毎日「ゴキゲン♪」の法則

自分を成長させる読書日記。今の関心は習慣化、生産性、手帳・ノート術です。

[読書日記]Think clearly☆☆☆☆ 


家族が借りてきた本。はじめて知りましたが、著者ロルフ・ドベリさんの本は超人気シリーズなのだそうです。
分厚いし、文字も小さいし、 「もしかして難読本?」と不安もよぎったものの、読み始めたら面白くてするっと読めました。

デジタル・ミニマリスト: 本当に大切なことに集中する』や『時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」*1にも通じる、 自分にとって価値のあるものを見直すきっかけになる本でした。

この記事では私が面白いと思ったものを3つご紹介します。


  • ポイント1 「複雑すぎる問題用バケツ」を用意する
  • ポイント2 期待を管理する
  • ポイント3 よい本を選んで、続けて二度読む



◆本の目次◆
1 考えるより、行動しよう──「思考の飽和点」に達する前に始める
2 なんでも柔軟に修正しよう──完璧な条件設定が存在しないわけ
3 大事な決断をするときは、十分な選択肢を検討しよう──最初に「全体図」を把握する
4 支払いを先にしよう──わざと「心の錯覚」を起こす
5 戦略的に「頑固」になろう──「宣誓」することの強さを知る
…など52章
すべての目次はサンマーク出版の紹介ページにあります

こんな本です

著者はスイスの航空会社のCEOなどを歴任したのち、35歳から執筆活動を始めたという人です。
サンマーク出版の著者紹介ページ
www.sunmark.co.jp

私たちが生きている世界を理解するためには、いろいろな思考法が詰まった「道具箱」があるといい。
(中略)
「思考の道具箱」は、雑多な知識よりも、お金よりも、コネよりも、人生にとっては大切なものである(P2-3)

この本は、著者が使用してきた「思考の道具箱」をまとめたもの。
「最新の心理学研究」「ストア主義」*2「バリュー投資家の思考」の3つがベースになっています。
人生がうまく行く可能性を高めてくれるコツが52も!

※以下に挙げる3つは、あくまで私がいいと感じたものです。ご了承ください。

ポイント1 「複雑すぎる問題用バケツ」を用意する

これは実際に作るのではなく、精神的に用意するもの。
頭の中にイメージすればよさそうです。

あなたが興味を持てない質問や、答えられない質問や、難解すぎる質問を投げ入れるためのバケツだ(P252)。


私たちには質問が複雑であるほど「即座に直感で答えを出す」傾向がある、と著者は書いています。
その理由は実は後付けであることが多いのだとか。
これを「感情ヒューリスティック」と呼びます。
uxdaystokyo.com


著者が「複雑すぎる質問用バケツ」を勧める理由はふたつ。

  • 即座にうっかり答えてしまわないため
  • 「常に意見を持たなければならない」という呪縛から解放されるため

リスク回避のためですが、「自分にとって得意なことと、それ以外をきちんと分ける」*3という意味でもあります。

ありとあらゆることに意見を述べなくていいのは、とても解放感がある。それに、恥ずかしがらなくても、意見がないのは「知能の低さ」の現れではない。「知性の表れ」だ(P253) 。

実際に、著者はあるジャーナリストに政治的傾向を聞かれた時、「わからない」と答えたという。
「でも何かしら意見はあるでしょう!」
「意見はないんだ。そのテーマは私の『複雑すぎる質問用』のバケツに入っているからね」


質問に「わからない」と答えたっていいんです。
考えるテーマはきちんと選びましょう。
それ以外のものはすべて「複雑すぎる質問用」バケツに入れてしまいましょう。

ポイント2 期待を管理する

私たちが「期待」と考えているものは3つに分けられます。

  1. 「しなければならないこと」は必然
  2. 「したいこと」は願望(好みや目標)
  3. 「できればいいなと思うこと」は期待

まずはこの3つを明確に区別することが大切。

本当に必要なことは、願望とは関係なしに行われるもの
(中略)
「願望」を人生の必然事項のように考えていると人は、気難しく、不機嫌になる(P372)。

確かに、「欲しいものが手に入らない」状態がずっと続くと、いい気分ではいられませんよね。
意識して切り分ければ、自ら不機嫌状態を作り出すことは避けられそう。


古代ギリシアの哲学者たちは、人間が手に入れたいと願うものを「取るに足りない好み」と呼んだといいます。

どんな人にも好みはあるが(たとえばフォルクスワーゲンのゴルフよりポルシェが好きといった)、しょせん、そういったものは人生の幸福にとっては取るに足りない要素でしかない(P372)

