き合う作業でもあります。
その結果、自分が本当に大切にしているものがわかり、生き方が変わっていった人の例もたくさん出てきます。


ただし、私の現在の働き方では7-10章はあまり関係がないので、それ以外を中心にお伝えします。

ポイント1 3つのときめき

個人的に、「あっ、進化してる!」と思ったのがこちら。
ときめきが3種類に分かれていました。

  • 「まっすぐときめき」それ自体にときめきを感じるモノ

ときめきに直結するもの。これは説明不要ですね。
従来の「ときめき」そのままです。

  • 「機能的ときめき」 機能の面で役に立つモノ

日々の業務であなたをサポートしてくれる。
文房具やツール類など、モノ自体にときめきは感じなくても、それを使うことによって仕事が捗ったり、うまくいくもの。

  • 「未来のときめき」 あなたのときめく未来につながっているモノ

たとえば領収書。「領収書」そのものにときめく方は少ないと思いますが、「精算すれば経費が返ってくる」メリットがありますよね?これも一種の「ときめき」です。
または、気が進まない仕事。やり遂げればキャリアアップにつながる、信頼感が得られるならば、それは未来につながっています。

なので、これらも「ときめき」に分類が可能なのです。


10年前にこんまりブームが起きた時、私のまわりでも片づける人が続出しました。

ところが、「ときめくモノだけを残す」を忠実に行った結果、「使えるカバンがない!」「○○がない!」という事件発生。
そうなんです。「ときめかないけど必要なもの」というのがあったんですね。


私もこんまりメソッドでは「片づけ祭り」が完了できず、途中で「好き/嫌い」「使う/使わない」のマトリックスで分類する方法にシフトした、という経験があります*1

この本を読んで、「そこがクリアされている!」というのがうれしかったです。

ポイント2 過去の選択を自分で認めて手放す

「後悔したり恥ずかしくなるものでも、きちんと向き合う」のが大切。
そうすることで、仕事、ひいては人生そのものがときめくものになる。


ありますよね。
「何でこんなモノ買ったの?!」
という服や
「見るだけで後悔してしまう黒歴史」*2
など。


でも、こんまりさんはやさしく諭してくれます。

「こういうモノは私には必要ないということを教えてくれてありがとう」と手放し、一つひとつの過去の選択を自分で認めてあげること(P111)

もはやヒーリングです。


これをくり返すことで、最終的には自分のどんな選択でも肯定できるような考え方が自然と身につくそうです。

ポイント3 時間を片づける

こちらはスコット教授の章から。

「活動の散らかり(アクティビティ・クラッター)が生活を混乱させる」のだそうです。

その理由は次の3つ。

  1. 成果を求めすぎてしまう
  2. 重要性ではなく緊急性を優先してしまう
  3. 複数の作業を同時にこなすマルチタスク


その中でも、身につまされたのが1。
「報酬の過剰な追求」を避けるように意識しなくては、と肝に銘じたくなる実験研究が紹介されています。

要約するとこんな実験。

  • 被験者は心地よい音楽を聴いている。
  • 「目の前のボタンを押すと、気分が悪くなるような騒音が流れるが、一定の時間それを我慢すればチョコレートが1個手に入る」という条件が提示される。
  • ただし、獲得したチョコレートは実験中しか食べられず、持って帰ったり人にあげることもできない。


――そこまできちんと説明を受けた被験者たちは、どうしたと思いますか?

なんと、被験者たちは「際限なく」ボタンを押したのだそうです。騒音に耐えてまで。
その結果、「食べきれない量のチョコレート」が手に入りました……。


笑い話のようですが、これは真面目な実験結果。
「重要でない目的のために、大量のエネルギーを注いでしまいがち」という傾向がわかった、というのです。


それはつまり、「求める量の成果以上に時間を使い、働き過ぎて疲れてしまう」という、私たちの傾向を示しています。

成果を得ること、そして能力を発揮することは、たしかに大切です。ですが、その反面、私たちをだめにしてしてしまう場合もあります。…価値がないと感じる成果のために、やりたいことを犠牲にしないように(P150)


私もこういうもったいない時間・労力の使い方をしてしまうので、深く刺さりました。
「報酬を得ること」が目的になっていないか、その作業は本当に必要なのか、冷静になって考えた方がよさそうです。


目に見えない時間の扱いも、実はモノと同じ。
「過活動」になっていないかチェックし、散らかりを片づけることでときめく時間が増やせます。

まとめ
  • こんまりメソッドは職場にも使える
  • モノだけでなく、決断や人間関係、時間など、目に見えないものにも使える
  • 片づけは自分と向き合い、理想の働き方、ひいては理想の生き方を見出す方法

読んだら片づけたくなりますよ!
私のアクション:メールを整理し、受信トレイを毎日空にする
■レベル:破


 


次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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*1:それでも「片づけ完了」まで行ってないので、偉そうなことは言えません

*2:私の場合、セミナー資料や通信教育のテキストが山のように…