【お断り】個人的にまとめたメモです。個人の感想と本の内容は区別できるようにしていますが、著者の意図から離れていることもあるかもしれません。ご了承ください
◼️文章を読み取るときの手順23
まず一つ一つの単語の意味を明確にする。それを取り違えると全体を読み違えてしまう。次に、それを文法的に組み立てた一つの文の意味を明確にする。そして、いくつかの文を理解し、書いた人間の主張しようとしていること、はっきりとは言わないまでもかすかににおわせようとしていること、あるいは時には、その人がかすかに思っていることを読み取る
◼️クレーマーの原因は読解力不足?27
クレーマーが増えているといわれる。もちろんそれには、読解力のない人も発信する手段を得たこと、以前は片隅で押し黙っているしかなかった人が権威に対して発信してもよいという意識を持つようになったことなどが原因として挙げられるが、もう一つ、読解力の低下という問題もあるのではないか。
逆に言えば、読解力をきちんとつけ、文章を読み取れるようになれば、状況も人の心も今より読み取れるようになり、多くの人が周囲と健全なコミュニケーションが取れるようになる
◼️読解力をつけるには、言葉を実際に使うこと、文章を書くことが大事29
実際に(サッカーを)プレイしたことのある人が、正確に、そして深く試合を見ることができるといえるだろう。それと同じで、文章についても、ただ読むだけの訓練をしても、深く読むことはできない。実際に言葉を操作し、文章を書くことによって、文章を理解できるようになる。そうするうちに、文章を読み取れるようになる。
読み取るだけでは、細かいニュアンスはわからない。自分でしゃべり、人の話を聞いているうちに、それが皮肉を交えた言い方なのか、真面目な言い方なのか、ちょっと古風な言い方なのか、今風の言い方なのかがわかってくる。そうすると、文章を読むとき、筆者はどのような思いでその言葉を使っているのかがわかってくる。
◼️語彙力とは言葉を自分のものにする力32-3
文章を読み取れない人は、一つ一つの言葉の辞書に出てくるような意味が理解できないのではない。むしろ、その連なりを理解できない。言葉のつながりを身をもって理解することができず、それが頭に入らない。だから、言葉の辞書的な意味を覚えることが問題ではない。言葉を自分のものにすること、使えるようにすることが問題なのだ。
◼️「言い換え力」を鍛える33
私が、言葉を使えるようにするために鍛えているのは「言い換え力」だ。
(中略)
言葉の力をつけるためにも、そして読解力をつけるためにも、一つの言い方ではない、もっと別の表現があることを知り、様々な表現を自分のものにすることが大事なのだ。そうすることによって語彙が身につき、読解力がついてくる。
◼️書くことは思考を明確にすること69-70
書くことは思考をまとめることにつながる。
つまり、書くとは、自分の漠然とした考えに形を与えて、他人にもわかるようにする行為なのだ。したがって、書くことによって考えに筋道が生まれる。頭の中にある連続的な思考を整理し、分析的にとらえなおし、思考の塊を言葉に改め、それを文にして論理的につなげて、一つのまとまりのある文章にしていく。それはまさに自分の思考を外からも見えるものにしていく作業なのだ。書くことによって、もやもやしていたものが明確に意識化される。時に、自分がどこに疑問を感じていたのかがわかる。
したがって、文章を書くことができないということは、自分の思考を外に示すことができないということになる。
◼️3WHAT3W1Hを考える87-8
文章は5W1H (WHEN、WHO、WHERE、WHY、WHAT、HOW)を考えて書けといわれる。しかし、小論文を書く場合には、3WHAT3W1Hを考えてほしい。
3WHATというのは
「それは何か(定義)」
「何が起こっているか(現象)」
「何がその結果起こるか(結果)」。3Wとは、
WHY(理由、根拠)
WHEN(いつからそうなのか、それ以前はどうだったか=歴史的状況)
WHERE(どこでそうなのか、他の場所ではどうなのか=地理的状況)。
そして、1Hとは、HOW(どうやればいいか=対策)。
◼️あいまいな言葉は必ず「定義」を考えなければいけない88
「幸福度」が問題のときは、「幸福度」とは何か、そもそも「幸福」をどう測るのかなどを考えなければならない。それをしないまま考えても、あいまいな文章にしかならない。
◼️小論文を書くときの注意点95-7
1️⃣「だ・である調」(常体)を用いる
2️⃣一文を長くしない
60字をこえるときは文を分ける
3️⃣書き言葉を用いる
新聞で用いられている文体を用いる
4️⃣抽象と具体を織り交ぜる
抽象的なことを書いたら、その後にその説明をする。逆に、具体的に書いたら、それを抽象的にまとめる。
5️⃣言葉の定義を明確にする
言葉の意味を明確にする必要がある。特に文中で繰り返し使うようなキーワードについては、きちんと定義して書くほうがよい。