「取るに足りない」とは、刺激的な表現です。
でも、「単なる好みの違い」と思えれば、切望感を小さくすることはできるはず。


「現実に即した期待」を持つため、著者が行っているのは次のような方法です。

これから何かをしようとする時には必ず、「必然」と「願望」と「期待」をはっきり区別する。
1.「期待」を0~10の間で評価する

  • 「0」は悲劇的な出来事を予想している場合
  • 「10」は一生をかけた夢がかなうと期待している場合

2.最後に、自分が評価した点から「2点」を差し引き、その数値を頭の中に定着させる

10秒とかからないシンプルな作業だが、期待に「数値」をつければ、何の根拠もないのに感覚だけで期待を作り上げる、無意識の思考を阻止することができる、と著者は書いています。

この作業を行ったあとの期待値は、適正値を少し下回っているので、失望を避けるための余地もできるそうですよ。

ポイント3 よい本を選び、続けて二度読む

3つめは、「読書日記」なので本に関することを。


読んだ本の内容をほとんど思い出せないことにショックを受けた著者。
ある時から読み方を変えたといいます。
それが「読む本を絞り込み、価値のある本だけを二度読む」というもの。


絞り込むのに役立つのが「読書カード」の存在です。
これもイメージとしての「読書カード」*4


一生に1枚しかないカードにはマス目がある。
「このマス目の数以上は、本が読めない」としたら、どの本を読むかもっと吟味しますよね。それが狙い。

「今手にしている本は、読書カードに刻印するだけの価値があるか?」。そう考えると、読む本はかなり厳選される。そうして選び出した本を、私は「二度」読む。それも、「続けて二度読む」ことに決めている(P297)。

続けて二度読むことで、読書効果は(著者の体感で)一度しか読まない時の10倍にもなるそうです*5


読書カードのマス目の数は、自分で自由に決めます。
著者はこれからの10年で使うマス目の数は「100」と決めているそう。

読む本は、かなり絞り込むようになった。読むかどうかを考える時間は、1冊あたり10分以内と決めている(P297)。

…30歳を過ぎたら、人生の残りの時間を出来の悪い本に費やすのはもったいない(P301)

耳が痛い。


ただし、若いうちは手当たり次第にたくさんの本を読むことをすすめています。
その理由は、自分の中に本の質を判断する力を蓄えるため。

20代までは自分の価値基準を決めるためにどんどん読み、30代以降はいい本に絞るのが、賢い戦略と言えそうです。

まとめ

この本のよさは、「訳者あとがき」にシンプルにまとめられていました。

私たちの脳の進化は、あまりに速い文明の発展スピードに適応できていないらしい。時代に合わない脳で複雑な現代社会を生きようとする私たちは、当然、考え方においても生き方においてもミスをする(P426)。

だからいろいろな思考法が詰まった「道具箱」が必要なのだ、と著者は言います。

本書を読むと、よい人生を送るというのは、「物質的に満たされることではなく、ストレスを引き起こすような考え方を避けて心を充実させること」だとあらためて気づかされる(P427)。


52もあるので、何が心に響くかはきっとひとりひとり違うはず。

ひとつの章は短いのでさっと読めます。
しかも、最後に「結論。」としてまとめてあるので、さらに簡単にポイントがつかめるのもうれしい。


人生で本当に大切なことに気づける1冊。
あくせく毎日を過ごしているだけな気がする、最近幸せを感じない、という方はぜひ読んでみてください。
私のアクション:期待を10段階で評価する訓練をする
■レベル:破


 


次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
book.yasuko659.com


【関連記事】
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*1:読書日記がまだ書けていません

*2:古代ギリシア哲学の一派

*3:これは「能力の輪」という項目に出てきます

*4:元になっているのはスイスの鉄道の回数券だそうですが、実際に作るわけではありません

*5:本を読んだあと、覚えている内容が3%→30%にUP