家族が借りてきた本。
「何もしないでいいならそうしたいわ!」と思い、やり方が学べるかと読んでみました。
この頃ずっと気分的に疲れているので、新しい年の1冊目に読みたいとチョイス。
なかなか新しい切り口でした。
- 「疲れたら休む」では遅い
- 自分のトリセツを作ろう
- 負担に感じたら「マイナス1」
◆本の目次◆
はじめに 「休む」優先順位を上げる
序章 みんな誰もが疲れている時代
第1章 疲れたから休むのではなく、疲れないように休む
第2章 休むことを「習慣」にする
第3章 ワーク・ライフ・ブレンド時代に「完全に休む」睡眠を手に入れる
第4章 なにもしない習慣の続け方
第5章 上手に休めば人生はうまくいく
おわりに 異なるトリセツを尊重し合える、豊かな社会へ※第3章対談 穂積桜氏(産業医、精神科医)
こんな本です
著者は栄養士。食事カウンセリングなどで多くの人と接するうち、現代人はみんな「し過ぎて疲れている」ことに気づいたそうです。
し過ぎをやめるにはどうしたらいいのか?
もっと休むために、変えるのはどこか?
食事や栄養のことだけでなく、生活全般のことが書かれています。
著者によると、
「休む」=「回復」
なのだそうです。
本当に回復しているかどうかの基準は「朝、元気に目覚めているかどうか」。
本当の意味で回復するというのは、朝の時点でゼロリセットされている状態を指しているのです。朝からため息をつきたくなったり、「今日も同じことの繰り返しか」と気が重くなったりしているなら、いまの休み方では回復できていない(P35)
タイトルから受けるイメージとは違い、そこそこ取り組む必要はあるものの、読みやすく共感できる本でした。
ポイント1 「疲れたら休む」では遅い
「疲れてから対処していては、取れる手段も限られるし、時間もかかる」というのが著者の主張。
疲労を対症療法で何とかしようとするのは、コストパフォーマンスが悪すぎるのだそうです。
原因にアプローチした方が早い!
定期的にマッサージへ行かなくてはならないなら、「どうしてわたしの体は凝りやすいんだろう?」と考えることが大切であり、不調や疲れを引き起こしている根本的な原因を取り除かなければ(P68)
変えるべきなのは、症状ではなく、それを引き起こしている生活のなかの行動や仕組みのほう(P69)
つまり、「何が原因でこんなに疲れているのか?」を探る必要があります。
ポイント2 自分のトリセツを作ろう
著者のおすすめは「自分のトリセツ」を作ること。
この時の目安として、「生活の6つのファクター」が挙げられています。
- 「仕事」
- 「家事」
- 「人づきあい(家族含む)」
- 「睡眠」
- 「食事」
- 「自分のための時間」
「仕事」「家事」「人づきあい(家族含む)」はエネルギーを消費しやすく、「睡眠」「食事」「自分のための時間」はエネルギーを充電するものと考えてください。
単純に言えば、消費するものを減らし、充電できるものを増やすことを目指す。
具体時には、「1週間ほど行動のログを取り」、「自分を消費させる行動と、充電させる行動を知る」ということをやってみます。
くわしいやり方は例もたくさん出ていますし、著者の取り組み方も書かれています。
ログは細かく取らなくてもOK。
この時疲れていたのはなぜか、何をしたら回復したと感じたのか、という自分の感覚と行動を結びつけていくことが重要です。
最終的には、自分が「充電できる」と感じられるもの=「充電ポイント」を見つけるのが目的。
科学的根拠は必要ありません。自分が「これをすると充電できる」と感じられるかどうかが大切なのです。
だからこそ、自分でログを取って、自分で見つけるプロセスが欠かせません。
ただし、寝る前のスマホや深夜にドラマの一気見など、楽しいと思っているけど実は消費になっている場合もあるそうです。
翌朝の目覚めや体調などと合わせて見ていくことをお忘れなく。
ポイント3 負担に感じたら「マイナス1」
個人的に面白いな、と思ったのがこちら。
「プラス1」や、断捨離の「1 in,1 out」(ひとつ入れたらひとつ捨てる)などはよく聞きますが、「ひとつ減らす」は新鮮でした。
これは、「やり過ぎていること、自分がやらなければと思い込んでいることをやめてみよう」というもの。
例えば、料理を作るのに疲れていたり、かけている時間が多すぎると感じたりしたら、夕食を1品減らしてみる。自炊の回数を減らしてみる、でもいい(P70)
余分な行動は自分のエネルギーを下げてしまうので、24時間の行動をログに書き出したら、引き算できそうな行動を探してみましょう。
生活のなかの重荷をチェックし、引き算できる行動を挙げていくと、自分の荷物を自分で軽くすることができる(P71)
そのためには、やはり自分がどんな1日を過ごしているのか、ログで見てみることが大切。
改めて向き合うと、「これは要らないかな」とか、「ここが負担になっているな」と気づけます。
まとめ
この本のメソッドは、著者がカウンセリングでクライアントと対話しながら進めているものなので、ひとりでやるのはちょっと大変かも(特に、問題点や根本的な原因を見極めるなど)。
ただ、1週間程度自分の生活を記録し、エネルギーを消費したことと充電になったことを、振り返ってデータを貯めていくだけでも、自分にマイナスの行動を減らし、プラスの行動を増やしていけるはず。
それがゆくゆくは自分のトリセツになり、少しでも回復しやすい環境を整えられるようになります。
第3章は医師との対談。医師の視点が入ることで、より体調を整える情報が得られますよ。
「とことん疲れている時に、こんなにできない」というレビューもありましたが、根本的解決を目指すなら、「自分のトリセツ」作りにはぜひトライしてほしい。
対症療法に限界を感じている方、今年は疲れすぎないようにしたい、という方はぜひ読んでみてください。
私のアクション:ログを取り、自分の充電ポイントを見つける
■レベル:離
必要なのは、科学的エビデンスよりも「私的エビデンス」…「私はこれで充電できる」とわかればそれでいい——笠井奈津子『何もしない習慣』毎朝スマホの電池は満タンにして出るのに、なぜ自分は消費したままなの? 回復には、まず自分専用充電リストを作ろう #読了 #本が好き #KADOKAWA pic.twitter.com/0sXEE6vn2b
— やすこ (@yasuko659) 2022年1月4日
次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモのスタンスはこちら
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